【NFT】どのマーケットプレイスを使えば良いのか問題(2024年2月現在)
はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。
前回のお話
2023年10月、OpenSeaがOpenSea Studioリリースしたことをきっかけに、それまでOpenSeaのみでNFTアートを販売していた方々が、独コンを利用し始めました。そのような方々から「どのマーケットプレイスで売れば良いかわからない」「新しいマーケットプレイスを使うとコレクションが複雑になる」「できるだけ安定したところでNFT作りたい」等の相談を何件か受けました。
今までのOpenSeaが特殊環境すぎたのですが、とはいえ、その環境で育って来た方々が多いのも事実。ちゃんと橋渡しはしないとね、と言うことで、記事にまとめます。
なぜ、この記事を書いたのか
OpenSeaからNFTアートを始めた方々を対象に「マーケットプレイス」の定義の再確認と、必須機能、オプションコンテンツの解説をします。
その上で、2024年2月現在、どのようにNFTアートを作り、どのように販売すれば良いかの指針を示します。基本を押さえておけば、応用はできると思いますので、サンプルとしてお使いください。
以後、解説です。
■「マーケットプレイス」の意味
なんとなく「マケプレ」=OpenSea、Foundation、国内マケプレ、その他 みたいなノリで進んできた日本国内のNFTアート市場ですが、ここで改めて、wikipediaさんに「マーケットプレイス」とは何か、を問いかけてみましょう。
右側のlanguagesから日本語を選ぶと、以下の記事にジャンプします。
はい、聞き慣れた言葉に変換されましたね、つまり「マーケットプレイス」は「市場」です。商品が「NFTアート」と言う電子発行物ですが、基本的に「売買する場所を提供するサイト」が、「マーケットプレイス」です。
ここまでOKですね。当たり前だって思いましたよね。
では現実の市場に置き換えて考えます。例として、さかな市場に置き換えましょう。
売り手は「さかな」を市場に持って来ます。買い手は「さかな」あるいは「さかな加工品」を求めて市場にやって来ます。ここで売買が成立します。
売り手は、そのまま「さかな」を販売しても良いですし、市場の片隅で「さかな」を「さかな加工品」に加工しても良いです。ただし、「さかな加工品を作るスペース」があるかないかは、市場次第です。別に「さかな加工品を作るスペース」がなくても、市場は市場です。間違いありません。
また、別の場所で作成した「さかな加工品」を市場に持ち込んでも、全く問題はありません。スルメとか、干物とか、瓶詰め海苔のように、市場で作れないものも、ありますからね。買い手が欲しがっているので、持ってくるのは当然です。
買い手が多い「さかな市場」もあれば、買い手が少ない「さかな市場」もあります。「オークションあり」の場所もあれば、「オークションなし」の場所もあります。
「高級な食材のみを取り扱っている」場所もあれば、「鮮度がすぐ落ちる商品のみを取り扱っている」場所もあります。「とにかく安く買える」場所もあれば、「クレジットカード決済OK」な場所もあります。
売り手は収入を最大限にしたいので、自分の商品が高く売れる「さかな市場」を選ぶべきです。例えば高級な魚を「とにかく安く買える」場所に持ち込んでも、売れなかったり、想定より安く買い叩かれたりします。ミスマッチですね、仕方がないです。
さて、話をNFTの「マーケットプレイス」に戻しましょう。
先ほどの例で説明すると、2023年10月以前のOpenSeaは「養殖の魚(=共有コントラクト)を捕まえるための釣り堀がついてて」「魚加工品を作るスペースがあり」「買い手がとても多く」「とにかく安く買える」「オークションあり」の市場(=マーケットプレイス)でした。お客様が多かったので、この市場だけで完結していました。
リニューアルで、「天然の魚(=独コン)が釣れる釣り堀になり」「さなか加工品を作るスペースも強化して」「その代わり、手数料がありえないほど跳ね上がった」のが、2023年10月以降のOpenSeaです。
そうです、「NFTを作成する」という機能は「マーケットプレイス」的にはオプション機能なのです。無くても良いのです。
マーケットプレイス=NFTを作れる場所、販売もできる場所、というイメージを広めてしまったのが、OpenSeaが流行った理由であり、すごい場所であり、最近問題が出て来ている場所です。
■NFTアートの作成から売買成立までには、いくつかのフェーズがあります
OpenSeaさんは全部できていたので、あまり意識していなかったかもしれませんが、以下のような手順となります。
(1)NFTアートの素材を準備するフェーズ
どこでNFTを作成するかを決めます。
コレクションの名前はどうするかを決めます。
自分でmintするか、購入者にmintしてもらうかを決めます。
イラストのアップロード先をどこにするかを決めます。
属性や作品解説等の記入をします。
コレクションの名称は、このタイミングで決めるので、新規マーケットプレイスを使うたびに設定することはありません、今までのOpenSeaが唯一の例外でした。
(2)NFTアート作成のためのGAS代を支払うフェーズ
このタイミングで(1)の内容が確定し、以後、編集できない
ジェネラティブNFTのイラストが確定されるのも、このタイミング
リビール形式の場合、以後は参照先URLが変更できなくなるため、URL先が指し示す画像を、プロジェクト主催者が同名で差し替えることで「NFTが入れ替わったように」見せる。
(3)NFTアートを販売する「マーケットプレイス」を選ぶフェーズ
「NFTアート」という売り物が完成したので、どの市場で出すかを選びます。こだわりがなければ、NFTを作成したサイトで販売します。
Manifold、thirdwebなどは「マーケットプレイス機能を持たない」ので、必ず、別のマーケットプレイスを選ぶ必要があります。
最近流行りのSealedなどは「マーケットプレイス機能しか持たない」ので、他のサイトでmintしたNFTアートを出品する必要があります。
国内NFTマーケットプレイスの多くは、自社以外のサイトでmintしたNFTアートの出品を禁止しており、システム的に出品できません。2次販売についても、自社mint作品のみに限定しているケースが、ほとんどです。
複数枚販売(=OpenEditon)の初回は、(2)の状態での販売になるので、マーケットプレイスを選べません。
複数枚販売(=OpenEditon)の2次流通は、マーケットプレイスが選べます。
(4)NFTアートの販売を開始するフェーズ
NFTアートの販売を開始します。
固定値販売、オークション販売の2ケースがあります。
2重取引を避けるため、どこかのマーケットプレイスでNFTアートの販売が開始されると、一時的に該当NFTのオーナーがマーケットプレイスに置き換わります。
上記制限があるため、売買するマーケットプレイスを変更する場合は、移動前のマーケットプレイスの出品を取り下げなければなりません。
(5)売買成立
おめでとうございます、あなたのNFTアートは販売され、手数料を除いた金額がWalletに振り込まれました。
どのマーケットプレイスで売買が成立しても、販売者と購入者の取引結果には、変わりがありません。異なるのは手数料のみです。
どの程度、手数料がとられるのかは、マーケットプレイス次第です。
売り手として、できるだけ取り分を多くしたければ、手数料が低いマーケットプレイスを選ぶのが良いです。とはいえ、作品が見つけて貰えてからのお話なので、固定客がいるのであればOpenSeaでの売買継続も「有効」です。
■「マーケットプレイス機能」を持たない、NFT作成サイト
有名所でいうと、Manifold、thirdwebです。
複数枚販売(=OpenEditon)は、NFT作成の最後の過程を購入者に負担して貰う形式なので、マーケットプレイスを通さずに売買できます。(農園で開催されている果物狩りみたいなものです)
■NFT作成機能を持たない「マーケットプレイス」
これから流行るんじゃないかなとみている、Sealedです。
そのほか「日本版のNFTアート取引では人気がありませんが」世界的に有名なものは、Blur、looksRARE、x2y2です。
ビットコインNFT Ordinalsの有名Walletの一つである「Magic Eden」がETH版のNFTマーケットプレイスに進出するとのニュースも飛び込んできていますが、彼らもおそらく、こちらの形式になると思います。
■どっちもできる系
OpenSea、Foundation、(もっと評価されても良いと思う)raribleです。
あと、日本国内マケプレもこちらに属しますが、他でmintした作品が持ち込めないので、今回の話題からは除外です。
■で、結局、どのマーケットプレイスがお勧めなの?(2024年2月)
最初に3つの分岐があります。それぞれについて解説します。
■複数枚mint系の作品
厳密にはマーケットプレイス出展前に売買が成立します。
したがって、「マーケットプレイス機能しか持たない」系は選べません。
<ETHの場合>
Manifold、thirdweb、OpenSea、Foundationから選んでください。
OpenSeaはERC-721しか作成できません。
作成時に「ERC-721」を選ぶと、どのサイトでも掲載されます。
<Polygonの場合>
thirdweb、OpenSeaから選んでください。
OpenSeaはERC-721しか作成できません。
■1枚mint系のメイン作品
<ETHの場合>
作成編:
Manifold、thirdweb、OpenSea、Foundationから選んでください。
作成時に「ERC-721」を選ぶと、どのサイトでも掲載されます。
ただし、OpenSeaはERC-1155しか作成できないため「2021年10月以前のコレクションと表示される条件を合わせる」以外の場合は、お勧めしません。
販売編:
OpenSea、Foundation、Sealedから選んでください。
マーケットプレイスによって、オークションの条件が異なるので注意!
「Magic Eden」など、新規参入が多いジャンルですので今後にも注目です。
<Polygonの場合>
thirdweb、OpenSeaから選んでください。
OpenSeaはERC-1155しか作成できません。
■1枚mint系の入札特典、購入特典、記念NFT等
<ETHの場合>
gas代が高いので、あんまりお勧めしないですが、、、
Manifold、thirdweb、OpenSea、Foundationから選んでください。
作成時に「ERC-721」を選ぶと、どのサイトでも掲載されますが、オマケなので「ERC-1155」でも良いんじゃないかなって思います。
無料で送付する場合、マーケットプレイスは、OpenSeaで良いです。
<Polygonの場合>
thirdweb、OpenSeaから選んでください。
OpenSeaはERC-1155しか作成できませんが、オマケなので「ERC-1155」でも良いんじゃないかなって思います。個人的にはOpenSea推奨。
無料で送付する場合、マーケットプレイスは、OpenSeaで良いです。
■ETH,Polygon以外のNFTマーケットプレイスについて
いくつか候補はありますが、EVM系では、Polygon並に使われそうなチェーンが見当たらない為に保留です。Optimism NFTは候補ではあります。
EVM系以外だと、ビットコインNFTや、solana,astar,xrpあたりには注目してますが、日本は昨年発動のトラベルルールの為、海外取引所が使えないので、該当暗号資産の入手方法がもう少し一般化してから紹介します。ビットコインNFTはワタクシ not for meなので、そこは申し訳ないが理解して欲しい
長くなりましたが、本日はここまでです。
お疲れ様でした!
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