弁理士受験漫画最終話に寄せて

「2ページ目のスピーチは、どの様な言葉をおかけしたらいいのか、丸一日悩んだ末、翌日に描き上げました。今年は弁理士界にとって悲願であった、弁理士法1条「使命条項」が施行された年です。ただそれをそのまま伝えたのでは、一般にはわかりづらいので、弁理士の使命とは何なのか、それを考えた上で、原稿を作成致しました。」

「マンガ家というと、絵を描く人、というイメージが強いようです。ただ、弁理士の使命を語るスピーチ原稿を考えるなど、絵を描くことよりも、内容、言葉を考えることの方が、時間も労力もかかっています。私の場合、絵を描きたくて、マンガを描いているわけではなく、伝えたいものがあるために、それに絵をつけて分かり易くしている、という感じです。私にとって、マンガ家とは、世界(観)を創造できる人、です。」

「2ぺ―ジ目の3人の後ろにいる、いわゆるモブ、と言われる人々も、実際の仲間達の顔を思い浮かべ、一人一人の人生に想いを込めながら描きました。」

「3ページ目は、第一話に戻る部分でもあるのですが、この話を通して、一番伝えたかったところです。タケシは、尊敬する丸島儀一先生から学んだこと、カノンは(内緒)、カズは今年ついに独立する友人弁理士を思いながら、熱い思いを込めて描きました。」

「4ページ目は、色々な受験生がいることを、伝えたいと思い描きました。」

「5ページ目以降は、ここまででようやく、受験マンガとしての解説書的な本分は遂げたと思いましたので、ストーリー的な面白さを追求し始めました。特にカノンxタケシはどうなるの?という質問が多かったので、予想は裏切るけれど、期待は裏切らないを心掛けました。」

「このマンガの登場人物達は、こんな仲間に囲まれて、ツラい受験生時代を乗り越えられたら、という思いから、生まれました。私が初めて弁理士試験を知り、目指したいと思ったときは、まだ周りには弁理士試験のことを聞ける人は誰もいませんでした。孤独で不安でした。きっと、今、当時の私の状態の受験生がいらっしゃると思うのです。そうした受験生の為に、理想の友人や先輩を、と思いました。私自身、数年かけて模索した勉強方法や、優れた指導者、得難き仲間との多くの出会いがあったので、そういう方達のために、マンガを描こうという気概と経験の蓄積が人一倍あったのだと思います。連載中、試験の事を思い出して汗をかいて起きたり、眠れなかったりと、受験生時代と同じ思いで過ごしておりました。昨年、合格した友人も、不合格の友人もいました。
2月1日よりH28 弁理士試験受験願書の請求が始まりました。また今年の戦いの火ぶたが切られました。どうか、皆さんが、弁理士を目指すに至った志の炎を絶やさずに、適切な勉強方法に則り、合格し、志を遂げる事が出来ますよう、心より応援しております。」

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