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ぽろぽろ

つい最近物思いにふけていたのと、この企画を目にしたので好きだったバンドについてぽろぽろと思い出がたり。


出会いは高校生の時、目的もなく、なんとなく、地元のTSUTAYAにCDを借りに行ったら、オススメと平置きされているジャケットを見た。
その中にあった「待ちくたびれて 朝がくる」を手に取って、その場で「愛は」を試聴した。

それが初めて聞いた曲。

当時のわたしはこんなに声の高いバンドなんて聞いたことなかったけど、尾崎世界観の声がすとんと心に落ちた感じがして「踊り場から愛を込めて」と一緒に借りて帰った。


進学してからもなんとなく他のバンドと同じように聞いていたら、大学で仲良くなった子も聞いていたことが分かった。
1人では行けないと思っていたライブに2人で行った。

初めてのライブハウスは、恵比寿のリキッドルーム。
ツタロック主催で、[Champagne]とのツーマン。

圧倒されてしまった。

生で音楽を聴く素晴らしさに目覚めてしまった。

そこから彼女と2人でいろんなライブに行った。
東京でライブをやるといったら、時間とお金が許す限りチケットを取った。
THE KINGS PLACEのイベントや、年末のフェス、彼らの初めての武道館だって行った。
もう絶版のCDをどうにかして借りたくて田舎のTSUTAYAで見つけ出したり、映画の公開日にユーロスペースへ行って泣いたあと放心状態で終電に揺られたのが懐かしい。
新譜が発表される度に、タワレコで予約して、発売日にはサインを見に行ったりした。
わたしの大学生活を語るには、必要不可欠な存在となってた。

2016年、尾崎世界観の日、上野の水上音楽堂で最前に座って彼の声を聞いたとき、思い悩んでたことがあの瞬間だけはまっさらになった気がした。
あの柔らかい陽射しの中で演奏する尾崎世界観が本当に本当に綺麗で素敵だったから。


子供から大人へと変わっていく時期に、彼らの音楽で救われていたのだ。
「明日はどっちだ」を聞いて、就活で落ち込む自分を鼓舞した。
「風に吹かれて」を聞いて、辛い夜を乗り越えた。
「君の部屋」や「ボーイズENDガールズ」を聞いて、原曲と再録の違いを探したりして友達とわーわー言ってる時間もライブでしか聞けない「イノチミジカシコイセヨオトメ」のイントロも大好きだった。

一番好きだった時代から、彼らもわたしの生活も変わっていったけれど、コロナが流行るまではライブに行った。
セトリが全然ハマらなくて、アンコールに助けられた日もあった。
それは彼らに非があるのではなくて、もう自分に響かなくなって来たのかなと思っていた。

それでも一番思い出に残っているライブは2018年の『今からすごく話をしよう、懐かしい曲も歌うから』で。
初めから終わりまで大好きだった、大切に聞いていた曲ばかりのセトリ。
ずっと聞きたくても聞けなかった「AT アイリッド」のイントロで泣いてしまった。
のと同時にいい意味でこれが最後だなと思った。
すきな曲がこんなにぎゅっと詰まったライブはもう二度とないと思ったから。

その後のライブを含めても、これが一番、好きな音楽だった。



尾崎世界観が紡ぐ言葉たちが大好きだった。
4人の演奏が大好きだった。


先日、カラオケで友人と「栞」を歌った時に流れた武道館の映像を見て、あの場所にいたことを思い出した。
映像の中で泣く観客を見て、あの頃の気持ちを思い出した。
なんでか泣きそうになって、好きだった気持ちを文字に起こして、感謝の気持ちを伝えたくなった。

大人になった今でも、あなたたちの音楽を聴いて過ごした時間があって、好きでいれて本当に良かったなと思っています。
言い表せられない心の中のもやもやも、いらいらも、曲にしてくれたから、昇華できた気持ちがたくさんありました。

寄り添ってくれてありがとう。
バンドを続けてくれてありがとう。

まだ、29歳から30歳になるときに聴きたい歌があるので、もうすこし、いや、もっとずっと寄り添っていてください。
よろしくお願いしますよ。


あり余りすぎる思い出の結びに、

最後まで読んでくれてありがとう。

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