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滑らかなウォームサウンド final ZE8000 レビュー

こんにちは。ONZOスタッフの大橋です。
今回は大人気の日本のオーディオブランド「final」から発売された完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップ、「ZE8000」のレビューです。

基本情報

価格:¥36,800
付属品:・充電ケース
・アコースティック治具
・ダストフィルター
・USBタイプC充電用ケーブル
・ZE8000専用イヤーピース (SS / S / M / L / LL)×1
ドライバ: 10mm径 ダイナミックドライバー
再生周波数帯域:5Hz〜20kHz
防水:IPX4

ZE8000に用いられている技術

まずは、この完全ワイヤレスイヤホンの技術的特徴を紹介します。

・8K SOUND
finalの音響研究チームが発見した新しい物理特性に基づくサウンドで、従来に比べ圧倒的に高精細に聴こえることから、このように名付けられました。実際に聴いてみたところ、特に高域と低域の解像感がグッとあがったように感じられました。

・ノイズキャンセリング/外音取り込みの4つのモード切り替え
通常の「ノイズキャンセリング」に加え、「ウインドカットモード(風吹かれ音を低減)」「ながら聴きモード(音楽はそのまま、周囲の音を取り込み)」「ボイススルーモード(音楽の音量を下げて周囲の音を聴きやすくする)」の4パターンに切り替えが可能となっています。
ウィンドカットモードがついているのは、自転車に乗ったり走ったりしながら使う人にとっては嬉しいですね。

・ボリュームステップ最適化
専用アプリ「final CONNECT」を使って、任意の音量付近のボリュームステップを細分化し、1ステップ毎の音量変化が大きすぎて最適な音量に設定できない、という問題を解決します。
完全ワイヤレスはスマホで再生するため、ボリュームステップがDAPやアンプに比べて少なく、1ステップ上げると大きすぎ、下げると聴こえにくくなるという状況も発生しがちなので、非常に便利な機能です。

・PROイコライザー
専用アプリに4バンドのイコライザーがあり、好みのバランスへ調整することが可能です。使ってみたところ、音色が劇的に変化するというわけではありませんが、サウンドを細かい部分まで操作することができるので、かなり便利でした。

聴いてみた

非常にバランスの良い、完成度の高い完全ワイヤレスイヤホンです。
音の破綻や歪みがなく、低域から高域までスムーズで滑らかに鳴らします。
各帯域のバランスとしては、低域が中心としたウォームサウンドで、次いで高域に聴こえやすいポイントがあるというような感じです。

特徴的なのは、エッジがとれた丸みのある音で、どこか特定の帯域に主張がないということです。これにより、完全ワイヤレスによくあるざらつきや歪みはなく、誇張のない滑らかで粗のない音が完成しています。反面、バリバリとしたブライトな音とは遠く、迫力や派手さに欠ける退屈な音だと感じる方もいるかもしれません。
そういった意味で、破綻が起きないよう丁寧にチューニングした「守りの音作り」だと感じました。
音の定位は良く、空間を感じられますが、ボーカルなどの中~中高域の音は遠く、声の立体感や息遣いを感じたい方には不足感があるかと思いました。定位が分かりやすく、歪みのない音のため、クラシックを聴く方には合っているように思います!

完全ワイヤレスの中で比べるのであれば、本機ほど粗のないイヤホンは他にないように思います。オーディオファンの方でワイヤレスイヤホンを探している方にはおすすめです。
有線イヤホンと比べると、やはり完全無線化しているというその特性上、低域や高域のリアルさにはまだ及ばない部分があります。しかし、「守りの音作り」のおかげで、ほとんどその不自然さを感じさせないようになっています。今までの完全ワイヤレスではこれはかなわないでしょう。

一点、気になったのは、最大音量が他のイヤホンに比べて小さめなことで、大きな音量で聴く方は一度購入の前に試しておいた方がよいでしょう。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました。
こちらの商品は、ONZOがレンタルシステムを提供しているフジヤエービックにてレンタルすることが可能です。
気になった方は、ぜひご試聴ください!