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20231210

 持っているスマートフォンのカメラのレンズカバーが、普段の扱い方が乱雑なのが災いして、いつの間にか割れてしまっていた。何かの機会があれば交換しようと思っていたので、昨日、自宅の近所の家電量販店に行った時に、忘れがちだったレンズのカバーの交換をせねばと思い出したので、お店の中で何気に陳列されたレンズカバーを買って帰った。
 昨日は、作業をするには遅い時間とも思われたので、交換するのは翌日にしようと、食事を済ませて、お酒を嗜んで睡眠を摂った。

 翌日、早起き出来たので、早速交換をと思い、スマートフォンのレンズカバーを入っていた箱から取り出して、ついでにと思い、ボデーからディスプレイから、乾いた布で念入りに拭き上げて、まるで何かの儀式の様にカメラのレンズカバーを交換した。
 最初に取り付けられていたレンズカバーは、思ったより頑丈に取り付けられていて、外す時、勢いの余りボデーに傷が付かないだろうか等々と思って丁寧にすればする程、レンズカバーは取り外せそうに無い。
 買って取り付けた時の事を思い出して、確か嵩上げされる様に取り付けた事を思い出して、その境界線辺りにカッターナイフの刃を当てて切り込んでいくと、傷だらけになったレンズカバーを取り外す事が出来た。

 さて、今度は新しいカバーを取り付ける段だと。取り出したレンズカバーを取り付けてみると、どうもしっくり来ない。レンズとボデーから浮いてしまっていて、どうも完全には収まってない様子で、何かおかしい様な気もする。しばらく放っておくと固まって、きちんと粘着してくれるかも知れないと、少しの間様子をみてみても、一向に納まってくれる様子が無い。
 今日はあちらこちらに行かねばならないのに、レンズカバーが無いという事は、電話にとって何か無防備な気もして、気持ちの納まりも悪い気がして、家電量販店に出直してみる事にした。

 自宅を出発して、自転車を漕いで、坂道を登って、国道沿いにある昨日と同じ家電量販店。
 売場に行ってみると昨日と同じ佇まいで様子は変わらず。よくよく売場を観察をしてみると、昨日買ったレンズカバーは現行のモデルのもので、今使っている携帯電話は一つ前のモデルらしい。
 それで何となくレンズカバーが合わない様な気がしていたのが、確信に変わった。
 勿体無い事をした。と、思いながら改めて買い直して、慌てて帰宅。帰宅して先程と同じ様に何かの儀式の様な事を繰り返した。すると、レンズカバーは先程の出来事とは打って変わって、これ以上にない装着感が半端なかった。
 丁度の大きさとはこの事と改めて思う。レンズカバーを買い間違えたせいで、思わぬ時間(お金も)の浪費をしてしまって、何よりもそれが勿体無いと思っていたら時間はお昼過ぎとなっていて、今日は大阪での入管法改悪施行阻止デモに参加する予定にしていたので、慌てて段取りをする。
 支度をして家を出発したのが、13:30を過ぎた頃だった。

 自転車を漕いで、駐輪場。阪急電車で大阪梅田よりも、堺筋線の北浜で降りる方がスタート地点でもある中之島公園女神像前には近くて早いと思ったので、乗換える駅からは準急の天下茶屋行きに乗った。
 電車の中でツラツラと日記の様なものを書いて、そうしている間にアッという間に北浜駅。集合時間の14:00はとっくに過ぎてしまっていたので、急いで中之島公園の方に向かった。

橋の上から。

 集合場所に到着すると、丁度、大椿ゆうこさんのスピーチが始まった所で、国会の様子も伝えてもらって、間に合って良かったと思う。

御堂筋を北上して国道2号線を西梅田公園まで。

 暫く経って、デモ行進のスタート。参加している人たちが、入管法改悪反対の思いのメッセージを掲げて御堂筋から歩き始める。デモの行進が歩いている間、信号待ちで停まっている車や横断歩道で待っている人にアピールをする。交通の遮断をしてまで切羽詰まって、訴えたい事があるのを解って貰いたいと思う。
 御堂筋を北上して、北新地の東側を歩いて、国道2号線を西へと向かう。銀杏の葉の色付き加減に秋の終わりか、冬の始まりを感じて写真を撮ろうと思ったけれど、2025年に大阪で行われる不穏なイベントの宣伝が邪魔をして、写真を撮る気が萎えた。
 30分程歩いて、西梅田公園でデモはゴール。流れで解散。解散して、すぐに集合という感じでパレスチナに連帯する集会が開かれたので迷わず参加。パレスチナの一刻も早い解放を祈る。最後の集合写真には参加出来ずであったけれど、中之島公園から貴重な時間を過ごせたと思う。

 終えて、京都に向かうのはソウル‧フラワー‧ユニオン「結成30周年(おめでとうございます)記念ツアー‧冬篇」の磔磔公演を拝見に。デモに参加する前はJRを使おうかとか、京阪電車、それとも王道の阪急電車か、等々と考えていたのだけれど、考えるのも面倒になってしまって、王道の阪急電車で向かう事にした。

昼食。

 新梅田食道街で少し遅めの昼食を済ませて、人混みの梅田の街を歩いて、阪急電車の大阪梅田駅まで。

 大阪梅田駅に到着すると、何やら見慣れぬポスターが。何だろうと思って、よくよく見てみると、来年の夏以降の新車に導入される予定のプレミアムカーの宣伝だった。どんな形で導入されるのだろうかと、少し考えるも皆目見当付かず。インターネットやら何やらを調べると、それなりの答えがあるのだろうけれど、そこまでして知るよりも、目の前に登場する時を待とうと思った。

阪急電車もプレミアムカーの導入かと。

 そうして大阪梅田駅の1号線のホームへと。京都河原町行きの特急電車を待った。
 やってきた電車に乗って、アナログの日記をツラツラと書いている間に電車は発車して、京都方面へと向かった。

 進行左側の席に腰を掛けて、横目に神宝線の一段低い淀川橋梁。同じ時刻に大阪梅田駅を発った宝塚線の急行電車が西陽を背景に同じ速度で走っていて、傾いている太陽の角度が冬の光景に思えた。

並走する、宝塚線の橋梁。

 アナログの日記を書いている間に電車は進んで、淡路駅で「ひぐらし」を思い出して、それからアッという間に烏丸駅。
 今日は知人と待ち合わせをしていたので、知人に連絡をすると、もう烏丸近辺に居るとの事。世の中が便利になって、こんな待ち合わせも、きちんと固める必要も無くなった様に思う。

 それで、何となくという感じで知人と合流して、京都は磔磔まで。

京都磔磔。

 到着すると人で溢れかえっていて。今日も歌って踊る予定だからと、重たい上着は脱いでクロークに預ける事を前提にした。
 そして、物販でTシャツを買った時、そう言えばアルバム「ウインズ‧フェアーグラウンド」がリリースされた直後のツアーだったかで、初めてアーティストTシャツなるものを買ったのが、ここ、磔磔でのソウル・フラワー・ユニオンのライブを堪能した後だった事も思い出した。
 学生時代から当時まで、アーティストTシャツと言えば高価なものという意識があって、アーティストTシャツを買うのには躊躇いがあったけれど、当時、汗だくになったライブの帰りに着替えが必要となって、買ったのが初めてだった様に記憶していて、何か懐かしいものが込み上げて来た。
 それで、クロークに荷物を預けて開場の時間を待った。

 自分の番号が呼ばれて、ドリンク代を支払って磔磔の中に。スタンディングの時は着席スタイルの時と違って、また違う表情の磔磔と思いながら。
 ライブの途中でバテてしまうのが嫌になって、立席の時にはアルコールを控えておこうと思う様になったコロナ禍以降、それでも入口で缶ビールを一本引き換えたので、これは冷たい間にと、緩くなってしまう前にと、折角なので頂いた。
 それで、後から入って来た知人と少し話をしている間に開演時間が迫ってきたので、それぞれの場所に散って、開演を待つ事数分‧。

 会場が暗くなって「アイラー‧チンドン」が大きな音で磔磔に響いて、皆があの階段から降りて来て、ライブが始まる。一曲目があの曲だと良いなと思っていたらまさかの「ハビタブル.ソーン」だったので嬉しかった。それから「キラー‧ディラー」へと流れ込んで、メロディーラインを口遊みながら踊る。
 「ラン‧ダイナモ‧ラン」から、どうしてだろうアルバム「ハビタブル‧ゾーン」では「川のない橋」の筈なのに、「ラン‧ダイナモ‧ラン」が終わりかけている時に、次は「ダンスは抵抗」が来るのでは無いかと思っていたら、まさかのギター‧リフが聴こえてきたので驚きながら踊る。踊る事も抵抗。
 から新曲「千の丘の足跡」。ジャラさんが刻むリズムと阿部さんのベースのメロディーのコンビネーション、絡み具合が絶妙な感じで、その上に高木さんのギターと奥野さんのピアノの音、そして中川さんの唄。次のアルバムに収録されるのだろうか、早くも期待するより他は無い。
 それで「川のない橋」。夕暮れ時のメロディーという気がして、唄が感情に訴えて来て、高木さんのギターソロから奥野さんのオルガンのソロに泣かされて、流れは、今日のデモの後のパレスチナに連帯する集会の事や、旧ツイッター(現X)のタイムラインに流れて来る想像を絶する光景を頭に思い浮かべながら聴く「パレスチナ」パレスチナやガザ地区の為に、微力ながらも自分に何が出来るのかを考えてみる。
 それからリクル‧マイさんの歌う「レボリューション‧ロック」。歌って踊る。拝聴する度に曲のリズムが変わる所でいつも心を持っていかれて、心が体を激しく踊らせた。
 次に、この時を待ってましたの伊丹英子さんの登場。奏でるブズーキの「ロンドン‧デリー」一気にステージの上が賑やかになって「満月の夕」に雪崩れ込んだ。やはりステージの上に居ると、違う角度というか、この気持ちを上手く表現出来ないけれど、全く別の方向から心に突き刺さるものがあった。
 踊りと大合唱の余韻が残る中、軽快なリズムとメロディーが演奏されて、これはあの曲、どこかで聴いた事があると思ったら「サヴァイヴァーズ‧バンケット」これは踊りながら唄で送るより他は無いだろうと思い、目一杯踊って、目一杯歌う。曲の終わりに中川さんがチバさんとザ・ポーグスのシェインさんの名前を呼んだ時にグッと来るものがあった。
 それからザ・ポーグスのカバー「ターキッシュ‧ソング‧オブ、ダムド」曲が流れた。いつ聴いてもイントロからAメロそしてサビへの展開に興奮させられる。何度でも聴きたい、この一曲を30分位続けて欲しい、なんて無茶な事を考えながら踊る。曲の終わりの方で感情が爆発して、少し激し目に踊った。

 あー、と思っている間に一部が終了して換気タイム。知人と少し話をしている間に二部が始まろうとしていた。

ステージ。

 二部の出囃子は「マージナル‧サーフ」から「この地上を愛で埋めろ」。一部の一曲目といい二部の一曲目といい。漢字の「最」と「高」の二文字しか頭に思い浮かばなくなって、ステージとスピーカーからの音に塗れて歌って踊る。からリクル‧マイさん「レイシスト‧フレンド」あの友達は、今でも同じ様な事を言っているのだろうか、年末、年賀状も来なくなってしまって、少し思い出した。
 それから「グラウンド‧ゼロ」イントロの即興演奏の様な場面がいつも格好良いなと思いながら、阿部さんのプレベのスラップに耳を傾けながら唄って踊った。
 伊丹さんがステージに戻ってきてピアノのフレーズが印象的なイントロの「陽炎の国、鉛の唄」。奥野さんのピアノで、前に中川さんのソロライブを磔磔で拝見した時の話で、犬のポピーの事を思い出してしまった。改めて、このシリアスそうなフレーズにそんな話がと思うと少し可笑しくなってしまった。
 そして「平和に生きる権利」。この世界の深刻な状況はいつ迄続くのだろうかと。少しでも明るくなるようにと、祈りを込めて拝聴する。
 それから、まさかの「こたつ内紛争」。最近、本編で演奏される印象が無くて、意外な展開に不意を突かれて、奥野さんのピアノのイントロで自分の体力が気になった。それから、流れはリリースされた当時に「ささっと唄われよ、ささっとわしゃ囃す」というフレーズにグルーヴの本質を見た「ホライズン‧マーチ」で、いつ拝聴しても名曲だなと。伊丹さんチャンゴとお囃子で踊っていたけれど、更に踊りたくなる。そして「エエジャナイカ」ヒットパレード的展開に、もう一度最初から拝見したくなる。からリクル・マイさんが唄う「秋田音頭」手に入れた民謡7インチの歌詞カードによると、結構ハイカラな歌の内容だった。で、踊って踊る。
 そして中川さんのギターからあのフレーズで「海行かば 山行かば 踊るかばね」。伊丹さんもステージの上に揃って「海行かば 山行かば 踊るかばね」が目の前で演奏されていると思うと、更に感慨深くなって、唄って踊る。この瞬間がずっと続いて欲しいと思いながら。それでも時間がやって来て、本編第二部、大団円を迎える。
 やはり、物足りないのでアンコールを求めると、応えて貰えて、最後の最後に、伊丹さんも参加しての「風の市」だった。美しいメロディーラインも踊って唄ってしまった。曲の終わりに向かう時のメロディーが転調する箇所に相変わらず心が痺れた。
 ライブは大団円。やはり17日の東京公演も伺いたくなったけれど、今回は断念。代わりに配信を購入して、この興奮をもう一度、堪能する事にした。
 そんな事を考えていると、スピーカーからザ・ポーグスのシェインさんが亡くなった事を悼んだ様に「Fairytale of New York」が流れてきて、自分の中で12月の気持ちが加速するのが判って、一気に年末という気持ちになった。
 唄えて踊れて、今日も楽しい夜をありがとうございました。また、また伺います。

唄って、踊った夜をありがとうございました。

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