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小さな山旅、戦場ヶ原散策---湯の湖

小さな山旅に出た。
山といっても起伏の少ない高原、奥日光戦場ヶ原だ。
早朝の日光行の電車は、ガラ空きだった。
コロナ前なら、夏休み中のこの電車は観光客と山旅の人でいつも満員だったのに・・・。
うしろめたい気もするが、なにせ余生はほとんどないのだから、と自分に言い訳して出かけた。
日光駅からバスで湯の湖へ、湖畔を歩いて湯滝から小田代原、湯川に沿って戦場ヶ原経由、竜頭の滝へと歩いた。
軽いハイキングのつもりが、結果的には左ひざが少々痛くなり体力の減少を痛感した。
スマホの歩数を見ると、29,000歩。

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湯の湖の湖畔のレストラン。ボートも開店休業中か。
標高1500mにある湯の湖は、噴火による堰止湖だそうだ。
湖面は蒼く透き通っていて、釣り人が腰まで水につかり、釣り糸をあやつっていた。
岸辺を歩いていると、硫黄の匂いがする場所に出た。
足許の水面を見ると色が赤茶けて、温泉が湧き出ている。
なるほど、確かに「湯の湖」だ。

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湯の湖にて  野田宇太郎   詩
その日の終わり
山旅のはてにみずうみがあった
孤独なひとのひとみのように
水はしずかに山と空をうつしたまま 
千年のおもひを今もおもひつづけていた

風は木立にオルゴオルをならし
水のおもてをわずかにくもらせて
草かげに
ひそかにみのる苔桃の実を紅くこぼした

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次回、湯滝につづく