恋しなかった世界の正解が知りたい

なんで女が家事しなきゃいけないんだ問題、まだまだ盛り上がってるよね。この時代でなんらかの不公平を正せるなら誰かに正してほしい、でも好きな人に喜んでもらえるならそりゃ料理くらいやるよねー、やっちゃうよね!とひとりでカップラーメンを食べながら考える。なんでだ、ふつうにカップラーメンを食べたい…。家事を女だけがやるのはおかしい。かと言って男だけがやるのもおかしい。そもそも、一緒に住むのは異性でなくてはいけないのか。友人ではだめなのか。とか。どうしたらいいのかね。とりあえずコンビニもあるし、忙しい私達は答えを出さなくても、おにぎりを食べて野菜ジュースを飲んで生きていけてしまう。

弟が泊まりにきたのだけど、私の家に冷蔵庫がないのでキレていた。この前もなかったじゃん、と言ったが、まあそういう問題じゃないか。20代半ばの女がそんな暮らし、しないよな。男はよく、おもしろおかしくそういうギリギリの話ができるけど、なんか、女がやると余計かっこわるいような気がする。でも、私、生きてて今がいちばん幸せなんだよなあ。自分で自分を支えるしかなくて、身の丈に合う、って感じ。理解してもらえないだろうけど、理解してくれ。

フェミニズムに関する話題は、たまに苦しくなりながらもSNSに情報があると興味深く読んでしまう。筋肉の必要ないラップの世界でさえ、女性はラッパーではなく、フィメールラッパーと呼ばれていたり、早稲田文学の女性号のデザインがピンクだと女性から反発があったり、電車の女性専用車両の反対運動があったり。覚えているものは断片的だが、話題は分野をまたぎ、どこでも男女の分断が行われていることがわかる。なんていうか、もっと自分の性別を意識せずに生きていきたいよなあ。そんな、いつでも性のこと考えてるわけじゃないし、ちょっと目立っただけで性ばかり取り出してとやかく言われてたら、つかれちゃうよ。

たとえば人はみんな恋をする前提で話をするけれど、人生で一度も恋に落ちることのない女性がいたとして、その人の幸せを、今の社会は理解してあげられないんじゃないかな。それって結構苦しいことだよね。恋なんか一生のうちにほんとに起きるかどうか、わかったもんじゃないのにさ。努力次第でできるわけじゃないし。でも、みんな恋をするって言う。恋をする方が前例があって、やりかたがわかる。どんな風に苦しんだり喜んだりしたらいいかわかる。でも恋をしない人には同じようなよろこびはないの? すっぴんで髪がショートで色の無い服しか着ない女性にだってうれしい時間があるはずで、勝手に憐れむのはおかしい。女性的じゃない女性にも、しなやかに楽しく生きていてほしい。そんな人に存在していてほしい。そもそも、こんなに人間がいる世界で、人間が大切にできるのが家族だけなんて、なんだか損な話だよ。

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