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知っておこう、Adobe Illustrator 回転・反転の問題点

私の大好きな Adobe Illustrator。
ロゴやアイコン、サイン、イラスト、図面、印刷物といった様々な用途で使われている、ベクターイメージ編集ソフトです。

そんな超メジャーなソフトですが、細かな不具合やえげつない問題点がいくつか存在します。
中でも、普段あたりまえのように使用する、回転・反転(リフレクト)系の操作に問題が潜んでいます。

まだまだ周知されてないようなので、ざっくりとまとめておきます。
※このnoteは、以前投稿した内容の簡易版です。詳細については以前投稿した 三階ラボのブログ をご覧ください。

回転・反転させると形状が乱れる

Illustrator の回転ツールリフレクトツール自由変形ツールを使って、オブジェクトの回転や反転を行うと、オブジェクトの形状が乱れてしまいます。

例えば、オブジェクトを選択し、回転ツールや自由変形ツールで Shift キーを押しながら左に 90° 回転したり、リフレクトツールで左右反転させた時点でアウトです。回転ダイアログリフレクトダイアログの数値入力でも同様に形状が乱れます。

変形パネルや情報パネル、プロパティパネル上では変化がないように見えますが、ドキュメント内部の情報は怪しい数値まみれになってしまうのです。

なぜ形状が乱れるの

形状が乱れる(怪しい数値まみれになる)理由は、「回転しようとした角度よりも、回転しすぎちゃってる」からです。
90° 回転させようとしたら 90.0000025...° 回転しちゃってるイメージです。

なぜパネルの数値に影響がないの

変形パネルや情報パネル内の数値は、小数点第四位を四捨五入します。そのため、微かな小数が表に出てこないためです。
200.000000008979(実際の数値) → 200.000(小数点第四位を四捨五入) → 200(小数点以下のゼロを省略)といった流れで表示されます。

何が怖いの

形状が乱れてしまったことに気づかない。というのが何より怖いです。
表面上、綺麗な数値になっているのに、内部では小数まみれの汚いデータのままになってしまいます。
条件にもよりますが、水平・垂直だと思っていてた直線が水平・垂直ではなかったり、連結させた曲線のハンドルが左右分離されてしまったり、SVG で書き出したときに怪しい transform や数値が入ってしまったり… どこで弊害が出るかわからないのです。

というか、一生懸命キレイに作ったデータが汚かったら嫌じゃありませんか?
私は嫌です。

どうしたらいいの

回転ツール、リフレクトツール、自由変形ツール、回転ダイアログ、リフレクトダイアログを使わないことです。
その他の方法で回転・反転するのであれば「一応」問題ありません。ただし、同じような操作(90°回転させてから-90°回転して元に戻すとか)を何度か繰り返すと形状が乱れることがあるので油断は禁物です。

だからどうしたらいいの

私が丹精込めて作ったスクリプトを使いましょう。このスクリプトを使って回転・反転すれば、ほぼ形状が乱れることはありません。
ただし、全ての回転・反転をチェックするのは不可能なので、完璧ではないかもしれません。
けど、デフォルトの回転・反転を行うよりは「圧倒的にマシ」です。

ダウンロードしに行く:
https://onthehead.com/ais/item020/

終わりに

柔らかなタッチのイラストやちょっとしたラフを作成する場合は、影響の少ない問題点だと思います。そんな小数なんか気にしないいよ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、頭の片隅に入れておいてもらえれば嬉しいです。
まじかよ!これヤバイじゃん!と思われた方、友達になりたいです。仲良くしてください。

※(2019/05/27)「バグ」という表記を「問題点」に訂正しました。

喫茶店作業のコーヒー代として使わせていただきます!