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わたしの核心のバイブレーション


 あなたにとって、最も大切なことは何ですか?
 何に優先しても、大切にしたい、人生の大事は何でしょう?
 それについて、考えてみたことがありますか?

 「そんなこと考えたこともない」という人がおられるかもしれません。
 明確な回答を即答できる人もおられるかも知れません。

 家族でしょうか…、健康でしょうか…、仕事でしょうか…、平和でしょうか…。

 では、なぜ、それが大事なのでしょうか?
 それを手にすることで、感じたい、体験したい、味わいたい、その核心のエネルギーは何でしょうか…。

 あなたは、自分の人生の核心、自分が本当に欲しい、核心のバイブレーションに出会っていますか?


 
 メジャーリーグ、ドジャースで活躍する大谷翔平選手の通訳の方が、ギャンブル依存症でトラブルを起こしていることが、大きく話題になっています。
 一般に、依存症とは、日常生活に支障をきたしているのにも関わらず、アルコールや薬物などの特定の物質を止められない、あるいはギャンブル、買い物など、特定の行動を止められない状態をいいます。
 そこまでひどい状態ではなくても、私が日々に出会う患者さんの中には、過食嘔吐に苦しんでいたり、否定的な感情を手放せずに苦しんでいたり、感情をうまくコントロールできずに苦しんでいる方々が何人もおられます。
 わかっていても止めることができない、この負の連鎖に絡めとられていく苦しみ、悲しみ、絶望感、やるせなさを、「自分には関係ないこと…」と切り捨てられる人が、果たしてこの世にいるのでしょうか。

 肉体をもって、この世界に生きることは、この上なく素晴らしい体験ですが、一方で、様々な物理次元の制約の中で生きることは、なかなかに厳しい側面があります。
 私たちの多くは、過去に築いてきた心のクセに絡めとられ、エゴの欲求に絡めとられ、例えば、本当は大切に思っている身近な家族にすら、優しい言葉がかけられず、ないがしろにしたり、傷つけてしまったりするものです。

 自分自身の感情さえ自由にコントロールできない私たちは、程度の差はあるものの、多かれ少なかれ、この物理次元に絡めとられている依存症だと言えるのかもしれません。

 ところで、そもそも自立と依存とは、どのような状態の違いをいうのでしょうか。

 一般に、「自立」とは、他の援助を受けずに自分の力で身を立てることを言いますが、私たちは一人きりでは生きていけませんから、本質的には、誰もが何かに依って生存している、依存状態と言えるでしょう。この世に、真に自立して生きている人など、誰も居ないのです。

 そう、誰もが何かに依拠(依存)しながら生きているのです。
 つまり、「自立」と「依存」の違いは、ただ依存している対象が違うだけ…と捉えることができます。

 「自立」とは、自分をより調和や安定、歓びに向かわせる確かな考え方、生き方、習慣に依って存在している状態であり、
 「依存」とは、自分をより不調和や苦難、不幸に向かわせる不確かな考え方や生き方、習慣に依って存在している状態と考えるとわかりやすいです。

 そして、その依存対象を、より不調和を生むものから調和を生むものへ、不確かなものから確かなものへ、移行させていくプロセスを、人としての成長や進化として捉えていると言えるでしょう。
 自分を本当に幸せにしてくれる確かなものを明らかにして、それにつながっていくことが大切なのです。



 私たちは多くの場合、自分の心の羅針盤が、どこに向いているのか、そのようなことを考えることもなく、ただただ生活に追われ、エゴの欲求に翻弄され、あれよあれよという間に、人生を消費し、肉体を去っていくことになるのでしょう。

 この地球の物理次元は、宇宙の体験の場ですから、自立状態であろうと、依存状態であろうと、それぞれの経験は尊く、素晴らしいものです。
 どのような状況であれ、そこには貴重な経験と学びの要素がありますから、自分の状況を悲観する必要は全くありません。

 しかしもし、何かしら自分の人生に不全感を感じる…、何かしら自分の人生に違和感を感じる…、何かしら本当はやりたいことがあるような気がする…、そういう感覚をお持ちの場合は、是非一度立ち止まり、深呼吸をし、心の羅針盤を確認してみてください。


 一度しかないこの人生で、私が本当にやりたいこととは何でしょう。

 一度しかないこの人生で、私が本当に大切にしたいこととは何でしょう。

 自分の核心の歓び、核心の欲求、核心の振動数……

 その核心のバイブレーションを感じてみてください。

 その核心のバイブレーションを感じようとしてみてください。

 それはどんな振動ですか?どんな色ですか?どんな音ですか?

 その、いのち本源の脈動を、ありのままに生きてみたいと思いませんか?


 
 「それ」に出会えた人は幸いです。

 その人は、人生のどんな荒波をも超えていく、確かな羅針盤を得たと言えるでしょう。依存という重厚な束縛を脱出し、軽やかで確かな航海を進まれることになるでしょう。

 深奥からやってくる光りに促がされ、宇宙から注がれる光にエスコートされ、依存から自立へ、そして更なる大いなる意識へ、帰依されていくでしょう。

 もし今、嵐の中で羅針盤が乱れ、自分を見失っておられるのでしたら、私が本当にやりたいことは何だったのか、そこに焦点を当ててみてください。自分の核心のバイブレーションを感じようとしてみてください。

 そして、その振動、その色、その音を、素直に生きていくべく、勇気をもって行動されてみてください

 私の思いが定まり、覚悟が決まれば、必ず外側の環境が変化し始めます。
 現実は、私の用いているエネルギー状態で映し出されていますので、私のエネルギー状態が変われば、必ずどこからか光が射し込みはじめます。

 誰かの助け船かもしれません。何かの情報かも知れません。何かのインスピレーションかもしれません。偶然を装って、必ず応援の風が吹いてきます。
 その機会は必ず訪れます。それを見逃さないでください。

 苦しい時には、気分が良くなる音楽を聴いてみましょう。
 何にも考えないで過ごす、静かな時間を過ごしてみましょう。
 自分の羅針盤を調える「学ぶ」という意識を育んでいきましょう。

 一つひとつの機縁を、無駄にせず、大切にしていきましょう。

いまが、その時です。




文章:吉村 優男    
写真:tomoka.kiyo


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