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「最後の晩餐」上演台本

最後の晩餐(初演2016)

あらすじ:地球最後の日、愛する人に会いに行くと、愛する人は浮気をしておりました。(三人芝居)


◆第二回演劇トーナメント30GP 優勝(2016)
◆本作品含めた三部作(他「交響曲第九番〜天国と地獄〜」「ストラーーイクッ!!」)にて、第十回ルナティック演劇祭 優勝 ・最優秀脚本賞・最優秀俳優賞(野村有志・緒方ちか・川添公二、3人同時受賞)・グレート義太夫賞受賞(2017)
◆関西演劇祭 優秀脚本賞 優秀演出賞 ベストアクト賞(川添公二) ベストアクトレス賞(一瀬尚代) (2019)

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                             最後の晩餐

                                                 作演出:野村有志


・登場人物
島田周平(45)…
島田アヤメ(39)…
多磨ノ川優(32)…

■舞台美術は無しの素舞台だが、脱ぎ捨てた服が散乱している。そして何故かビーチボールも転がっている。
 下手前に携帯電話が
■消えモノ…カレー×三皿
**********************

暗闇から絶叫に近い声が聞こえてくる

アヤメ 「踊りな!!!」

■音響:M1CI
■照明:センターサスが入り、そこでほぼ全裸で踊り狂っている男(多磨ノ川優※以下、優)が浮かび上がる。その後、全体に曲にあわせ様々な色でど派手に

その周りでボンテージで鞭を片手に持つ女(アヤメ)といつの間にか登場し、唖然と見守る男(周平)

周平 「何してんだ!!!!」

■照明:上記台詞と共に横幅2間半×奥行き2間ほどの長方形の部屋明かりにカットクロス。先ほどまで見えていたど派手な照明が妄想だったかのような現実への引き戻される【*部屋明かりの照明は物語の経過と共に夕暮れへと変化していく】
■音響:M1も同時に下手前に転がってる携帯から流れているようなボリュームに

三人 「…」
周平 「お、音楽を止めろ」

周平、床に落ちている携帯から流れる音楽を止める
■音響:M1CO

アヤメ「…アナタ…見てたの」
周平 「あぁ見てた…そして、今もだ」
アヤメ「…」
周平 「アヤメ、何をしてるんだ?」
アヤメ「…(アヤメ、鞭を振るう)」
周平 「何をしてるんだ!」
アヤメ「…終わりだから」
周平 「終わりだからなんだ」
アヤメ「…だから…地球が今日で終わりだから」
周平 「理由になってないだろう?」
アヤメ「なってないかしら」
周平 「ないだろう。なにしてるんだ?」
アヤメ「…見ての通り、調教よ」
周平 「何故調教をする?」
アヤメ「…終わりだから」
周平 「だからそれは理由として弱い、ピンとこない」
アヤメ「こないかしら」
周平 「こないだろう…いや確かに終わりだ、でもだからって調教する理由にはならない」
アヤメ「そうかしら」
周平 「そうだろう!…何でだ?」
アヤメ「なんでだと思う?」
周平 「判らないから聞いてる」
アヤメ「私も、そう」
周平 「そう、じゃない。そうじゃないだろう」
アヤメ「判らないの」
周平 「じゃあこれは迷宮入りだ」
アヤメ「そうね」
周平 「そうね、じゃない。そうねじゃないだろう」
アヤメ「でも、判らないから!!」

アヤメ鞭を強く振り地面に打ち付ける。それに優大きく反応し何故か周平の目の前に

周平   「…誰だぁ?!」
優  「…」
周平   「愛する妻とこんなことをしている、君は誰だぁ?!」

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