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元地域おこし協力隊だった自分が起業したあと、これからの地域おこし協力隊制度を考えた。

地域おこし協力隊は稼いではいけない。

こんな話をみなさんは聞いたことがあるかと思います。それはなぜか。

地域おこし協力隊の方は自治体と雇用契約を結び委嘱されます。それは臨時職員、もしくは委託契約のどちらかになります。

つまり協力隊は公務員となるわけですね。
しかしそれは3年間まで、という制約があります。

協力隊が卒業したあとの地域に残ってほしいのならば、任務中に稼げることは大事です。3年後に起業してくださいっ、というのは現実的ではなく、ビジネスチャンスを逃してしまいかねません。

地域おこし協力隊の任期中に稼げる前提でないと起業はなかなか厳しいです。

僕は協力隊であった当時から、稼げてました。

なんとなんと!

村役場の職員さんに稼ぐことを認めてもらえたこともあり事業を進めていくことができました。

僕は地域おこし協力隊として2018年4月から東吉野村に着任しました。

現在は東吉野村でクラフトビール醸造所を経営してます。
https://g.co/kgs/su47Fx4


2019年に法人を、合同会社として僕と妻がそれぞれ出資して立ち上げて、そこから

資金集め、
醸造所の工事
設備機器の手配、
酒類製造免許の申請、
営業活動、
醸造技術研修、
ブランディング、

と一気に、しかも全てが同時に進めることになりましたし、しかも商品をリリースするとそこから修正していくこともありました。

僕の場合、起業は地域おこし協力隊として3年たった後、卒業してから起業したわけではありません。

実際、お店は2020年の8月からオープンしています。

協力隊の任期中に稼いでました。

その当時の総務省の協力隊制度についての資料に、

「自分の事業と関わりのあることであれば、弾力的に副業を認める」

という一文を見つけられたこと。

また、岡山県の新庄村で行われた、地域おこし協力隊の集まるイベントに参加した事も背中を押してくれました。

「山村・離島で生きる!地域おこし協力隊が拓く地方のフロンティアFINAL」
https://ameblo.jp/chikyuokoshi/

協力隊OB・OGにそして現役協力隊と新庄村の役場職員さんたちの運営されたイベントに参加できたことにほんとに感謝してます。

最近では、総務省の資料にも下記のような記載があります。

隊員が任期終了後に定住したいか、就業・就農・起業等の意向を抱いて
いるかについて、定期的かつ具体的に確認することが重要です。そのよう
な意向がある場合には、実現に向けて活動体制や兼業の取扱いについて検
討することが必要です。定住意向(就業・就農・起業等)を実現するため
には、一定の資金の確保や試行錯誤する経験も必要であるため、任期中に
副業にチャレンジできるような任用形態への変更も考えられます。

地域おこし協力隊の受入れに関する 手引き(第4版) - 総務省 https://www.soumu.go.jp/main_content/000717675.pdf

副業にチャレンジできるような雇用形態。

素晴らしいと思います。

事業は小さなトライをするときにでも、たくさん同時進行で進めていかねばなりません。要するに、めちゃめんどくさく大変です。だから協力隊の任務期間時に稼ぐことにトライできることで、その人にとっても大きなメリットですし、その地に定着できる可能性が増えますよね。

未だに、ある地域では公共の施設などの人材不足を協力隊であてがってるところがあります。海外実習生制度に似てるように思えますので、そういうやり方は僕は大反対です。

これからは、地域おこし協力隊を受け入れる自治体が戦略的に前に進んで高度な人材を獲れるようにもできるかと思いますし、協力隊になる方は田舎暮らしのあこがれも素敵ですが自分が何ができるのかウリを持っている必要もあります。

自治体側も地域おこし協力隊になる方も、双方でキャリアを作っていくという方向性でお話合われて採用を決めていくことが重要だと考えます。

因みに、堀江貴文さんのロケット事業、インターステラテクノロジズのある北海道大樹町では、地域おこし協力隊制度の範囲内で地元企業が人材募集しマッチングしたら協力隊卒業後には採用する、といった取り組みもあります。そこでの給与も23万円と普通の協力隊よりも約7万円高いです。良い人材は安い給与ではなかなか来ませんよね。

これからは、地域おこし協力隊制度をうまく活用できる自治体と、低賃金人材確保のために募集する自治体と大きく差が出るでしょう。

総務省もその辺のことも見て交付が変わるように思います。


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