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混沌の2021年から、20年後の世界のために

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アメリカから帰って、自主隔離を終え沖縄に戻った。正月は高江でまったりとしながらも暴飲暴食して過ごしていた。2021年、社会が動き出すと同時に今の日本の混沌ぶりが一気に加速して感じられた。もちろんそれはコロナウィルスに原因があるが、このコロナ禍を拡大させているのは政府や行政の無策に他ならないだろう。

世界は音を立てて混沌へ向かっている。しかしそれはこのコロナ禍に始まったものではない。

あらかじめこの社会に在った構造の分断や歪みが、このコロナ禍によってより濃く顕在化しただけにすぎないと私は考えている。

2016年末、沖縄、高江での混沌を経た私はAP通信の取材にこう答えた。

"I feel we are heading toward an era of chaos, but the individuals who are truly aware will be able to overcome this chaos,"

「時代はカオスに向かっているが、それに気づいている個人はこのカオスを乗り越えられる。」

2016年、人口150人の沖縄北部、高江に500人から1000人の機動隊が押し寄せ、ヘリパッド建設は強行された。東京から沖縄に渡った私は、この社会の実相を初めて眼にしたような気分だった。包み隠されているだけで、化けの皮一枚剥がせば、この社会は、世界はもうすでに混沌の内側に在るのだ。

「対岸の火事だと思っていたら、すぐにあなたの家にも火の粉が迫るだろう」沖縄には、高江には辺野古には、ずっとそう言ってきた人々がいた。

そして2020年、社会はコロナによって化けの皮を剥がされた。

政治家も行政も利権を最優先させ、目先の利益を追うばかり、人々の暮らしや人権には無頓着で、5年後の世界についても10年後の人々にも、50年後のこの国についても、無策で、無責任だった。

世界はコロナに食われるのか?いや、社会は混沌に食われるのか?

いや、違う、社会は無責任な政府によって、無責任な有権者によって食い潰されようとしているのである。

2016年の高江から4年半。このカオスの渕を歩くような気分で、私は沖縄、台湾、韓国、香港、米国を巡り、次の時代のヒントを探し歩きてきた。

今の日本に足りないものは何か?

今の日本を前に進めるために何が必要なのか?

それは20年後の社会/世界を、視野に入れ考えられるタフな個人の存在なのだとの考えに至った。

20年後の社会を考える個人たちの存在なくして、20年後の社会を視野に入れて行動する政治家は出てくるわけがないのだ。

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もう2021年だ。

右も左も、保守もリベラルも現行の社会にフィットできていない、化石のような存在だと感じる。

社会運動や市民運動もプラットフォームに呼応したアップデートが必要だが、日本ではそれが大きく遅れている。

SNSやスマートフォンの発達によって、僕らは組織を作る必要がなくなった。意志を持って行動するひとりの個人のちからが、100万人の烏合の衆のちからを凌駕する時代がすでに来ているのである。

もちろんそれは諸刃の剣である。例えばトランプを英雄視する陰謀論は沖縄北部ヤンバルの森の中まで浸透していた。

世界を呪うことにも、世界の呪いを解くことにもどちらにも使えるこの大きなちからを、僕らは今、それぞれが手のうちに秘めていることをもう一度自覚してほしい。

このちからは、世界中の独裁国家で禁止されている。ということはこのちからは独裁国家を倒しうる可能性を秘めているのだ。

これを使わない手はないだろう。

2021年、このサークルで僕らは互いに情報を共有し合い、いかにタフな個人がネットのちからを使い、世界を社会を更新していけるかの実験をはじめようと思う。

目指すべき場所は20年後、2041年の社会だ。

年始の逃げ恥スペシャルでも描かれたが、このコロナ禍で私の友人たちにも赤子が生まれた。

この子どもらが20歳になる頃、この社会は、世界は、国は、どのようなものだろうか??

その頃の社会を少しでもよくするため、僕はこの試みを始めようと思う。

今現在、2021年1月7日、トランプ大統領の演説を聴き終えた群衆が米国議会を襲撃する様子を見つめている。死者も出た。

そして今日、東京のコロナ感染者数は2400人を越えた。

世界はもう元には戻らないくらい壊れてしまっただろう。

デマや陰謀論によってトランプを英雄視する層は、日本にも保守、リべラル問わず浸透している。沖縄の基地反対運動にまで広がっているのだから事態は深刻だ。心をコントロールされた、これらの人々は簡単には戻ってこない。

一度染まったカルトからの脱会には、個人的な対処ではなく社会的なサポートが必要だ。

リベラルや保守、右や左という古い価値観をいよいよトランプが崩壊させたとも言える。いや、そもそも崩壊していたものを顕在化させたのだ。

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2021年、イデオロギーの時代は終わった。いや、すでに終わっていた。事実をいかに選び、咀嚼し、内面化するか、そして表現するかの時代である。

「世界は分断へ向かっている」などと評論するものもいるが、それは間違いだ。あらかじめばらばらに分断された世界の、その溝を埋めるためにプロテスターたちは声を上げているのだ。行動しているのだ。

声を上げることを怖れてはいけない。何もしないことこそ、分断を維持しているにすぎない。

世界はもう右左ではない。リベラルですら信用ならない。

20年後をめざし、歩みを進めるものたちはプログレッシブだ。

人類はいつもそのような人々の存在によって進歩してきた。

世界はすでに狂っているが、まずそれを認めることから新しい世界が始まる。混沌の中だからこそ、主体性を持つんだ。自己決定権を捨てるな。

あなた自身の未来はあなたが決めるのだ。

私、大袈裟太郎/猪股東吾は、2021年もよりタフに行動していく。20年後を視野に入れる人々とともにこのサークルで共有し、互いに成長できる場所にしていく。まずは発信力と情報収集能力の向上のために今、手本としてフォローすべきTwitterアカウント50名を公開しようと思う。有権者のSNSスキル、表現力を底上げすることがこの国の民主主義には急務だ。

さらには今年、確実に訪れる衆院選を視野に入れた無党派としてのレクチャーも開始する。

あなたをエンパワーメントする、オンラインサークル「ゼロ地点からの民主主義」へぜひ、登録をお願いしたい。

兄弟姉妹、正気を保ち、ともに育っていこう。

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追記

この国の政治家が人間の命も権利も守らないことは、2016年の沖縄、高江を見れば明白だった。「これは対岸の火事じゃない、ほっておくと火の手はすぐにあなたに襲いかかる」高江の人々は叫んでいた。

あれから4年、コロナをきっかけに火の手はあっと言う間に日本中を包んだ。これは予期できた人災だ。

原発が爆発することも、
オスプレイが墜落することも、GoToでコロナが拡大することも予期していた人がいた。警鐘を鳴らしていた人がいた。

そんな人々の声を世間は嘲笑い、メディアは隠そうとしてきた。

社会はもう壊れている。
それを認めることから、新しい時代ははじまる。

大袈裟太郎/猪股東吾

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