見出し画像

20240308

 諸般の諸々の帰り道に、やっとチケットを発券した。気になるのがチケットの番号。見てみるとJR西日本の岡山地区に新しく配置が進んでいる近郊電車の形式だった。だから何だという話なのだけれど、それが「URARA」と命名されていて、春も近いので縁起も良いなと思いながら、一旦帰宅する。

 今日はくるりのファンクラブ「純情息子」のライブイベントがあるので、せねばならない事と言えばひとつ。それは体力の温存で、寝ないで丸一日過ごせた頃とは違って、50の曲がり角を曲がってしまって、そんな風に過ごしてしまうと、後々にまで響いてしまって、万全の体調を取り戻すまでにひどく時間が掛かってしまっていけない。

 会場は心斎橋のアメリカ村、ビッグステップの中にある、ライブハウス「BIGCAT」での公演となっていて、果てさて心斎橋。どうやって向かおうか、と言う事を今日も思案する。

 阪急電車から続く、地下鉄、堺筋線の長堀橋で降りて、地下街「クリスタ長堀」の中を歩いて心斎橋まで向かうのも悪くは無さそうだけれど、どうも辛気臭い様な気がして、思案に暮れた末、阪急電車で南方まで行って、そこから歩いてすぐの、地下鉄の西中島南方駅から御堂筋線に乗って、心斎橋駅まで向かう事に決めた。

 今日は金曜日。午後5時前に家を出発して、自転車を漕いで駐輪場まで。自転車を駐めて、少し急ぎ足で駅まで歩く。
 平日ダイヤ、17:00ともなると電車のダイヤも通勤時間帯となって、昼間の綺麗な10分ヘッドから早く電車がやって来はするけれど、下手をすると待ち時間が増えて、急いでいる時の待ち時間は精神衛生上良くないと思いながら。それで少しでも早く到着してくれれば良いなと思いながら電車に乗った。

 特急が停車する駅で、特急電車に乗換えて、淡路駅まで。
 大阪モノレールと近畿自動車道、中央環状線と交差する南茨木駅を通過して、比較的新しい駅、摂津市駅を通過して、進行左手に妙な空き地が見えて、それが少し線路沿いに続いた。この土地は何だろうかと、暫くの間考える。
 考えると、この辺りも阪急電車の高架化の話があった事を思い出して、なるほど、高架化用の土地かと。きっと片側づつ高架化して施工を進めて行く方法なのだろうと。

 特急電車は快走。

 正雀駅を通過して、元大阪市営地下鉄の、どこか大阪の地下鉄の中でも、ウルトラマンレオ的なキャラクターの66系が休む車庫を左手横目にして、左に曲がるカーブを曲がって安威川を渡って、相川駅。

渡っているのは安威川。

 相川駅を通過する時に、先に出て行った各駅停車を追い越して。

神崎川を渡る。

 淀川から分岐した神崎川を渡ると、幼い頃に高架化途中の記憶が朧げながらにある上新庄駅を通過して、新幹線の高架線路を潜って、工事が進む淡路駅。
 淡路駅で特急電車を降りて、各駅停車に乗換え。暫く待って、やって来たのは、さっき相川駅で停車していた大阪梅田行きだった。
 各駅停車に乗って、高架橋のトンネルの下を往く。崇禅寺駅に停まって、昔は昔の大昔に今の阪急電車から当時国鉄に続く、浄水場の周りを弧を描く線路跡はこのままであって欲しいと思いながら。
 JRのガードを潜って、電車は南方駅に到着。街中に在りながら、各方面に向かう改札口が別々なのが趣深い。大阪方面に向かう電車を降りて、改札口を出ると、必ず踏切警報機が鳴って、遮断機が下りている。

阪急南方駅西側にある踏切、大阪方面に向かう電車を前から降りて、改札を出ると必ず降りている遮断機。

 街は夕暮れ時。金曜日の西中島南方。新御堂筋に沿った歩道を少し歩いて、道路の中州にある御堂筋線の西中島南方駅。

西中島南方駅。

 改札から駅に入ると、千里中央方面に向かうホームの案内に、見慣れない文字があった。それが3月末に開業する、千里中央から先の終点、箕面萱島駅への案内で、気が早いなと言うのと、この3月は色々忙しいと思った。
 エスカレーターでホームに上がって振り返ると、淀川の向こう側に聳えるビル群が、阪急千里線が淀川を渡る時より近い。少し離れた場所に居ると言う感傷に少し襲われて、直ぐにやって来たなかもず行きに乗った。

淀川の向こう側にビル群。

 進行右手には千里中央方面に、左手には梅田方面に向かう新御堂筋の真ん中を走って、何か都会的な気がしないでもない。
 夕暮れ近く、淀川を渡って暫くすると地下に潜って、中津駅から梅田駅。本来、ここで阪急電車から乗換えるのが妥当かと思えたけれど、人混みは避けたい気持ちが、西中島南方を選ばせた。
 地下鉄に乗ったお客さんが入れ替わって、一瞬、車内に空間が出来たのだけれど、また沢山のお客さんが乗って来て、瞬く間に車内は混雑。
 御堂筋線は混雑が激しいと思いながら、出来るだけ利用するのは避けているのだけれど、流石にアメリカ村に向かうには、これ以上の便利な線は無いだろうとも思いながら、地下鉄に揺られた。
 淀屋橋駅、本町駅と大阪の真ん中を縦断する様に進んで、心斎橋駅。
 降りて、改札口を出て、今ひとつ出口が判らない。適当に人の波に身を任せて、出口らしき所に向かうと、心斎橋オーパのあるビルで、今日はHMVのアナログショップがオープンしたとのポスターが貼られていて、時間があれば寄りたかったけれど、先を急ぐ事にした。

HMV。

 アメリカ村。どちらかと言うと、梅田に馴染みが深ければ、アメリカ村には余程の用事が無ければ足が向かない様な暮らしをしてきたので、楽器屋さんやレコード屋さんが沢山ある印象。その他、賑やかな服屋さんも。
 向かう先はBIG STEP。アメリカ村の中でもここだけは半年に一度くらいの割合で伺っていた様に覚えている。「コーク‧ステップ‧ホール」が「BIG CAT」と名前が変わったのは、きっと大人の事情なのだろうと。

アメリカ村も夕暮れ。

 吹き抜けの中庭が、何とも言えない開放感を醸し出して、半円形のエスカレーターに新鮮さを覚えて、遠回りなのに乗ってみたりして、BIG STEPを少し楽しんだ。

ビッグステップ。

 で、BIG CATの前に行ってみると、階段の半分を区切って、入場順の整理番号が貼られた案内があったので、自分の番号を探して向かった。
 フロアを2、3階降りねば辿り着けず、階段を降りた。周りのお客さんはくるりのTシャツやパーカーを着用して、いつもよりもその着用率が高いと思ったら、ファンクラブのイベントだから当然だと気が付いた。
 18:00の開場まであと少し、時間が経つにつれて、どんどん人が集まってきて、並ぶ列の人が膨らんだ。
 18:00。上の階のホールの入口では、入場が始まった様子で、どんどん列が進んで行っては、止まってを繰り返して、入場列の塊が動いた。
 そして、やっと自分の番号がやって来て、ドリンク代を支払って入場。コイン‧ロッカーに荷物を預けて、フロアへと向かう。
 程々の場所に自分の居場所を作って、久し振りに伺うBIG CAT。こんなに大きなホールだったかとと改めて思った。
 少し懐かしい様な気持ちにもなって、スマートフォンで書き物等をして時間を過ごした。本当なら、もうすこしライブハウスに居るという気持ちに浸って居たかったのだけれど、書き物が余りにも溜まり過ぎている気もするので。
 書き物をしていると、時間の経過もアッと言う間で、気が付いたら開演時間の10分前となった。少し位はライブハウスを堪能しようという気になって、スマートフォンは劇場モードにして、ポケットの中にしまった。

BIGCAT

 開演時間がやって来て、淡々とくるりのメンバーがステージの上に現れた。長く続く拍手に岸田さんの「長い拍手はいいね」という一言から始まった。
 ファンクラブのイベントという事だからか、ステージの上も、いつもと雰囲気が違う、様な気がする。
 ファンクラブイベントという事で、普通のライブでは考えない様な事。皆が各地から、くるりを中心に集まっている様にも見えて、チケットの一般発売があって、という所と違って、限定された人というプレミア感なのか、そんな事を少し思った。
 一曲目は「グッド.モーニング」から。何故だか、少し「フィルハーモニック‧オア.ダイ」を思い出しつつ。一曲目が「グッド‧モーニング」だと、これからの曲が楽しみになった。
 そして、レア曲が続いて「五月の海」で叡山電車の出町柳駅を出発して暫く走った所をジョギングしたくなったり、続いて「ノッチ5555」シングル「ワンダーフォゲル」の初回盤の入手が追い付かなかった事を思い出したり。で、何故「ノッチ5555」なのだろうと思っていたら、次の「水中モーター」でボコーダーを用いた様な歌を、キーボードのノッチさんが歌って、その展開に驚いた。水中モーター。いい曲だなと思いながら。
 そして佐藤さんの曲「jumbo」で、今日はただならない夜になっている事に鳥肌が立つ思い。
 それから「魂のゆくえ」。この曲をリクエストした人のセンスが良すぎ。同名のアルバムの終盤に向かう場所に収められて、この曲を聴くと、自宅にMacBookがやって来て、オーディオ‧インターフェイスやら何やらのセッティングに精を出していた頃を思い出すのと、何か「魂のゆくえ」がどんよりした匂いのするアルバムだな、と思っていたのと。それでも名盤だなとも思いながら。この複雑な気分は何だろう。
 そうして、あんな曲、こんな曲。比較的演奏される機会に、あまりお目に掛かった事が無い様な曲が沢山披露されて、岸田さん、佐藤さんのお二人での演奏のコーナーとなる。
 何となく雰囲気のある部屋に置かれている照明スタンドがステージの上に二つ設置されて、スタジオにある様な椅子が並べられる。何やら椅子の座り心地がスタジオにある椅子と同様で、座り心地が良いらしい。
 数曲演奏されて、岸田さんがバリトンギターを持つと、何が演奏されるのだろうと考える。あの曲だろうか、この曲だろうかと考えている間に、これも拝聴するのが久し振りの様な気がする「ハム食べたい」が演奏される。何かすけべな歌だなと思いながら拝聴して「犬とベイビー」に続く。そして、これは今日のマイ‧ハイライト、佐藤さんの歌う「BLUE NAKED BLUE」ホンマにベースラインが格好良いのと、まさか、あの台詞を言う人が登場するなんて微塵も思って無かったので、ステージの上手からファイルを持って登場された時には驚くより他は無かった。
 それから3月という事もあって、いちばん似合う曲「マーチ」で気分も上がって、アルバム「感覚は道標」から「California Coconuts」「In Your Life」でくるりの現在地を拝見した様な気がした。
 あと、凄く印象的だったのが、前にも増して、岸田さんの京都弁具合に磨きが掛かって「昨日」の言い回しに凄く京都を感じた事と、あと、平仮名のバンド名が集められたイベントで、柑橘系、平仮名2文字の横浜より少し南西辺りに馴染みがありそうな二人組ユニットの発音も思いっきり、京都の発音で驚いてしまって、今度から、その二人組の名前を呼ぶ機会があったら、自分もそうしようと思ったのと。
 そしてアンコール、佐藤さんと岸田さんの物販の案内があって、本編に引き続き、まさかのアルバム「TEAM ROCK」から「カレーの歌」と「リラックマと遊園地」の主題歌である「ポケットの中」が演奏されて、再びバンドのメンバーが呼び込まれて「ブレーメン」から「潮風のアリア」で香川県は観音寺市にある有明町に行きたくなった。くるり「感覚は道標」から映画「くるりのこと」。2023年から続く、進化の加減が半端在らずだなと、見事に披露された様なファンのクラブイベントだと思いました。

当日券売場。

 濃い夜をありがとうございました。また伺います。

また、伺います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?