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オリエント急行殺人事件 7月26日

この文章をあなたが読んでいるということは!舞台「オリエント急行殺人事件」のネタバレ禁止が解けたということでしょう!(追記:出演者の方のツイートにネタバレ解禁と書いてあったので、千穐楽翌日にアップしています)

これを書いているのは公演翌日の11時です。

「オリエント急行殺人事件」といえばいうまでもなくアガサクリスティーの名作で、数年前に映画化?ドラマ化?されましたよね。私は小学3年生の時に小学校の図書館にあるアガサクリスティーは全部読んだのに、細部は覚えていても犯人は全く覚えてないんですなぜだよ私の何色でもない脳細胞。ちなみに「そして誰もいなくなった」は図書室になかったからまだ読んでないの。ある意味うらやましいでしょう。

舞台を見に行く前に原作を読みなおしたけれど、物語の始まりは大いに読み覚えがあって。でも読み進めるごとになくなる記憶~なぜなの~いつも主人公の名前だけ忘れるという初期不備が備わっている私の脳みそよ。

はいはい、前置きが長いね。ここからは何がネタバレになるか私にも判断が難しいし、悪いことは言わないから舞台を見に行くんだ早く!!!!!!ってくらい本当に良かった。

では始めるよ!ここからは人名等許されざる誤字以外は大目に見て訂正することをせず、なおかつ自己責任で読んでくださいな。


7月26日ソワレ 18時半会場 19時開演 @森ノ宮ピロティホール

座席はY列の真ん中あたり、ほぼ最後列って感じだから期待してなかったけど、直前に眼科に行ってコンタクトを新調した&ブルーベリーサプリメントのおかげか、ほぼ双眼鏡なしでいけました。というより登場人物が舞台上いっぱいにひろがってるシーンが多いから使うのがもったいなかった。

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暗転した会場に降り注ぐ一筋の光。スポットライトを一身に浴びてポアロが登場。原作の出だし(観光の予定だったけど電報がきてとんぼ返りになったいきさつ)を語って大幅に端折る。ポアロを演じるのは小西遼生さん。ポアロって小柄でおなかがポッコリ出てるちょっと滑稽さがただようイメージなんだけど、小西さんはスタイリッシュ!!!!!!!足長い!!!!ただ、ポワロだ!というのが無意識的に感じられるというか、「ポアロを演じている人」という感じは一切なかった。紛れもなくポアロ。あそこまでくるんと巻いた左右対称のお鬚が似合う日本人はいるだろうか。1億分の1の存在じゃないか!!!!!!

舞台中央にはオリエント急行の車両。窓も開け閉めできる作りで、左右上部には車輪を示しているとおぼしき装置。舞台装置最高か!!!

ポアロの語りが終わり、オリエント急行に次々と人々が乗り込むシーン。客席側から次々に登場人物が現れ、乗車していくというスタイル。

その後、オリエント急行が発車すると、その車両の舞台装置が上に引き上げられて客室や食堂車両が露に!!!!舞台は二階建てで、二階は客室が横並びに8つ並び、一階は食堂車両、左手端にはバーカウンターまで。

そこからまるでドラマのオープニングのように登場人物の紹介が始まって・・・何この演出!初めてのパターンで最高なんだけど??役名が舞台上に投影されると、決めポーズしたその人が登場するんだけど、その数秒だけでその人の人となりがびしばし伝わってきて好き。

あとはキャストの方の感想を書きます。

ポアロ:小西遼生さん あなたがポアロだ!気取った仕草がこんなにもしっくりきてしまう罪なお方。推理に沈むシーンが2回ほどあって、真っ暗闇の中に一筋の光がポアロに注がれるんですよね。その多くを語らない演出も素敵だったし、難しいことを話さなくても頭脳明晰さが伝わる理路整然さというか、最高。私の中のポアロ像は昔NHK教育の方で放送されてたお腹のたゆたゆしたコロンとしたポアロから、完全に小西さんのポアロに塗り替えられましたというか、ファイルを別にして保存?上書き?とにかく、もう舞台上の小西さんがポアロにしか見えない!!

ブーク:松村武さん ポアロがずかずかと捜査していく中、同じ空間にただ座ってるとかそういうシーンが多かったんだけども、そういう「ポアロのこと信頼してるからあーだこーだ言わずにそばにいるけど、ずっと振り回され続けちゃう」ポジション大好き侍。場面をほっと和らげるような存在。

ラチェット&アーバスノット大佐:田口トモロヲさん 田口さんはアーバスノット大佐の二役を兼ねていて、初め同じ人物だと気づかなかったくらい演じ分けられていました。ラチェットの時はねっとりとした嫌な男感をまき散らしていて、アーバスノット大佐の時は軍人らしい、きちんと線からはみ出さずに生きてきた感じで嫌悪感はみじんもない清潔感の塊。

ヘレン・ハバード:マルシアさん マルシアさん最高!!!今「ルパンの娘」で見てるマルシアさんとは全然違う。登場からずーーーっと、舞台上にいる限りずっと存在感をさく裂させていて、歌いながら去っていくシーンも圧巻。原作と違うキャラクター(お酒好き、とか、男の人口説いちゃうとか)だけれど、同じ癖の質というか、難しい役どころ(内心が複雑なキャラ)で、役の中でさらに演じている役なのに、そこが種明かしされるまでは単純そうな役に見えるというか、心の中に何もなくって思ったこと全部外に出て傍若無人に振る舞う勝手な人に見えちゃうというのが凄い。

グレタ・オルソン:宍戸美和公さん ドラマで何度もお見掛けしてます!!癖のあるというか、マルシアさんが「陽の癖」なら宍戸さんは「陰の癖」という感じ。見てるこちらは「笑っちゃいけないんだけど笑っちゃう」ような気持ちにさせられる。本人はいたって真面目なんだけど、それが滑稽に見えてしまう。という感じ。途中気持ちのキャパがオーバーして走り去ってしまうシーンがあるんだけど、それがもう本当に「キャパオーバーで全て無理になった人」のそれでした。オルソンさんのシーンだけ抜いたまとめ動画とかが欲しい、眠れない夜に見たい。多分夢見は悪そうだけど(ヤギの夢を見そう)

メアリー・デブナム:伊藤梨沙子さん 凛とした佇まいが素敵。百合の花みたい。すっと伸びた背筋のようにずっとまっすぐな瞳を貫いていて、安定感。

ヘクター・マックイーン:室龍太さん ジャニーズJrの方。あのねぇ・・・最高ですよ!!!!!!まずキャラデザがポスター撮影の時からだいぶ変わっていて、髪の毛は完全に金髪のオールバックで「好判断!!!」と叫びたい。原作ではそんなにキャラが濃くないイメージだったけど、登場してからずっと会場の心をわしづかみにしていたし、笑いをかっさらっていた。そう、オリエント急行殺人事件の一幕はほぼ喜劇です!二幕は一転してシリアスだから、見ている人もつらすぎず好バランスという感じ。室さんのキャスティングした人はセンスの塊だと思う。まず舞台上でバク転するし側転するし踊るしで、それが不自然じゃなく「マックイーンはこういう子なんだな」と思わせちゃうのがすごい。あとめちゃくちゃ関西弁で笑ってしまう。「ひどい訛りだね」と突っ込まれる場面があったけど「そうだけどこれ関西弁だぞ!!!!!」という気持ち。でもそこがいい。なまってる英語がなまってる日本語に変わったんだよね。神の采配か!!!!個人的には後半のシリアスなシーンの「すんまそん」で笑いが起きちゃうところとかがツボで、室さんが舞台上にいるだけで「お!面白い事がおきそうだぞ」と期待してしまう、完全に「心を持ってかれた」感じがありました。その人がいるだけで明るくなっちゃう天性の天真爛漫さ、プライスレス。オーマイプレシャス...

アンドレ二伯爵夫人:伊藤純奈さん 乃木坂46。アイドル枠とかそういうんじゃないです。じゅんなちゃんの演技、堂々としていて落ち着いていて、存在感とあふれる気品、場面に存在しているというだけでも目が引き寄せられるし、好き。ほかのお芝居も見てふり幅を体感したい。好き。原作と大きく変わった立ち位置で、原作には医者が登場するところを舞台ではカット。死体を検視するという役回りがアンドレニ伯爵夫人に任されて、ポアロの助手のような立ち位置に。あと夫も登場しなかった。高貴な身分の人の、生まれてこのかた一度も穢れたことがありません的な清らかさ、幾重にも慎ましさの膜で覆われ、心が秘められているような上品さを感じました、つまり好き。

ドラゴミロフ侯爵夫人:春風ひとみさん 威厳、気品、何かを背負って表に立ってきた人の迫力を言外に表現されていて、舞台全体の重心を下げているというか、軽い方にふれてしまいそうな雰囲気をどっしり落ち着かせていた印象。

ミシェル:田鍋謙一郎さん 車掌さん。もうナチュラルすぎて演技だと思えなかったし私の中で田鍋さんは一生ミシェルなんじゃなかろうか。コミカルすぎないコミカルさと、みんなから「使われる」ような立場でいて「オリエント急行を進行させる」役回りという存在感のバランスが絶妙でした。

できることなら!同じメンバーでの再演をどうぞよろしくお願いします!!

#オリエント急行殺人事件 #舞台 #観劇 #ポアロ



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山口絵美菜

1994.5.4生まれ 宮崎県出身 女流棋士 2017年京都大学文学部卒 エッセイ、観戦記(毎日新聞)、イベントレポート、書評。2019年前期桃山学院大学ビジネスデザイン学科講師。10月25日にカメラを買ってから毎日撮影&カメラ日記更新中!

ミュージカル初心者の語彙力が溶けた観劇録

4月に「ロミオ&ジュリエット」を見たことをきっかけに、あっという間にミュージカル沼にはまった私の観劇録です。擬音、感嘆多め。あくまでも己の記憶頼りの個人の感想です。好きなのは矢崎広さん。
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