空欄

きみのしずかな体

あなたのことを許したい

そんなんだと、つけこまれるよ。と言われたことがある。もう5年くらい会ってない友人に。どういう経緯でそれを言われたのか、よく覚えてないけど、その言葉が 私みたいなのに、と続いたことは思い出せる。自責の念の強い人だった。

つけこまれるって、なんなんだろう。自分が人に迷惑をかけずに生きてきたとは到底思えない。少なくとも、私は彼女と話をするのがすきで、楽しくて一緒にいたから、一方的な関係性を築いてるつも

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宇宙人とは友達になれない

宇宙人の話をしたときに
まあ自分達だって
他の星から見れば宇宙人だからと
すっとぼける
そういうお愛想
いけ好かない
けど
嫌いになれずに笑ってしまう

これは何回目?

使わずにとっておいた
ひとりの人間を壊せるだけの正義
パワー
無駄だね

こんなに明るいのに冷たい夜がある
五年前からここにあるベンチに
座っている しずかに

ここが星だとなぜわかったの?

下ネタとミニブタ

ミニブタを飼っている人に会うと、微妙な気分になる。実家に住んでいたころ、近所にミニブタを飼っている家があって、庭に柵をつくって放牧しているのを見たことがある。黒くてコロコロしたシルエットを見て、「かわいいね」と、母の運転する車の後部座席に乗りながら話した。後に聞いた話だが、その人はミニブタをとても可愛がっていて、そのせいか餌をやりすぎて、ふつうのブタと同じサイズにしてしまい、困っていたらしい。

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職場から脱走した話

その日がどんな天気で、空の色が何色だったのすら、もう思い出せない。最近の私の身体は泥水をかためたように重かった。

3ヶ月前に、都内の小さな会社に正社員の面接を受けに行った。サインデザインと図面制作の仕事だと聞いていた。デザインを仕事にするかどうか最後まで迷っていたけれど、サインという媒体でデザインをしていくのは、おもしろそうだと思った。グラフィックと座学をメインに大学で勉強していた私は、「まった

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きみが僕を好きなのは、僕になにか期待しているからだろ

告白をはぐらかしてしまう。弁明すると、悪意からではない。ただ、人から性欲を向けられることに嫌悪感があり、そういったムードを忌避してしまう。友人だと思っていた人に、友人になれると思っていた人に嫌われたくない。このままの関係でいたい。やさしくされたい。でも、それをはっきりと言えない。だから好意をほのめかされても、「気のせいじゃない?」と笑っていた。残酷だっただろう。ただ、それの何が悪いのか。ピンとこね

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友人

あなたが 「もう疲れたよ」と言うかわりに
一つきり 砂のような溜め息をついたので
わたしは今夜 やむにやまれず
西と東の窓を開け
部屋が水色に変わるのを
見ているのかもしれません

捨てるものと捨てられないものとで構成された
この部屋の
むこうでゆれる金木犀と
その背後でこぼれた壁を
夜通し走っていたトラックがふるわせる
尖った音さえ ひとごとのように 聞いていた虫が
さっきまでただよっていたコン

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