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20231015

 諸般の諸々を終えて、一旦帰宅。今日、拝見するライブは開場と開演の時間が早いので、いつもより慎重に体力の温存を図るべく、昼食を済ませて,
だらりと横になるのだけれど、何となく気持ちが落ち着かない。
 逸る気持ちは抑えられず。目は冴えてしまって眠りにもつけず、結局、体力の温存が出来たのかは分からない。
 今日は、京都の磔磔にリクオさんプレゼンツのTAKUTAKU HOBO CONNECTIONの三日目を拝見向かう予定になっていて、開場の時間が16:00。なので、いつもより早目に支度を済ませて、自宅を出発したのは15:00前。
 いつも京都にライブを拝見に向かう時よりも、かなりの速さに自分の感覚を疑いながら、自転車を漕いで駅の近くの駐輪場まで。
 駐輪場から徒歩で駅までは3分も掛からないけれど、10分毎の電車でも目の前で出発して、去って行く姿を見るのは、何度と無くそんな場面に出くわしているのだけれど、やはり何度も虚しくなるので、電車に間に合う様に向かった。

 駅に到着して程なくやって来た各駅停車に乗って、特急の乗換えの駅まで。

大阪方面から、西向日駅を過ぎて一瞬、広がる視界。

 そこから特急電車に乗って、終点の京都河原町のひとつ手前の烏丸駅まで向かった。

電車は桂川を渡る。

 電車の中。ぼんやりと晴れて気分も上々。休日、昼間でもお客さんも多くは無くて、座席に座る事が出来たので、メモに日記など認めながら電車の中での時間を過ごした。

 烏丸駅に乗っていた電車が到着して、開場の時間に少し余裕があったので、と言うか、少し余裕を持たせて家を出発しようと思ったのは、地下の烏丸駅前にある書店、くまざわ書店の四条河原町店で、毎年この時期になると購入している、来年の「マイブック2024年の記録」を買おうと思っていたので。

 足早で改札口を出る時、そういえば磔磔に向かう時、大阪方面から来る時は進行方向前よりの出口の方が近いという事を、つい最近になって理解出来た事を思い出したのだけれど、今日はくまざわ書店に寄る予定にしていたので、前に理解出来た事が、今日は利用できずに少し寂しいなと思った。

 そうして、改札を出て人の往来の激しい阪急電車と京都市営地下鉄の連絡通路から外れて、くまざわ書店の入るビルへと向かって入店。文庫本のコーナーを探すと「マイブック2024年の記録」はすぐに見つかって、文具コーナーで手にしたクリア‧ファイルと共にレジへと。
 レジで本屋さんのブックカバーを掛けてもらってお店を出た。

 「マイブック」を毎年毎年、ここ十数年程買っているのだけれど、ある年、師走の歳も暮れようとしている時に、買い忘れた事に気が付いて、あちらこちらを探し回った記憶が残っていて、手に入れるのにひと苦労した覚えがあって、それからはカレンダーにしても、メモ帳にしても、鬼に笑われてしまいそうではあるけれど、発売される頃に手に入れる様にしている。

 「マイブック」。最初はメモ書きでも出来ればと思って買ったのだけれど、メモはメモで、別のものを使う様になってしまって、それがいつの間にやらCD屋さんで、CDや何やらを買った時のレシートを挟んで保管する様な本になってしまった。年末になるといつも本の厚さが2倍くらいになって、収納に苦労していたりする。
 それがここ数年、インターネットの通販を利用する様になって、領収証も儘ならない時もあって、プリンターを繋いで印刷するとなると、これまた手間になってしまって、その用途は更に変わって、旅行先であれやこれやと買ったレシートを気紛れに挟み込んでいたいるする。
 時代が変われば用途も変わる。等々と思いながら、2024年を迎える準備は着々と進行する。

 寄り道をして磔磔へと向かう。地下から上がって、これまた人の往来が激しい四条通りを東へと向かって、適当な通りを南へ向かって、仏光寺通りをまた東へと向かって、磔磔の看板が少し遠くに見える所でまた南へと。

富小路通。

 そうして磔磔前に到着したのは開場の10分ほど前。前で佇んでいると、リハーサル中なのだろうか、磔磔の中の音が外に漏れて、それが月曜日に音凪で行われた、とんちピクルスさんのバースデー‧ライブにも聴いた曲で、月曜日が頭の中で繋がった。
 それに衝撃を受けている間に、会場への入場が始まって、自分の番号が呼ばれて、ドリンク代を支払って中に入る。適当に見易そうな場所に腰を掛けてビールとピザを注文する。16:00過ぎにビールを嗜める有り難さを噛み締めながら一口目を味わう。
 暫くして落ち着いて、外にタバコを嗜みに出て、夕暮れを控えて、ビールを少し早い時間に味わえた事に、有り難みを感じ乍らぼんやりとした時間を過ごしていると、店内にお見受けした事のある姿の人が入って行って、記憶の中を探してみると、今年2月末の拾得や、つい先日の京都音楽博覧会2023で撮影をされていた、カメラマンの井上嘉和さんだった。
 ここ数日の事が頭の中で見事に繋がって、頭の中が上手く整理出来ずとなってしまう。

まったりとした夕暮れ前、煙草など嗜みながら。

 そうして、席に戻ってまったりと過ごしていると、詳しくは書けないけれど、穴があったら入りたい心境に陥る(笑)。

 上手く言えないけれど、ここ数日と半年程前の出来事が見事にまとまって、この得体の知れなさは何なのだろうかと考え乍ら、考えても答えは出ずのまま、開演の時間を待った。

 そうして開演時間の17:00を迎えて、リクオさんがステージに登場して、それからソウル‧フラワー‧ユニオンから中川さんが呼び込まれた。リクオさんプレゼンツ磔磔ホーボーコネクション第三夜。リクオさんの「光」で幕が開けた。色々な人とセッションして、その場その場での「光」があるとの事で、今日もこのステージ独特の光が拝聴出来たと思うと、感極まるものがある。それから中川さん「海へ行く」。リクオさんのピアノと中川さんのギターも然る事ながら、唄とコーラスがそれぞれの曲で今日も絡まって、美しいメロディーを奏でて、美しい物を目にした時に出る様な、切ない様な溜息を何度もついた。今日は色々なバリエーションを聴いてもらうとリクオさんが言って、一旦ステージから去って、ゲストの中川さんのソロコーナーへと。 

 新しいアルバム「夜汽車を貫通するメロディヤ」から「石畳の下には砂浜がある」が演奏される。最近、いろんな場所にて、この曲が頭の中に流れる事を思い出して、その場面のひとつひとつの場面を思い出しながら拝聴すると、頭の中で「石畳の下には砂浜がある」のビデオクリップの様に流れた。
 それから「命の落書きで壁を包囲しよう」。色々な顔を思い浮かばせ乍ら、確か、この場所にも思い出があったと思い乍ら聴きながら歌った。
 それから次のゲスト七尾旅人さんがトリビュート‧アルバムでカバーをしたという「寝顔を見せて」が演奏されて、ご本人が呼び込まれた。待ってました、旅人さん。
 中川さんと旅人さんがステージの上でのMCがただただ微笑ましいと思った。
 いつだったかの、東日本大震災直後のシャングリラ。東日本大震災の衝撃の余り、果たしてライブを拝見したりして良いのだろうかと思って考えている間に、見逃してしまった旅人さんのステージや、夏の西陽がステージを照らす万博公園を思い出す。
 そうして中川さんと旅人さんが「沖縄県東村高江の唄」。心に響いた。曲の終盤で中川さんが「くんじゃんジントーヨー」の一節を付け足して、それが泣けた。

 から、ゲストの旅人さんのソロコーナー。喘息の発作もものともせず、パン屋の倉庫を間借りしていた、ご両親の事を唄った「パン屋の倉庫で」力強くて優しくて、ただただ泣けた。思い出しただけでも泣けてくる。
 続いて、トレイシー‧チャップマンさんのカバー曲「ファストカー」へと続いて、何とも言えない、色々な人の色々な人生を、足りない頭で思い描いてみたりしても、きっと至らないだろうと思いながらも、頭の中で描いてみたりした。
 MCでコロナ禍でのフードレスキューについて、コロナが落ち着いた様に見える中、今でも困窮されている人に行われているとの事。から「Wonderful Life」。旅人さんのトーキングブルーズか、ポエトリーリーディングか、歌のメロディーとシャウト。冷静で居られなくなる。
 そして「同じ空の下」。去年の3月に旅人さんのnoteに制作された経緯と共にアップされている曲で、世界中に響き渡れと思った。
 それから主宰のリクオさんが呼び込まれて鵠沼海岸。「湘南が遠くなっていく」。旅人さんのサンプラーから波の音が流されて、ギターとピアノの絡みがこれまた美しい。十年前かそれ位に一度、江ノ電を鎌倉から藤沢まで乗った事があって、その頃の事も思い出す。鎌倉高校前の踏切は、台湾は台東にある太麻里駅北側の踏切とロケーションが似ているという事なども、湘南で思い出す。曲の終盤のギターとピアノの絡み具合が加速して、感情に訴える。
 からリクオさんのソロコーナーへと続く予定が、リクオさんからのリクエストで旅人さんがもう一曲参加する運びとなって、リクオさんの「はかめき」。出だしの「東京」のフレーズで、情景が頭の中に描かれる様な曲が並ぶ様な気がした。また、旅人さんのハミングともシャウトとも思える声が頭の中の情景に彩りを加えた。

 そうしてリクオさんのコーナーへと「リアル」から始まって「ソウル」へと続く、丁度良い塩梅。盛り上がる熱が過剰にならない様に、少し冷ます様に磔磔に響いて、心の中にも響き渡った。この2曲でリクオさんのホスピタリティを目の当たりにした気がする。
 から中川さんが呼び込まれて、ソウル‧フラワー‧ユニオン「ハビタブル‧ゾーン」から「夜を使い果たそう」。まさに今、夜を使い果たそうとしている気になっていると、次に「アイノウタ」が始まると、興奮の坩堝。と、同時に曲が終わってしまうのが寂しくなって、また遠出をして、どこかの「うたのありか」に足を運びたくなる。
 から旅人さんが改めてステージに呼び込まれてからのMCが更に微笑ましいものだった。からリクオさんの「ステキなバカンス2021バージョン」。この重厚さは何だろうと思う。最高に贅沢な瞬間を過ごしているなと改めて思った。から旅人さん「蒼い魚」。リクオさんのピアニカ、中川さんのコーラス、改めて凄い瞬間に遭遇している気持ちになる。本編最後に「満月の夕」。ただただ圧倒されっぱなしで、上手く言葉にならない。旅人さんリクオさん中川さんが自由にハモったり、唄に囃子を入れたりしていて、何度も何度も圧倒された。

 圧倒され放しで、あっという間に本編が終わった。少し物足りなさも感じながらアンコールを求める。手拍子が波の様に早くなったり、遅くなったり。何度か繰り返して、旅人さんと中川さん、そして主宰のリクオさんがステージの上、再び。
 今まで椅子に座っていた旅人さんが立席で「いい事ばかりはありゃしない」。
 梅田でウトウトして、天王寺あたりでゲロを吐いてという一節が印象的で、身に積もって、どうも照れ臭くもなった。ただただ圧倒され放しどころか、10月の2週目の出来事が見事に纏まったというか、繋げられたというか。

磔磔のステージ。

 この日の事は忘れる事なんで出来ないだろうという夜をありがとうございました。

 帰り道も、ずっと、圧倒されてました。

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