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ゲーミング大仏と2024年

2024年を迎えた瞬間、私たち家族5人はゲーミング大仏の眼前に立っていた。

宗教上の理由で来た訳ではない。長女が数年前に「ディズニーランドより牛久大仏が好き。」と言ったことを思い出したのだ。勝敗を分けたのは「螺髪(らほつ)の有無」だそうだ。詳細は不明だが、螺髪に相当のアドバンテージがあるように見受けられる。ウォルトディズニーのキャラクターが束になっても敵わなかった世界線が、そこにあった。

牛久大仏は、茨城県牛久市にある全高120mの立像だ。毎年、お盆と年末にライトアップと打ち上げ花火が行われる。先述の理由もあり、この年末のカウントダウン花火を見るために、大晦日に深夜高速で来たのだ。生きてて良かった。

年末年始の道路の混雑状況が読みきれず、21時には駐車場に着いた。年越しまで3時間あるというのに、敷地内はほぼ満車だった。この間、子ども達は退屈するかと思われたが、Amazon Prime Videoを活用して、後席モニターで名探偵コナンの年越し耐久視聴を始めたので、杞憂だった。車内では夜通しで人死にが実況中継された。

23時を過ぎた頃か、足元のサーチライトで大仏が1680万色にライトアップされた。正確には、4色くらいだったかもしれない。彩り豊かに照らされた大仏は、年末の独特な空気感もあって、何らかのバフがかかっているかのような様相を呈した。

年を越す瞬間は、10秒前からのカウントダウンではなく「南無阿弥陀仏」を1音ずつ読み上げて行われた。7音だから7秒前辺りだろうか。ストロング缶を持った若者も、謎の郷土音楽を爆音で流す外国人も、みな等しく阿弥陀仏への帰依を表明していた。今この瞬間、牛久を中心に念仏が叫ばれていた。

新年を迎えると同時に花火が上がった。僅か5分ほどだったが、季節外れの花火は見事だった。2024年はどんな年になるだろうか。本年もよろしくお願いします。

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