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今日は3月末なんだな

今日はSNSのXにて、3月末とのポストを見かけた。

フリーランスになってからは、年度末の切り替えを実感する場面があまりない。クライアントさんも、個人の方が多いから余計だろうか。

公務員時代、3月末日は大異動の日で、なんとも落ち着かなかった。

午前中は異動者がデスクやロッカーを掃除したり、パソコンの中身を整理したりして、慌ただしく過ごしている。残留者にもその雰囲気は伝わり、なんとなく気もそぞろであった。
異動者がスムーズに引っ越しの準備ができるよう、電話や窓口に残留者が積極的に出てあげる。それが習わしだった。

午後になると、異動者が課長の席の前に並び、残留者に向かって1人ずつあいさつ。明日からメンバーが異なることが信じられなくて、夢のような感覚で眺めていたのを思い出す。

終了時刻に差しかかると、グループのメンバーで荷物持ちをして、新しい配属先に送り出すのだ。

新しい職場でも活躍できるように、背中を押す意味があったのだろう。

私も初めて異動するときは、グループの4~5人がついてきてくれた。
多分、はなむけのつもりで来てくれたんだと思う。

通常、新採として配属されると2~3年で異動するのに、私は初めての職場に4年間在籍した。

叱咤激励されながら育ててくれた先輩方に連れられて、新しい職場にあいさつに行く。そのとき不安な気持ちと、先輩方に囲まれて誇らしい気持ちとが混在していた。

新しい職場までついてきてくれた先輩方に恥じぬよう、懸命に新しい仕事に取り組もうと初心に返っていたのを思い出す。

新しい職場に荷物を置かせてもらったら「明日からよろしくお願いいたします!」と軽いごあいさつ。

ドキドキしながら古巣に戻り、最後のあいさつをした。

最終日、異動者は定時であがる。

そんなしきたりが根づいていた。

在籍年数が長くなると担当の仕事も多く、3月末日までに引継ぎが終わっていないこともあった。

引継ぎマニュアルを作ったり、関係書類をファイリングしていたりしたけど、新しく引き継ぐ方は不安な面持ちをしている人が多い。

「分からないことがあったら、内線ください。」

そう言って、最終日は17時半に庁舎を出ることが多かった。

「17時半ってこんなに明るいんだ」

いつも残業で帰りが遅いため、日が沈んでいないのが新鮮だった。桜の香りがふんわり漂い、こんもりした桜が提灯のように明るかったのを鮮明に記憶している。

明日は、どんな1日になるのだろう。
そんな想像を巡らせ、配属中の出来事を走馬灯のように思い返しながら、家路に着いた。

***

私に異動はないけれど、明日は娘が学童へ行き始める。幼稚園から小学校にあがるのだ。

親として子どもの変化を見守るのは、別の緊張がある。実家から帰ってきた疲れと、緊張が入り交じり、なぜか私はお腹をくだしている(笑)

そんなママの姿をよそに、娘はこんな言葉を口にしている。

「学童に行ったら勉強したり、遊んだりするんだ」
「荷物を準備したいから、持ち物を教えて」

意気揚々と変化を楽しんでいる姿を見ると、頼もしく感じる。

願わくば、楽しい時間を過ごせるように。
自分の変化より、緊張が高まる4月がすぐそこまで来ている。

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