見出し画像

20231217

 朝は普段に比べるとゆっくりと7:00位に起床する事が出来た。
 昨日は22:00頃に布団の中に入ったので、だいたい9時間の睡眠が摂れた事になって、少し嬉しい。けれど、早起きは三文の徳とも言うのでもう少し早起きしても良かったかとも思う。睡眠時間が短ければ睡眠不足だと思ったり、ゆっくり眠ると、少し寝坊したみたいに思って、随分と勝手なものだと思うけれど、睡眠時間は他の何にも代え難いと最近思う様になっているので、これはこれで良しとする事にした。

 朝食を済ませて、コーヒーを飲んで、煙草を嗜んで暫くの間ゴロゴロと過ごして、歯間ブラシと普通の歯磨きで30分程費やす事が出来て至福の時間。 
 お陰で前まで碌に自分の歯を鏡で見て様子を見るなんて無かったのに、今では自分の歯の具合を鏡で見る事が出来る様になって、睡眠と共に口腔ケアも大切だといつの間にやら思う様になった。
 そんな風に時間を過ごしていると、いつの間にか経つのが時間。今日は夕方以外に予定が無いのでぼんやりと、今日のライブが終わったら何処か遠くへ向かおうかと、そんな事を思い付いて、インターネットで色々と引いてみたりする。
 遅ればせ乍ら東京へ行ってみるかと、夜行の高速バスを調べてみると、席はそこそこ残っている様子だったけれど、4列シートは少し窮屈な気もして及び腰になった。
 新幹線で行っても蜻蛉返りで忙しない気もするし、夜汽車を堪能すべく、大阪駅を深夜に発つ寝台電車、サンライズ瀬戸出雲号は満席らしく人気があるのだなと。
 東京行きはまたの機会として、西へ向かう夜行バスを探してみると、軒並み満席で夜行列車やバスで何処かへ行こうという気持ちは失せてしまった。

 さて、アナログの日記も書かねばならないと思い立って、思い立ったは良いけれど、散ってしまう気持ち。何故だかiPadを開いてアプリケーションをウロウロしていると、随分前にダウンロードした台湾の放送局のアプリケーションがあって、久し振りに立ち上げてみるアプリケーション、こんな場合は、大概無効になっているパターンが多いなと思って、ダメは元々で立ち上げてみる事にした。すると番組の宣伝のタブが開いて、先に進んでみると、テレビ番組とラジオ局のライブ配信が選べるボタンが出て来て、選ぶ事は出来ても、あなたの国での再生は無理です、と言う様な事を言われたりするのだろうな、と進んでみると、見事にライブ配信を拝見する事が出来た。
 台湾に行くと暇に任せて宿のテレビでよく見ていたTITVというテレビ局とAliensというラジオ曲。テレビの方を選んで見ていると、台湾は台東の教会での老若男女入り混じってゴスペルから民族音楽を唄っていて、さすが台湾は台東と思う。豊饒な唄うという文化があって羨ましい。最後に牧師さんが何やらのメッセージを告げて番組が終わった。
 引き続き、ぼんやりと眺める様に見ていると、CMの代わりに番組の宣伝が頻りに流れて、何やら、月曜日から金曜日までの夕方の時間に、台湾の現地の言葉(布農族、太魯子族、タイヤル族などの)言語での放送もあるらしい。母国語というか昔からの言語や文化を絶やさぬ様にと公共の放送局も取り組んでいる様子が羨ましいと思う。
 見続けているとニュース番組の様なものは始まって、台東の人達が台北へと出向いて文化交流をしている光景や、台湾南部を回る鐵道、南迴線台東以南の駅舎が近代的になるらしいなどなどのニュースが流れて、台湾に行った時に余裕があれば伺うそれぞれの駅舎の佇まいが変わってしまう前に、出来るだけ早い間に行きたい衝動に刈られた。
 見ていた番組はやはりニュース番組だった様子で、最後に台湾全土の天気予報が流れた。それぞれの縣毎に有名な地名が読み上げられて、不意に何故だか懐かしくなった。特に台東や花蓮の予報は台北などの西海岸寄りの地域より、予報のきめが細い様な気がした。

 ダラダラと昨日の日記を連ね乍ら、テレビを見終えた。
 iPadを閉じて、そろそろ出掛ける準備をせねば。というのと今日はソウルフラワーユニオンの東京公演の配信もあるので忘れずにチケットの手配を済ませる。シャワーを浴びて、歯を磨いてそそくさと家を出発する。

 自転車を漕いで駅まで。そういえばチケットの発券が未だだと言う事を思い出して、家から少し離れたJRの駅まで向かう。途中にあるコンビニエンスストアでチケットを発券。出て来た番号に腰を抜かした。もうすぐ誕生日を迎えるので、今日が歳を重ねる前の最終のライブになる。という時に自分の年齢の番号だった事に驚きを隠せなかった。これは記念になると思うと、急に気持ちが上がった。

 それで今日のくるりのライブを拝見する会場が、桜島駅前のZEPP OSAKA BAYSIDEという事なので、何の捻りも無くJRで向かう事にした。

 各駅停車で大阪駅まで、大阪駅からは大阪環状線、内回り、関空紀州路快速が来たので西九条で乗換えて桜島まで。

向こうに見えるは東海道本線。

 途中に安治川口を通るからという訳だったのか、どうかは分からないけれど、大阪環状線の福島から野田、西九条と向かう間、中央郵便局裏にあった貨物ヤードや中央市場に伸びていた貨物線が幼い頃の朧げない記憶が頭の中に呼び戻される。
 そうして西九条で降りると、ホームを挟んで向こう側に桜島行きが両方の扉を開けて待っていた。
 関空に向かう快速電車からの乗換の人も多く、きっとあのテーマパークに向かう人達なのだろう、なにか自分とは住んでいる世界が違う様にも思える。
 出発を待っていた電車は外回りの方から扉を閉めて、次に内回りの方の扉を閉めて発車した。
 西九条から環状線ならば、安治川を渡る様に続く高架線路の上を往くのだけれど、桜島線は内回りと外回りの高架線路の間を地上に降りる様に線路が続く。貨物の安治川口駅まで続いて、機関車がここを走ると、その光景は圧巻だろうな、とか、大阪西成線でガソリンカーが燃えたのはこの辺りか等々雑念を交えながら、窓の外の光景を眺めた。眺めているとやがて、安治川口駅から続く、引上げ線が見えて来て、その先に貨物ヤードが広がった。

安治川口駅にて。

 日曜日だからか、これから積むのか、専用貨物電車のスーパーレールカーゴに荷は乗っておらず、ガラガラのレールカーゴも珍しいと思いながら、周りの時代の流れから置いて行かれた様な、島式の安治川口駅のホームが夕暮れ時で少し切なかった。

安治川口駅にて、その2。

 と思っていたら、次のユニバーサルシティ駅で桜島駅方面に向かう親子連れが乗って来て、駅前の駐車場に自動車を停めているのか、それとも、宿を取っているのかと思っていたら、終点の桜島駅でも電車から降りる気配が無く、駅に掲げられた「折り返しの乗車は別途料金がかかります」と書かれた看板の意味が分かった。
 この煮え切らない思いをどうすれば良いのか分からず、一旦、忘れる事にして、島式のホームからの階段を登って、線路の上に掛かる通路を渡って、階段を降りて、改札口を出た。

冬至も近い桜島駅前。

 目指すはZEPP OSAKA BAYSIDE。駅前にちらほらと、そこを目指す人も居て、前の通りの青信号に間に合わなかったので、線路沿いの歩道を歩いて会場まで向かった。
 途中で見えてきたのは、整理番号順に区切られている看板で、そんな番号まであるのかと驚いた。
 会場前に到着して何とかギリギリ、物販には間に合って、あれやこれやをお買い上げて、会場の外のコインロッカーに荷物を預けようと思ったのだけれど、身軽にしてライブを拝見したいと思って、入場してから預ける事にした。
 会場横の昔は運河だった様に見える、安治川に風が吹くと波が立って、寒さを際立たせた。お世辞にも晴れとは言えない天気だったけれど、それも素晴らしい冬の光景と思えた。

 開場を待つ間、そんな事をぼんやりと考えていると、1番から番号が呼ばれて会場が開場。
 自分の番号が呼ばれた時、何故だか少し照れ臭くなったのは、自分の年齢だったからだろうか、色々考えながら、ドリンク代を支払って、直ぐにコインロッカーに向かって荷物を預けてフロアに向かった。
 適当な場所を押さえて、スピーカーから流れる音楽に耳をやると、何やら激しい音楽が鳴っていて、くるりってハードロックやヘヴィーメタルを演奏する様なバンドだったかと考えてみると、最近はそんな楽曲もあるなと、思うけれど、ライブの前にそんな曲を流す程‧‧‧、と思った瞬間に閃いた。今回の森さんが考案したと言われるツアータイトル「感覚は道標」発売記念ツアー「ハードにキマる!つやなし無造作ハッピージェル」に関連しているのかと、勝手に思った。

吊り下げられたスピーカー。

 で、開演までの時間、そんな音楽に耳を傾けながら、携帯電話で書き物をしようと思って開けてみると、連携している筈のデータのダウンロードが出来なかったので、新しい、別の日のあれやこれやを書いた。
 知っている曲が流れると嬉しかったし、知らない曲でも格好いい曲が流れるとシャザムを立ち上げたり。
 で、途中でくるりの大阪万博が流れたのは気のせいか、あれは何だったのだろう。
 開演時間が近づいて、公演中の注意喚起を促すアナウンスが流れて、開演時間も近付いてきたのが判明。

 暫く経って、客席の照明が落ちて暗くなって、SEがニューアルバム「感覚は道標」からの「LV69」だった。珍しい。勝手なイメージでインスト曲ならともかく、唄の入った曲を出囃子で使うなんて、と思いながらステージを拝見していると森さんから出て来てステージ上手に置いてある、あれは拾得の時のドラムセットと同じだと思いながら。
 ステージの上が賑やかになっていつまでSEが続くのだろうと思っていたら、岸田さんがバリトンギターを持って、マイクに向かって歌い出して、ただただ驚くしか無かったのだけれど、森さんがカウントを取り直して、改めて曲が始まって、更に驚いた。「LV69」での岸田さんのバリトンギターと松本さんのギター、音の絡み具合を堪能。
 たて続けに「doraneco」でアルバム「感覚は道標」LPならB面の頭から2曲続いて、その流れに身体が痺れた。目の前のステージで起こって入りる事は、夢や幻でなんかで無いよなと、何度も自分に確認をする。
 それからステージの上にティッシュペーパーが用意されたと思ったら、岸田さん、佐藤さん、森さんがそれで「こより」を作って何が始まるのかと。アルバム「感覚は道標」の一曲目が岸田さんのくしゃみから始まる事を思い出して、合点がいく。誰かから、くしゃみが発されないと曲が始まらないという、前代未聞にも思える試みに新しさを感じたけれど、くしゃみを発されるのを待っているのは、少しもどかしくもあった。フロアの皆が今かと待っていると、森さんからくしゃみが発されて「感覚は道標」の一曲目を飾る「happy turn」。
 森さんがレコーディングに参加をされた、という事はどういう事なのか、という事をずっと考えていて、答えなど出る訳もないのに。今年の頭に拝見した拾得からこちら、こんな展開が待っているとは思ってもみなかった最中に居る様な気持ちでライブを拝見している。
 森さんのキックを踏む度に響く低音の倍音が良かった。

 「感覚は道標」の曲が殆ど演奏された前半「In Your Life」でドラマーがクリフさんに交代して、ドラマーとドラムセットが変わるとバンドの音も変わるなと思いながら、後半を拝見。

 ライブで暫く聴いて無かった様な気がしないでもない「The Veranda」から。果たして、何がどんな風に展開していくのか、期待に胸を膨らませていると、アルバム「天才の愛」次にナイロン弦のギターの唄「ナイロン」から「watituti」に続いて、そこで圧巻のソロ回し。それぞれかなりえげつないと思ったけれど、のっちさんのソロがソロ回しを全部持って行って、何か、言葉にならない凄い物を見た様な気がした。
 それから相変わらずギターのユニゾンというかハモリというかが素晴らしい「Morning Paper」から、久しぶりに拝聴する様な気がする「お祭りわっしょい」のリズムに持って行かれて、歌って踊るより他が見当たらず。から、このタイミングでこの曲が演奏されるとは全く思って無かった「すけべな女の子」のAメロの前半から後半にかけて疾走感が堪らないと思いながら、やはり踊る。
 意外な選曲は続いて「虹色の天使」、から心斎橋クラブクワトロの「つづら折りの宴」で岸田さんが弾き語っていた光景を思い出す「冬の亡霊」に続いて、松本さんのギターの音色が少しムーディーに響いた「益荒男さん」。
 続いて「琥珀色の街、上海蟹の朝」。ライブで周りの人達と同じ動きをするのが嫌な私でも、サビの部分でピースサインを作って蟹の爪を模して左右に腕を振ってしまう唄。途中の中国語のところも一緒に歌った。There is(always light)に続いて、まさかの「地下鉄」意外過ぎる選曲に度肝を抜かれていると、本編最後に演奏されたのは「HOW TO GO」だった。森さんが脱退した後の最初のシングルが演奏されたのを妙に勘繰りそうになったけれど、考えるのはやめた。思えばシングル「HOW TO GO」からの曲が全部演奏されたのも、何か意味があったのかも知れない、等々。

 そうして本編が終わって、アンコールも本編並みにボリュームがあった。森さんとクリフさんのツインドラム(待ってました)で「お化けのピーナッツ」のパーカッシブなリズム隊と「世界はこのまま変わらない」から「ロックンロール」に続く。

 違和感というよりも「ばらの花」や「ワンダーフォーゲル」の様な曲が演奏されなかった今回のライブは拾得で拝見したライブと同じく、くるりの分身(上手く言えませんが)が前半、後半ともに演奏をしている様にも思えて、不思議な感じがするライブだった様に思う。

 物事に「たら」「れば」は無いと言うけれど、くるりの「たら」「れば」を拝見出来た様な気もする。

 今日は無いのかなと思っていた物販の紹介が二度目のアンコールの前に森さんと共に行われて、森さん、佐藤さん、岸田さんの3人で「尼崎の魚」「東京」が演奏されて夢の様な時間が終わった。また、このラインナップで作った音源を聴きたいなと、ぼんやりと思った。

拝見しました。

 何だか、いつもと違う様なくるりを堪能出来た夜かと。
 楽しい夜をありがとうございました。また伺います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?