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京都府京都市 五香湯

2020.10.13.

二軒目に行く前に、転がしてきたトローリーを車に置かせてもらえたのでありがたかった。車ってのは便利だねえ。人を運ぶだけじゃなくて、荷物も置けるんだね。

よもやま話だけれど、サウナースからはオススメした「瑠璃光院」で購入してきてくれたお菓子、しきじのタオル(使用済み)を、テレクちゃんからは名古屋からのドライブ途中で買ってきてくれた、信楽焼きのたぬきペアをお土産でいただいた。テレクちゃんはぼそりと「実はかわいいTシャツを用意していたんだけど、家に忘れちゃって」と吐露し、「私にも好みはあるんだけどね」というと、やや雰囲気が悪くなったが、仕方がない。

ふと、駐車場近くの小学校だか幼稚園だかを振り返ると、校庭に設置されていた人形の大きさにびっくり!その大きさに大興奮し、「この大きさは驚きだね、絶対写真に撮ったほうがいいよ」と教えてあげたのに「別にいいや」と二人して愛想ないことこの上ない。なんだよ!付き合い悪いな。

さて、犬も歩けばなんとやら。銭湯にすぐに出逢える町が、京都にほかならない。冬に出張終わりに立ち寄った「白山湯 高辻店」、そして廃業してしまった様子の「福湯」。5分に一軒出逢うことができた。「京都は漢字のみの名前が多いね」「名は湯を呈すだね」と感心しながら、てくてく。

一軒目の「サウナの梅湯」では、サウナースが「お昼食べてないならお腹空いてるでしょ」とお腹事情を気にしてくれたので、優しい人だななんて思った。だがしかし、私も既に成人なので、お腹が空いたら自力でなんとかできるし、自力で無理なら「お恥ずかしながら腹が減った」と発言することは能力的に可能だ。何度か同じような質問をもらったのは、おそらく二人がお蕎麦に加えて、かやくご飯を食べた直後だろうに、空腹だったのだろう。「お昼抜いていてかわいそうなやつがいるから、仕方がないから甘味屋に行かないとね」のノリなので、「私のことはお構いなく」なんてつれないことはいわず、「じゃあ、お任せします」とシティガールの付き合いのよさを見せつけておいた。

抹茶に煩い京都の皆様にも愛されていそうな「茶寮翠泉」で、抹茶わらび餅アイスを発注。テレクちゃんはほうじ茶わらび餅アイスを、サウナースはあんみつを。一口おくれといわずもがな、シェアしようよ!二人ともおしゃべりしながら平らげて、一口もくれなかったよ。忍びねえな!とはいえ、「ここはいいよ!」とごちそうになったので、悪いことはいわず、先を急ごう。

二人がどんな関係か様子を伺いつつ、テレクちゃんは仕切るのが好き。サウナースは仕切られている体、かつ、仕切られている。満更でもないということばがあるが、二人とも満も更も完全に持ち合わせておらず、肩肘張らない優しい体型。チクチクしていないというのかな、だって、二人して疎開スタイルだもんね。
サウナースはイメトレしていた雰囲気だが、ボソッと突っ込むことも忘れない。
テレクちゃんは、サウナを通じてあっていなかったら「テレク氏」と呼んでしまいそうな雰囲気。
街で初見で二人を見かけたとしたら、どっかの中学生二人が疎開しているなあと思うか、もしくは、ご夫妻が銭湯に向かって行進してるなあか、いずれかだろう。嘘だと思ったら、自身の目で確認してほしい。
家人を放ってぶらぶらしていることもあり、ここに家人がいたら面白いななんて思ったり思わなかったり。そんなことを思わせてくれる、二人。会えてよかったなあ。

さて、てくてくも終盤。テレクちゃんが「サウナをはじめて、旅の仕方も変わったよ」に続けて「前にさ、馬にも乗ったことがあってね。駄馬だったけどね」って、アンタ!駄馬って使わないよね、なんだよそのことば選び、久々に聞いたわ。高校の化学の授業中に「お前は腐ったリンゴだ!」といわれたけれど、それに近いものはあるね。

さ、前振りが長くなったが、銭湯に到着!こちらはサウナースお気に入りの「ラドン湯」があるそうだ。なぜ好きなのか尋ねると「贅肉をもってかれるんだよ!」とのこと。効果の程は申し訳ないが、傍目にはわからずではあるが、信じることがなんたらと大事マンブラザーズも歌っていたからね、否定する立場ではないので「へえ、そうなんだね」と頷く。

さっと脱衣し、浴場へ。え?サウナースよ、「一階はさっさとこなせよ」っていったよね?でも見てよ、この一階のバリエーションたら!きっと東京の四大アクアも敵わないよ。なんなのこの多品種ったらよ!
じっこう湯、熱湯、そこそこ熱湯、なかなか熱湯、シルキー風呂とあり、ひとり一湯船も夢ではない。じっこう湯は風味は薄めだったけれど、ぬるくて来世まで入っていられる。熱湯をハンドパワーでシルキー湯に出来たりと、アトラクション満載。
「チンタラしてんじゃないよ、アンタ」という視線を送られたので、二階へと向かう。

サウナ室内は、サウナースの説明によると「二軒間」で、手前が90度くらい、ドアを挟んで奥が100度くらいの本当に二軒間!サウナの強度とテレビとの距離との違いで選べるシステムといえば間違っていないだろう。奥側はチリリと熱いけれど、気持ちいいね。手前でも、ニュースを観ながらひそひそおしゃべりしつつ、しっかり温まることができた。サウナースは、視線がそわそわとしていて、こいつ私より挙動不審だなと思うが、きっと職場では大丈夫なのだろう。愛知で病院にかかる際は、注意されたい。

サ室を出ると、直ぐに水風呂、そしてカランが並ぶ。汗をシャワーで流してざぶんと身体を冷やすと、特に今日のような夏日では、冷水浴の有難さを感じる。家にも二つお風呂があったら、一つはぬる湯、もう一つは使わないようにすると思う。さて、休憩だ。

水風呂から5歩ほど歩き、扉を通ると、半露天の岩風呂スペースが広がる。休憩椅子も並んでいるので涼を感じて身体を落ち着かせ、ラドン湯で半身浴しながらおしゃべり。二人ともかなりボーッとしているので、気がついたらテレクちゃんとの待ち合わせ10分前。迷わず、「もう一回行こう」とサウナに入り、テレビで流れる新規感染者の数にため息をつき、脱衣所へ戻る。一階の浴場を振り返りつつ、ここはまた来たい、「またね」と再訪を誓って着衣する。

お風呂上がりは、前回の京都滞在時にも行ったそうで、お気に入りになったという「ぎょうざ処 亮昌」に案内してもらった。
「ビール飲んでもいいよ」と勧めるテレクちゃんの目が笑っていなかったので「あ、今日はいいや」と遠慮するも、「いやいや飲みなよ」と二回進められていたら飲んでたね。なんだよ、重ねて忍びねえな。
キャベツ、豚肉、九条ネギと地元の食材を使用しており、隠し味にショウガが入っているかなと思ったが全く入っていない代わりに、味噌が餡に入っているとのことだった。黒煎り七味、ラー油でいただいてとてもおいしい餃子だ。おばんざいも、メンマとうずらの卵の漬け。「うずらは一番好きな食べ物なんだよ!」と騒いだが、等分にしか食べさせてもらえなかった。忍びねえな!なんてことは思ってもいない。なぜなら、「食事はいいよ!」とごちそうになったからだ。アレ、この人たち、さっきも私にごちそうしてくれたの、忘れているのかな?だったらビール飲めばよかった!なんてことも微塵も頭をよぎっていない。

食事中は、サウナで得たものやサウナへの熱量、習い事や趣味など、楽しく会話できた。私だけだったらごめん。テレクちゃんとは、新しい学びへの意欲が強いということが似ているかもしれなく、サウナースとは、新たに環境に果敢に挑む姿勢が似ているようだ。つまり、二人も三人も、目鼻口がついている以上に似ているってことだね。
私も家人とこんな風にサ旅したいなあと思いつつ、ないものねだりはやめておこう。

お店を出て「卓球の素振りでも見せてよ」というと、仕方ないなという表情で演ってくれた。とても地味な素振りだったので唖然としていると、取ってつけたように「防御は最大の攻撃だから!一応、市の大会で中堅どころだから!」と解説してくれた。まあ、遠い道のりかとは思うが、全国大会まで頑張ってほしい。

二人に京都駅まで送ってもらい、急いで蓬莱の肉まんを購入。これは唯一、家人がリクエストしたお土産だ。新幹線で一個失敬して、お腹いっぱいのお腹をさらに満たせる。
大阪、京都、お風呂の旅。やっぱり、ひととの語らいが楽しいなと思った帰路でしたとさ。

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