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北陸新幹線開業10日前、北陸本線は武生駅にて。

 2024年3月16日から北陸新幹線の金沢駅から敦賀駅まで開業するとの報。そうなると現在の福井県を走る北陸本線の運営が、第3セクターの「ハピラインふくい」という会社に移管されてしまって、そうなると「青春18きっぷ」等を使っての往来が困難になるだろうと思い、乗るならJRが運営をする、北陸新幹線が敦賀駅まで延伸する前にと思い、北陸方面へと向かう事にした。

 それぞれの駅の機能も「ハピラインふくい」に運営が変わってしまって、今まで特急券や乗車券を発券してきた、みどりの窓口やみどりの券売機も機能を停止してしまうとの事で、前のシーズンは鯖江駅で「青春18きっぷ」を買ったので、今シーズンは武生駅で買う事に。

 往路は特急サンダーバード号。いつも通っている湖西線が風規制で、京都駅からは米原駅を回って福井駅まで。乗ったサンダーバード号、本当なら敦賀駅さえ停車しない速達タイプだったけれど、停車したのは大人の事情か。そう言えば米原駅にも停車したけれど、お客さんの乗り降りは無かった。

米原駅にて、同じホームの向かい側に停車する「しらさぎ」

 福井駅に到着して、改札で記念にと福井駅までの乗車券に記念乗車を示すスタンプを押して貰って、記念に切符を持ち帰る様にしてもらって、福井駅から武生駅まで、折り返しはそそくさと。ICカードで改札を済ませて、敦賀駅行きの各停に乗って一路。

いつだったかは橋脚がぽつんと建っていた光景を思い出す。

 武生駅に到着すると、北陸新幹線の開業を祝福する広告の看板などが賑やか打けれど、それが少し、一抹の寂しささえ感じてしまうのは、ある時を以て、がらりと状況が変わってしまって、その変化が何と無く想像出来るからだろうか、そんな事を思いながらICカードの処理を済ませて、改札を出た。
 駅にあったコンビニエンスストアも営業を終えていた武生駅。みどりの券売機で青春18きっぷを買っても良かったのだけれど、折角なので窓口にあるマルスで発券された切符を買おうかと。窓口へと向かった。

 窓口には列が出来ていて、今後の切符を買いに来た人が並んでいて、その最後尾に着いて、自分の順番が回って来るのを待っていると、窓口の人と、お客さんの会話が耳に入ってきて、誰が何処に向かう切符を買いに来たのかが判った。
 ある人は東京、ある人は大阪。10日後の北陸新幹線開業を控えて、それ以降の切符を買いに来た人も居て、北陸新幹線の駅「えちぜん武生」の名前も頻繁に聞こえてきた。
 東京に向かう人には、往路に北陸新幹線を利用して、復路は東海道新幹線で米原駅から敦賀駅乗換えでこの辺りまで戻ってくる人も居て、新しい時代が始まるのかとも思えた。
 それで、自分の順番が回ってきて、自分の前のお客さんは、何時の列車だとか座席の指定とか、切符を手に入れる手続きに少し時間が掛かる様子だったけれど「青春18きっぷ」を買うのに時間が掛かったのは、切符と何枚かの説明書きが印刷される時間を待つだけで、随分とあっさりと時間が過ぎた様に思えた。それと、窓口の人が明るく対応してくれるのが、寂しさに少し拍車をかけた。

 一抹の寂しさと時代の流れの替わり目を体験した様な。北陸新幹線、開業10日前のJR北陸線、武生駅のみどりの窓口にて。

切符を購入する時の申込票。座席の種別に溢れる涙。
武生駅、みどりの券売機。

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