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追悼 志水正義さん・・・facebookでのリアルな闘病記録を読んで、癌とお金への焦りは突き刺さるくらい分かるという話

志水正義さんが60歳という若さで亡くなられました。

病名は膵臓癌・・・今も末期でホスピスにて闘病中の母と同じ病で、肝臓への転移も同じ状況。そして、facebookで綴られていた生々しい闘病記録を読んで、膵臓癌の恐ろしいまでに劇的な進行で、発見から、たった2ヶ月程度でこの世を去ってしまったという事実にショックを隠せませんでした。

志水正義さんのfacebook
https://www.facebook.com/seigi.shimizu.9

膵臓癌は本当に恐ろしい・・・
無症状のまま進行し、分かったときにはステージが進んでいる事がほとんどで、しかも進行も早く、5年生存率も他の癌と比べ物にならないくらい低いため、治療には1日と猶予がないくらいのスピードが求められます。
そして、ステージが進んでいると手術も治療もほとんど無い状況となり、先進医療ができれば・・・というシビアな状況に追い込まれます。

だから、志水さんのfacebookの中で、「義援金」を募っている文章を見て、痛いほどその気持がわかりました。

自分や大切な人が癌になって、治療方法も無くなってくると、とにかくスピードとお金が求められます。

志水さんも書いていますが、重粒子線治療も免疫療法も先進医療は1つ200万~300万という大金がかかります。
今回の志水さんの逝去に対する記事を読んでいると「俳優なんだから、そのくらいのお金無かったのか?」とかいう、馬鹿な意見を書いているのがいましたが、俳優だからって、300万や600万というお金をすぐ用意できる人がどれだけいるでしょう?
もし用意できたにしても、先進医療をおこなえば必ず根治するというわけではありません。その後も長い闘病生活が待っており、入院や代替医療などで、今後、どれだけのお金がかかるか・・・未来に対するお金の不安しか無くなってきます。

それが、末期癌の恐ろしさです。
すぐに治療に取り掛からなくてはいけないスピードと同時に、いつ終わるともわからないお金に対する焦りが生まれます。
いったい、どれだけの人が、癌になったときのためにお金を蓄えているでしょう?先進医療を受けられるだけのお金をすぐにくれる保険に加入してるでしょう?

そして、これは、お金があっても、焦ります。
私も母の膵臓癌が転移して末期と言われたとき、先進医療や、仮に上手く癌が快方に向かったにしてもその後のどれだけのお金がかかるか・・・
お金に対する不安しかありませんでした。

<参考>
日本人全員に読んでほしい!癌になったら貯金も医療制度も役に立たない!母親の末期がんで不幸が重なりまくった自分と母の末路
https://note.mu/oosawa/n/n73e67fcbf17e

志水さんの義援金を募る思いは、こういうことだったんじゃないでしょうか。ましてや、俳優という仕事を失い、収入の道が絶たれる可能性だってあるわけですから、その不安は計り知れなかったと思います。

だからね、志水さんの義援金を求める文章を読んで、それくらい払えないの?何に金を使ってたの?と言っている方々は、癌の恐ろしさを知らなさすぎる。
そして、知らないということは、ここまで人に残酷なことを言わせ、こういうときに人間は本性が現れるということを改めて実感させられました。


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