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アイデアを形にするコツ④:簡単なことに分解する

こんにちは。企画プロデューサーの大木と申します。
noteにて、「アイデアを形にするコツ」や「企画づくりのノウハウ」をご紹介しています。

前回は、活動を大きくするコツとして、「循環のサイクルに乗る」という考え方をご紹介しました。
今回は、目標設定の際に行う「簡単なことに分解する」という手法について、記事を書きたいと思います。

何かに取り組もうと思った時、私は「できるだけ簡単なことに分解する」というステップを踏むよう心掛けています。
特に、向き合う課題が抽象的だったり、とても大きかったりする時には、必ず行うようにしています。

私がこのやり方をはじめたのは、15年前からになります。

2006年、私は映画館で「不都合な真実」という映画を見ました。
アル・ゴア氏が出演者となり、環境問題の現状を訴えた映画でした。
私はその内容に衝撃を受けました。
温暖化をはじめ、環境問題がここまで深刻なことになっていると知らなかったからです。
「なんとかしなければ」と思いました。
でも、課題があまりにも大きすぎて、何をしたらよいか検討がつきませんでした。
自分が何をすれば良いかわからず悶々としている時、ある方からアドバイスをいただきました。
「課題が大きすぎて、すべきことがわからなくなった時は、課題を〝解決可能な小さなものに分解〟するんだよ」と。
地球規模の温暖化という課題は、自分にとって大きすぎる。
ならばそれを小さく分解し、自分でも取り組める活動テーマを見つけようと思いました。
そして開催したのが、「環境問題の現状を知る社内セミナー」でした。
温暖化に歯止めがかからない理由の1つは、人々がその現状を知らないからだ。
私が関わりを持てる人たちに、現状を伝えるための機会をつくってみよう。
私は会社に所属している。まずは社内でセミナーを開催してみよう。
このように、大きな課題を、自分でも解決できる内容に分解し、具体化していったのです。

これは、東日本大震災の支援でも同じでした。
被災地支援という課題は、私にとって大きすぎる。
だからまずは、自分でも解決可能な具体的な課題に分解をしよう。
私は、岩手県陸前高田市でコミュニティ再生の活動をしているFさんと接点を持つことができた。
ならば、まずはFさんの活動を支援するチームを編成してみよう。
そして活動をはじめたのが、「陸前高田の未来をつくる対話」という取り組みでした。

直面している課題が大きかったり、実現したいことが壮大だったりすると、人は身動きがとれなくなります。
目の前にそびえる壁の大きさに戸惑い、行動のイメージが持てず、気持ちが萎えてしまうことが原因だと思います。
私も何度もそのような経験をしてきました。
そのような時は、「簡単なことに分解する」という考え方の手法が有効です。
その具体的なやり方の例を、この後ご紹介していきます。

一つのことに焦点を合わせる

身動きが取れなくなる理由の一つに、「欲張り」があります。
つい、あれもこれもと考えてしまうのです。
小さく形にするには、その欲を一度脇に置いてみます。
そして、まずは1つのことにピントを合わせます。
ピントを合わせるべきは〝簡単にできること〟が良いでしょう。
頭の中に、具体的な行動と実現のイメージが持てるもの、それに焦点を合わせ目標とするのです。

具体的な行動の言葉を探す

すべきことを簡単にしようと思う時、私は「具体的な行動の言葉」を探すようにしています。
例えば「知り合いを増やしたい」と思ったとします。
その場合、「ではどんな行動をすれば良いのか」を考えるわけです。
「セミナーに参加する」というアイデアが生まれたとします。
よいアイデアだと思いますが、これは「具体的な行動の言葉」になっていません。
いつ開催される、どんな内容のセミナーなのかが明確になっていないからです。
行動の言葉を意識すると、セミナーに参加するには、「参加したいセミナーを探す」という行動が必要になるなと気づきます。
そして「参加したいセミナーを探すため、フェイスブックで友人たちの投稿を見てみよう」と考えます。
これなら、自分がどんな行動をすれば良いかが具体的にイメージできます。
「具体的な行動の言葉」になっているのです。
これを手帳などにメモをし、目標達成のために行うタスク(作業)にしておきます。

作業化する

「作業化する」ということも、簡単なことに分解する大切なコツだと思っています。
これは「具体的な行動の言葉を探す」際のコツでもあります。
自分がすべきことをどんどん具体化する際、それを〝作業〟として行えるくらいまで簡単化するのです。
「アイデアを形にするコツ①:まず0を1にする」でご紹介した、「本を出すために、まずノートを1冊買う」がこれに当たります。
私の夢は、自分が持つノウハウをまとめた本を出すことです。
そのため原稿を書いたり、構成を考えたりすることが必要です。
この夢を叶えるために最初に設定した目標は、「文具店でノートを1冊買う」でした。
これなら気負うことなく、緊張することなく、作業として行動に移すことができます。
〝作業〟と思えることまで、具体的な行動に落とし込んでいく。
ブレイクダウンしていく。
これが〝確実な一歩〟を踏み出す大きなコツだと私は考えています。

予定表や作業リストに書き込む

「簡単なことに分解する」ことからは少し外れますが、「予定表や作業リストに書き込む」ことについても触れておきたいと思います。
すべきことはわかっているが、結局それをしなかった。
私には数え切れないくらい、その経験があります。
いくつかの原因がありますが、「いつやるのか」が明確になっていないことが大きな原因の1つであると気づきました。
すべきことを具体化し、作業化すること。
そして作業化できたら、それをいつやるのかを決め、手帳に書き込むこと。
または、作業リスト(タスクリスト)に書き加え、それを行う時間も書いておくこと。
「何月何日の、何時から何時の間にそれを行うのか」を決めてしまう。
その作業を行う日の当日には、スマホのアラーム設定をしておくこともあります。
これを行うことで、日常の雑事に追われていても、行動に移すことができやすくなりました。
逃げずに、その作業に向き合うことができるようになりました。
ぜひお試しください。

いつかやりたいことを、今できることに分解する

これも私がとても大切にしている考え方になります。
やりたいことがある。解決したい課題がある。
しかしそれは、簡単には実現できないし、解決できないとする。
そこで終わってしまうのではなく、「だとしても今、何かできることはないか」を考えてみるのです。
やりたいことを実現するために、すべきことはたくさんあるでしょう。
その中から、今、この瞬間でもできることはないかを考えるのです。
情報を集めてみる。誰かに相談をしてみる。関連した本を読んでみる。
自分が考えたことを書き出してみる。ダメもとで構想メモを書いてみる。
あきらめずに前を向こうとすれば、できることは色々あるはずです。
お金がなくても、時間がなくても、経験がなくても、実績がなくても、今、この瞬間、自分ができることはたくさんある。
まずはそれに焦点を当て、動いてみる。
動いた実績をつくってみる。
私はそのことが、何より大切だと思っています。
前の記事にも書きましたが、人に意思決定と行動の自由が与えられているのは、「今」という瞬間だけです。
この瞬間にしか、人は物事を決めることができないし、行動することができない。
だからまずは、今のこの瞬間に焦点を合わせ、今できることに取り組んでみることが大切だと思うのです。
ノートを1冊買うだけでもいい。
フェイスブックで情報を集めるだけでもいい。
知り合いに「お話を聞かせていただきたいことがあります」とメッセージを送るだけでいい。
とにかく今、動いてみる。
そのため、難しいことを簡単なことに分解する。
そして行動に移したり、行動の予定日時を決めたりする。
それが小さな動きをつくる、大きなコツだと思います。

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次回は、「プロトタイプをつくる」という実践技術について、記事を書いてみたいと思います。
お楽しみに。

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