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Escape Osaka - Dark Zen

こんなことを言うと怒られそうですが、職業柄「謎解きのイベント」を体験してもどこか仕事のことが頭に残ってしまい、我を忘れて熱中できるということはあんまりありません。けれどこのEscape Osakaさんの『暗黒の座禅』は、直前にちょっと気がかかりなことがあったにも関わらず、部屋に閉じ込められた瞬間から出るまで、他のことなんて微塵も思い出せないぐらい楽しめて、終わった後は素直に拍手しか出ない素晴らしい公演だったので忘れないためにもここに記させていただきます。

こちらがPV。正直プレイ前に見たときは意味がわかりませんでした。暗黒の座禅を極めようとした僧侶が消えた謎を追うのです。リアル脱出ゲームを作る上で一番大切だと私が思っている「プレイヤーが動くモチベーション」が、理解が追いつかない程のぶっ飛び設定で語られて、大丈夫なのか?!と不安になりました。

さらに、当日施設がある場所に到着すると誰もいない。ちょっと早く着いちゃったかな…と思っていたら「ゴメンネー!オソクナッテ!」と笑顔の坊主頭のナイスガイ2名が自転車で颯爽と現れました。そこでもまた、大丈夫なのか!?と言う不安が。笑

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けれど、怪しげな和室に閉じ込められたその後は、すっとその設定が馴染んでくる程に素晴らしい謎とカラクリが用意されていて、終わる頃にはこの世界観が大好きになっているので見事なものでした。お二人の「人を楽しませたい!」という姿勢もすごく大好きになりました。

終わった後に話をすると、嬉しそうに「ここは先週足したんだよ」とか「今新しい部屋を作っているんだよ」という話をしてくださいました。ああ、彼等は本当に作るのが好きで、作ることを一番に考えていて、そのためのちょっとした無謀な挑戦も厭わないんだろうなあ、と思いました。何かを作る上で絶対に無くしちゃいけない気持ちがそこにはありました。

というわけで、これ以上は言葉で語っても伝わらないと思うので気になった方は行ってみていただけると良いかと思います。個人的には2名参加がちょっぴり値ははるけど、おすすめです。

もちろん、同業者としては負けてられないという気持ちも強いですから、ホテルに帰って速攻新しいルーム型の企画書を作りました。笑 謎解きの分野にも、まだまだ出会えていない素晴らしいクリエイターさんがいるんだなと思ったので、あまり会社の枠に囚われすぎずに色んな人と一緒にものづくりをしていきたいなと感じた、大阪の夜なのでした。


ありがとうございます。面白い体験を作ることに還元していきたいと思います。