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ジブリ鈴木プロデューサーに学ぶ「人を信じる」ということ

2013年オリエンタルラジオの中田敦彦こと、
オリラジあっちゃんが「仕事ハッケン伝」という番組にでた。


当時、宮崎駿監督の最新作であった
「風立ちぬ」の新聞広告のコピーを
鈴木プロデューサーに依頼されるというものだ。


あっちゃんの努力に裏打ちされた才能が
垣間見得るとても面白い番組だった。
↓ ↓

ジブリの仕事術
「オリラジ中田敦彦 × 鈴木敏夫」

最高のコピーでないと採用しない。

中途半端は許されない。

果たしてあっちゃんは、
ジブリを支える鈴木プロデューサーを
唸らせるコピーを作ることができるか。

終盤、
あっちゃんは渾身のコピーを100個作った。

「鈴木プロデューサーの中に答えがあるはずなんです」

あっちゃんは、鈴木プロデューサーの中にある
【理想のコピー】を削りだそうとする。

鈴木プロデューサーの言葉
鈴木プロデューサーの考え

「何が正解なのか...」

ついに、あっちゃんは100個のコピーの中から

【何気なく言った鈴木の言葉】
を使ったコピーを鈴木プロデューサーに見せる。

【正解は何なのか】

鈴木プロデューサーの中にある
正解のコピーは何だろう。

結果、自信作のコピーは
「あと1歩」だった。

そして、鈴木本人が「実は昨日僕も考えてね...」と出したコピーは

以前にあっちゃんが提案した言葉を使ったものだった。

中田
「これ、僕がまえに言った言葉ですね」

あっちゃんはずっと鈴木プロデューサーの中にある正解を削りだそうとしていた。

そして、最終的に選んだのは
【鈴木プロデューサーの言葉】を使ったコピーだった。

しかし、正解はあっちゃんの中にあった。

だが、あっちゃんはプロのコピーライターではない。

「でも、どれだけ考えても、100出したとしても100全部ダメってことありますよね...」

「その時はどうするんですか?」

鈴木

「それはない、絶対にひとつはある」

「どんな人でも必ずひとつはある」

「君の案はダメ、自分で考えます」

「そうしたら俺の負け」

鈴木プロデューサーは

「人を信じる」ひとだ。

あっちゃんの中から産み出された言葉たちが
宮崎駿監督の「風立ちぬ」のコピーとして
採用された。

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」では

鈴木プロデューサーの仕事場はいつも
「半径3メートル」の中に収まるという。

何か壁にぶち当たったときも、自分で考えるだけではなく、周囲の人間に解決策を求める。

問題があれば、それは他人を疑うよりはまず自分を疑うべきだと僕は思っています。他人を変えようとするのではなく、自分が変わることが大切だと思います。
 
そうであれば、現在の問題を外部の環境のせいにしたり、方法論のせいにしたりはどうもしっくりこない。それは自分の進め方が外部環境を変えたり、道具をうまく使いこなすにはいたっていないふがいなさを反省し、もっとうまくいく方法をとことん考えてみればいいと思います。

それは、宮崎駿監督も同じで
前後の文脈を知らせず

突然スタッフに「どう思うか」
「どっちがいいか」と

意見を求める。


こうして集めた数多くの意見をもとに
ジブリとしての1つの方向性を決めていく。

そこには
「たった1人の人間が考えることはたかが知れている」という、これまでのスタジオジブリを影で支え続けた強い信念がある。

人を信じる

私自身、
全く思いもしなかった所から
飲食店のプロデュースをすることになった。

どんな店にするのか、
どんなメニューにするのか

オーナーシェフと考えぬいた。

試作を重ね、

これはいい
これはダメだと

あらゆる人の意見を聞き
案を練った。

ある時、神が降りてきて(笑)
「これで行こう!」とピンときた。

無事にオープンを終え、
あまり宣伝をしていないにも関わらず
お客様も入っている。

あの「神」は何だったんだろうと今でも思う。

「これなら行ける!」
そう思ったのは、私1人の考えではない。

他人から教わったもの、他人の考え、
そのありとあらゆるものを咀嚼して
「これ」が出来上がった。

私の中の何人もの「他人」が
私の「これ」を作り上げたのだ。

あの時、他人を信じて良かった。
あの時、自分を信じて良かった。

他人を信じることは、
すなわち自分を信じることに繋がるのだ。

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