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小路の猫のとなりにしゃがむ

買い物へ行く途中の小路に猫が座ってた。
この辺り担当の骨太男子(鈴声)である。名前は知らない。

小路脇の畑をちょこんと座ってた眺めていた。
庭先を眺める人のように、畑の方を眺めていた。
何見てんの、と隣にしゃがみ込めば、「にゃーん」と額と毛だらけの体を擦り付けてきそうになるのを、まあまあ、いいからいいからとなだめ透かして視線の高さを合わせる。

無言で座り直す毛玉男子の鼻筋辺りをかりかりしながら、先程の視線の先には湿気た土と鬱蒼とした緑の下に、お、枝豆じゃん。「んなっ」そっかー。

のんびり人の庭先を見ながら季節を愛でている気分だ。

去り際、黒柴が小路へ入っていった。
帰りにどうしたかと再び立ち寄ると、畑の垣根の内側に同じように座っており、こちらに気付くとまた「にゃーん」と高い声で鳴いて寄ってきた。

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