スランプでも腐らないメンタル

スランプの経験はありますか?

指しても指しても勝てない。前勝てた人にも負ける。もうこんなのいやだよやめてやる・・・!将棋むいてないよ・・・!

となったことがある方は多いのではないでしょうか。私もあります。

今回はスランプの時期をどうやりすごすか(※乗り切る!よりこのくらいの脱力感で行きましょう)やり方とメンタルに重きを当てて書いていきます。

1、あれ?なんか勝てない

全てのスランプは一敗から始まります。将棋を指していて、あれ?なんか勝てないぞ?また負けた・・・また負けた・・・の繰り返しで、どんどん気持ちも暗くなり、「ひょっとして・・・スランプ?」と気づきます。

「わースランプだ!成長の証!勝てない痛みは成長痛だ!」とさっぱり割り切れればいいのですが、負けが続くと「もう強くなれないのかな」「一生勝てない気がする」「将棋の勉強方法間違ってたかな?」と不安になる人の方が多いでしょう。

2、スランプ真っ最中

負けが続くと、「次は勝てるかも」「次こそは」と熱くなって将棋を指し続けて、どんどん内容が悪くなり負けが続く悪循環がやってきます。これは「弱いから負ける」のではなく「精神が乱れているから」「感情的になっているから」負けています。一度気分転換にお散歩をしたりしてクールダウンしてみましょう。

将棋を指そうとしたときに感情的になってしまう。必要以上に「勝とうと思うこと」は、気合いとしては十分なのですが、指しているときには邪魔になります。早く勝とうとして焦ったりとか、大技狙いで相手に受け止められてしまうとか。そういう気持ちが長く続くようであれば、将棋を「指すこと」は一旦お休みして、詰将棋や次の一手などの「明確な答えがあるもの」もしくは棋譜並べといった「勝敗が絡まないもの」に取り組みましょう。

対局は「勝つことで気持ちよくなる」もので、裏を返せば「負けると苦しいもの」です。スランプの時期は対局から「将棋の楽しさ」をえるのが難しくなっているので、他のものから楽しさをえましょう。

ここで注意すべきは「選び方」。難しい詰将棋を選んでしまって「解けない・・・もうだめだ!」となったり、普段指さない戦法の棋譜を並べても手の意味が分からずに「手の意味が全然分からない!」となると、将棋が嫌になってきます。詰将棋は「手数が短くて確実に解けるもの」、棋譜並べは「好きな棋士の棋譜」もしくは「好きな戦型の棋譜」を選んでみましょう。

そうして、「あ、そろそろ対局したいな~」と自然に思えたら、「勝ちたいから指す」感情的な状態から「指したいから指す」気持ちに変わっているので、また対局に戻ってみましょう。なんだかまだ嫌だなぁと思ったら、詰将棋や棋譜並べに戻ります。大事なのは「無理強いしないこと」

将棋に勝っても勝てなくても、あなたのこれまで取り組んできたことがなくなるわけではありません。むしろ「経験値を稼いだ」分プラスです。スランプの時は自分を責める自分の声をどれだけシャットアウトできるか、自分から自分をどう守るかが大事になってきます。

3、スランプだけど指さなきゃいけない場合

2では「距離を置く」と書きましたが、スランプ真っ只中で大会に出なきゃいけなかったりすることはあると思います。

「距離なんて置けないよ!」という場合に、「スランプでも勝てる方法」を伝授できれば一番なのですが、スランプにも個人差があるので、ここでは「スランプの中でも頑張って指してみるメンタル」を書きます。

◎大会に行きたくない

スランプが重度だと、そもそも大会に行きたくありません。もし事前予約でない大会で、当日受付の大会なら休んでもいいでしょう。しかし団体戦だったり、受け付けて支払いも済ませていたり、休むことで大会の運営や他の人に迷惑をかける場合は、大会に出ましょう。出るべきです。

◎会場に行きたくない

どうせ勝てないから大会に行きたくない。会場にもいきたくない。そんなときは何か「お守り」を持っていくか、「負の約束」をするのがおすすめです。「お守り」は、ハンカチやぬいぐるみなど「自分が落ち着くもの」を持っていくということ。対局中につらくなったら握りしめられるものがおすすめです。

「負の約束」というのは、「負けた時にいいことが起こるようにする」ということ。例えば「もし一度も勝てなかったら、お疲れさまということで焼き肉を食べよう」とか「予選を落ちたらケーキでねぎらおう」。勝てばそれだけでうれしいものなので、「負けても自分にいいことが起こるようにする」ことで、「勝ち・負けのどちらに転んでも自分が幸せになるようにする」約束です。これはスランプの時でなくてもお勧めです。(負の約束というのは私が勝手に名付けました)

◎対局に臨む

スランプの時期はただでさえ「勝つこと」に気持ちが向いているので、大会の時はあらかじめ「勝つこと以外の目標」を考えてみましょう。勝敗に関わらず達成できること。例えば「序盤を互角で終える」とか「駒損をしないように気を付ける」など、将棋の内容に関することです。

それが達成できたらよし。スランプの時期であろうとなかろうと、勝ち負けは相手の強さにもよりますし、何より自分ひとりの力で決められるものではありません。それでも勝ち負けが気になってしまう時は「将棋が始まった時にはもう、勝敗は決まっている」という設定で指してみてください。

そもそも「勝ちたい」とか「負けるかも」と思っている時間は目の前の局面について考えられていません。その気持ちを追い出す訓練としても、、スランプを「逆用」してみましょう。

大会というものは負けない人のほうが少ないものです。優勝する人だって予選で負けてから勝ち上がってたりするし、一回戦の段階で半分の人が負けます。必ず負けます。負けることは怖くありません。大丈夫!

◎大会じゃないけど指さないと生きていけない

スランプだけど指したい。でも指せば指すほど自信を失い、自分を嫌いになってしまうあなたへ。

スランプ中もたくさん指したいタイプの場合は、「実験」だと割り切りましょう。将棋の「勝ち」「負け」は一喜一憂する対象ではなくて、実験の「一試行」。「これはうまくいく」「これはうまくいかない」というのを確かめているだけで、「自分はダメだ・・・」とか感情を差し挟む対象ではないのです。

冷静に勝った理由・負けた理由を見つけて、落ち込んだりすることなく次に行きましょう。

◎スランプを乗り越えたい時の応急処置

スランプはできるだけ早く終わりたい。そんなときに役立ちそうな勉強法を紹介します。

それは「自分の勝った棋譜を並べる」こと。盤と駒を使って、自分が勝った棋譜を並べます。過去の自分ではありますが、今見てみると「良い将棋だなぁ」「自分強いな!」と思えることが多いので、大会の前日などに並べてみることをお勧めします。

◎最後に

私にもスランプが訪れるメカニズムは分からないのですが、「心」「技」「体」のバランスが崩れているから来るのかなと思っています。勝ちにこだわりすぎる「心」の崩れ、戦型についての知識などが足りなくて「技」の崩れ、疲れがたまって頭が回らない「体」の崩れなど。

個人的には最後の「体」の理由が多いと思うので、スランプが来たら一旦休んでみるとか、将棋以外のものに触れてみるのがおすすめです。将棋が「ゲーム」というより「修行」「苦行」に寄っていき、負けている自分は価値がないと思うようになっていたら危険信号。

自分の身を削るように追い込めば、将棋の勉強時間も増えて一時的な「強くなる」状態を作れはしますが、心に無理強いしての状態は長続きしません。いつか将棋を嫌いになることさえあります。

勉強だったり、ダイエットだったり、将棋に限らず「何かを頑張る」ことには「うまくいかない」時期がつきものです。春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来るように、スランプは来ます。「私だけどんどんダメになってる」という考えはまず捨ててみましょう。みんな一緒。スランプのタイミングが違うだけ。

スランプの時の気持ちやスランプの時期を殴り書きでもいいので書き残しておくと、スランプから回復した後またスランプが来た時に参考資料になりますよ!!

みなさんの頑張りが実りますように!

#将棋 #スランプ #週一更新



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どうする?みたらす?
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山口絵美菜

1994.5.4生まれ 宮崎県出身 女流棋士 2017年京都大学文学部卒 エッセイ、観戦記(毎日新聞)、イベントレポート、書評。2019年前期桃山学院大学ビジネスデザイン学科講師。10月25日にカメラを買ってから毎日撮影&カメラ日記更新中!

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