ライターがチームで働く意義

2017年8月5日、有限会社ノオトさんとともに、神戸のKIITOで開催した#ライター交流会は、大盛況のうちに終わりました。スタッフ入れると70名近く、ライターをはじめさまざまな職業の人々が集まり、予想以上の盛り上がりとなりました。
冒頭の乾杯の前のあいさつで私は、「最近、ライター同士のつながりが、とても意味があると思うようになりました」と述べさせていただきました。それは私自身、「チーム・パスカル」という組織を6年前に結成したことが、ライターとして食べていく上で、極めて意味があったと感じているからです。
そのことについて、最近書いた文章を以下に転載します。

■ライターが「チーム」で働く意義

 この六年間を振り返ってみると、零細自営業者である七名のライターが、あえて独立性をたもったまま「チーム」を結成したことに、非常に大きな意義があった。

 ライターの仕事では人脈が大事だとよく言われる。確かに仕事を発注してくれる編集者やクライアントから存在を知られることは大切だ。しかし、基本的に会社で働くそうした人々は、「自分の組織の仕事」しか発注してくれることはない。

 だがライター同士でつながっていれば、スケジュールの都合や仕事のボリューム的に一人では受けきれない仕事が来たとき、「この人ならいいものを書いてくれますよ」とお互いに仕事を融通することができる。実際、我々パスカルは、日々そうやってお互いに仕事をまわしながら、各自がそれぞれテーマとする「ライフワーク」に取り組んでいる。あるときはメンバーの誰かが営業マン・ディレクター的な立場となって仕事をプロデュースし、他のメンバーがライターとして記事を執筆する。そんな循環が上手く行くことで、「仕事がなくなったらどうしよう」という不安を覚えることはなくなった。

 また精神面でも、チームを作った意味は極めて大きいと感じている。ライターの仕事は基本的に孤独だ。仕事によって編集者がサポートしてくれることはあっても、取材が終わった後、原稿を書いてくれる人は、自分以外に誰もいない。締め切りに追われながら、難しい原稿に取り組んでいるとき、自分と同じように「書くこと」に立ち向かっている仲間がいることは、大きな支えだ。

 チームのメンバーが顔を合わせる機会は年に数回だが、我々だけが見られるフェイスブックのコミュニティでは毎日のようにやりとりが行われており、そこに雑談やときに仕事のグチを書くだけでも、大いにストレスは軽減される。会社のようなピラミッド型組織ではなく、各自が独立性をたもったまま、お互いの信頼と尊敬をベースにゆるくつながって仕事に取り組む我々のような働き方は、もっと世の中に広まってもいいのではないかと感じている。

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大越裕 @ookoshiy

1974年茨城県生まれ。神戸在住のライター。編集・ライター養成講座の運営、出版社での編集業務を経て、2011年独立。理系ライター集団「チーム・パスカル」所属。
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