シドニー石井

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    思ったことを書きます。

  • 完全な創作の物語です。 メッセージもクソもありません。

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    僕の公式ラインに寄せられた皆さんのお悩みに回答しております。 ドブ芸人の戯言です。聞き流してください。

最近の記事

いぬのこと②

前回の続きから。 断っておくと、会話が出来ないってのは比喩ではない。 今まではこちらの意思を伝えるようとすることも、彼女からの意図を感じようとすることも。 その僕の想いそのものが人生の大きな楽しみの一つだった。 小3の冬に我が家にやってきて以来、楽しいときはそれは楽しそうに。悲しいときはさぞや悲しそうに。 言葉を使えない大きなハンデなんてなんのその。 全身で表現する素直な彼女はとても眩しかったが、おそらく今や嗅覚以外の感覚がごっそり無くなってると思われる。 どこぞのRPG

    • いぬのこと①

      犬と会話ができる。 才能や運命は信じていないが、もしあるのだとしたら僕に与えられた能力は完全にそれだと言い切れる。要するに、犬にめちゃモテるのだ。 勿論人のそれと全く同じく、性格と相性ってのは当然あるわけだから、僕への興味が無い子の攻略は難しいが、そうでもなきゃ簡単にお持ち帰りも可能だ。犬と3対3の合コンがあったとしたら、終電を待たず散歩でもしながら全員家に持ち帰れる。 特にこの能力は経験上、初対面の場面でいかんなく発揮される。 今や7万人のYouTubeチャンネル『シネ

      • 最愛のヒト【ショート小説】

        「さいた~さいた~チューリップの花が~~」 愛娘と手を繋いで幼稚園に向かう。 覚えたての不安定な歌声を響かせながら、 時折こちらを見上げてくる。 この子の今も未来も愛したい。そう思っている。 「ならんだ~ならんだ~ あか しろ きいろ~~」 疑いのない無垢な瞳に吸い込まれそうになる。 最愛の存在。 僕は彼女を殺した。 22世紀を告げた年だったからはっきり覚えている。 SNSでとある投稿を見た。 著名な起業家が自社のタイムマシーンに乗せる人を 募集するとのことだった。 多く

        • 同窓会【ショート小説】

          私にはお気に入りの配信者がいる。 話の内容からおよそ同世代の男性だと思う。 カドが少し欠けたお風呂のタイルのようなハスキーボイス。 一度聞いただけで好きな声だと思った。 タレントでもなんでもないし顔を知っているわけでもない。 ネットの広告でやたらと見るラジオアプリだから、余計な情報もなく声に集中できるのも気に入ってる要因の一つかな。 移動中は常に聞いていて、 仕事帰りに最寄り駅の一駅前で降りて 彼の収録されたラジオを聞くのが私の日課。 今日は母親の愚痴を言っている。 「若

        いぬのこと②

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        記事

          数字のトリック

          大層な見出しでこの文を書き出したのは、今回のスケールの小ささを隠すためだったのかもしれない。 ふと思い出してしまったけれど別に人に話せる程でもない話をこの場で成仏させてやりたいだけで。 例えば、500円。 社会人にとっては、誤差や切り捨てする金額だろうが、僕ら、『ウンコ芸人・改』にとっては明日への日々をつなぐ栄光の架橋である。 もし800円と1200円の定食で悩み続けるやつを見つけたら我々の仲間だろう。是非保護してあげて欲しい。 ある日、週3,4日しか一緒にいない親友の

          数字のトリック

          優しさ【ショート小説】

          山手線。時刻は17時50分。 帰宅ラッシュか。電車の揺れを可視化するように満員の乗客が簡単に俺のパーソナルゾーンを犯してくる。全く吐き気がする。 その吐き気の正体。それはもちろん揺れのせいでもあるが、目の前に座っているこのカップルだ。 人前を忘れたかのようなお互いの愛の誇示に、恥じらいを盲目にするのが愛なのだとしたら僕はごめんだなと再確認する。 ことさら、男の方はそれを見せつけるような目でこちらを見てくるのだ。 二人の愛の程度が知れるなと思った。 17時54分。 車内アナウ

          優しさ【ショート小説】

          LINE電話【ショート小説】

          「じゃあね~」 その言葉を最後に、iPhoneは僕らのこれまでの想い出を映していた。 彼女とは3か月前に別れた。 ハツラツとした明るさは眩しくて、誰に対しても分け隔てなく接するから、いつも自然と輪の中心にいるような人だった。 そんな中でも誰にも依存しない強さを兼ね備えた彼女に惹かれていないと言ったら嘘になるが、心を開ける友人も少なく、人に興味を示せない僕とはあまりにも対照的だったから、一縷の期待すらもしたことは無かった。 告白されたのは本当に突然で、その時は素直な驚きと彼

          LINE電話【ショート小説】

          反抗期

          反抗期ってやつの正体はなんなのか。 僕は『親が一人の人間だと気づくこと』だと思っている。 生まれてすぐは訳の分からん世界、親こそ人生のすべてであり、絶対的なものだ。分けわからんこの世のすべてを親から学ぶ。 しかし、学校に通いだす頃からか。 友人や他の大人、先生といったと他人に次々に遭遇するRPGが始まる。そこで次第に受けだした影響がやがて自我と呼ばれる自己認識を形成しだす頃には、なんなら、親以外と過ごす時間の方がとっくに多くなっていたりするだろう。 そのあたりで薄っす~ら感

          塗り絵

          ぼくは1年前から塗装のバイトをしている。 コロナ下で満足なバイトもできないだろうと、塗装業をしている高校の同級生が声をかけてくれた。 街で一度は見たことがあると思う。鉄骨の足場と灰色のシートが建物を取り囲んでいる姿を。その時、僕はあの中で躍動している。 足場を駆使して、屋上や屋根を目指してよじ登る。 「赤の他人の家を踏んだり蹴ったりしてるな~~」なんて、カリギュラ効果も相まって、高揚してくる自分を感じる。 鉄骨で仰々しい足場を素手で登る自分の姿は『SASUKE出場者』 脳内

          なんとなく

          夜、神保町の劇場出番からの帰り道。 なんとなく、とぼとぼと、皇居外苑を歩いていた。 行きも帰りも僕はここを通る。 昼の丸の内。 数千本のクロマツ林と内堀通り、そこから重厚なオフィスビル街を挟み、迎えてくれる東京駅は創建当初のレトロな外観を残している。 レトロとモダン。自然美と人工美。 いろんな時代や人が混ざり合う空間は多様性を認めているようで、小銭を惜しみ電車に乗らなかった僕をも受け入れてくれているようで、何とも居心地がいい。僕が一番好きな景色だ。 夜の丸の内。 それ

          なんとなく

          【お悩み相談】恋愛について

          音楽ならラブソング。ドラマならラブストーリー。 人生の主役は私だ!!と言わんばかり、大手を振っている存在。 『恋愛』 公式LINEに悩みが寄せられれば、案の定、中には沢山の恋の悩みが。 ただ、ごめんなさい。恋愛の相談に乗ってほしいのは僕の方なんです。 恋愛ドラマで主人公とヒロインが結ばれるのを見ると、 「こいつを好きだったあいつ等は今どんな顔しているんだろう」と思って続きを直視できなくなる。 最近流行りの恋愛リアリティなんて大量虐殺を見ている気分になるだろうから、そもそも

          【お悩み相談】恋愛について

          ユメのハナシ

          『夢』の話です。 noteに掲載するということは、高い志の『夢』の 話とお思いかもしれません。 ごめんなさい。 残念ながら寝てる時に勝手に見るタイプの『夢』の話。 よって、必然的にこの記事は『夢オチ』となることが決まりました。 芝居でもお笑いでも小説でも。エンタメにおいて、『夢オチ』はデリカシーを捨て去ってしまった隣人のオバちゃんくらいには嫌われている。 作者によほどの力量がないと、オチに向かって費やした時間や思考が水泡と化す禁じ手だ。 時間は有限だから、興味がな

          ユメのハナシ

          子供の反抗期

          おはこんばんちは! 日の出から日没。そしてまた日が昇るまで。いつどこの誰がご覧になってるか分からない過去の僕から、少なくとも今という未来にご覧のあなたに向けて、これ以上ない挨拶を華麗に決めたと自負しています。シドニー石井です。 昨日、僕のiPhoneが突然の反抗期を迎えた。 因みに僕とiPhoneとの関係性を何と定めるかによって、この言葉は変わってくるから、まだ決めあぐねている。 息子だとしたら、反抗期。彼女や夫婦だとしたら、倦怠期。 従業員だとしたら、ストライキ。 お

          子供の反抗期

          【お悩み相談】妊娠について

          先に言っておくと、今日の話は凄く気味が悪い。 僕の根幹にある思想の話になってしまう。 さすがに自覚があるので、嫌な予感がする方は読み進めないでください。 「ほかの誰が嫌いでも、僕のことは嫌いにならないでください!!」 なんの覚悟もない前田敦子さんこと、シドニー石井です。 女性が大好き。はい。もうキモイ。 そもそも人と話すことが異常に大好き。なのだが、 どちらか選べ。と言われたら「女性との方が好き」って話ね。 理由は恋愛の話が盛り上がることが多いから。聞いたら意外とピュ

          【お悩み相談】妊娠について

          人様を真似るということ

          僕はあまり記念日を重んじない。 そんな僕がだ。2020年4月13日ってのはしばらく忘れられない日になると思う。「一生〜」とか「絶対〜」とかは言わないでおく。 僕は何かにつけて保険をかけるタイプだから。 「しばらく」程度に留めてるのだ。 そもそも振り返るにはあまりに時期尚早だし、語るには何も成し遂げてなさすぎて、面映い感情を、雪に顔突っ込んだヤンチャ坊や翌朝の霜焼けよろしく、パンパンに持ち合わせちゃってるけど。 まぁこれから成し遂げるという所信表明として、将来の僕が見てニヤニヤ

          人様を真似るということ

          【お悩み相談】友人への気遣い

          これはTHE手前味噌な話になるが、僕の公式LINEは4日前に爆誕した。 現在250人を超える登録者の方々から、一日200や300ではきかないコメントが来て、すべてに目を通している。本当に冥利に尽きる。 元来、ファンの方々へのお知らせや、より深い関係性の構築を目的としていたが、早くもこちらの想像を超える多様性を見せているから、やっぱり人は面白い。 勿論そのほとんどは温かい応援メッセージだが中には、 玉ねぎ にんじん 豚肉 うどん という明らかな買い物メモで、「あ~。

          【お悩み相談】友人への気遣い