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お金がかかるのはこどもの養育費だけではない〜親が要介護状態になって初めてわかったこと〜

昨年の11月末に自宅で母が倒れ、救急病院に搬送されました。異変に気付いたのが早かったこともあり、一命をとりとめました。が、しかし…。


緊急事態発生

その日は特に至急の案件もなく、ほぼ定時で仕事を上がった私は、午後7時前には帰宅して自室で寛いでいました。1時間ほどして、兄が風呂から上がってくると、母の異変に気が付きました。いつもだったら夕食の支度を始めている時間帯なのに起き上がってこなかったためです。
その時の母は視線が定まらず、呂律が回らない状態だったので、多少兄は憔悴していましたが、それでも、私に「救急車を呼んでくれ」と指示を出し、私は指示に従って救急車を呼びました。

救急病院ヘ

自宅に救急車が来てから、すぐに母を救急病院に搬送しました。数年前に心臓の手術をしたかかりつけの病院があったのですが、救急救命に長けた病院に連れて行くほうが良いと兄が判断したのです(結果的にこの判断が母を救うことになりました)。
救急病院では、すぐに母の検査を始め、どのような処置を施すかを決めていきます。一刻の猶予もない状態の中、母が脳梗塞を発症、脳血管の詰まった箇所を取り除く処置をすることになりました。
手術を行うにあたり、色々な書面(その時は放心状態だったので良く覚えていない)を記載しました。その後、母は手術室に入り、私達兄弟は誰もいない真っ暗な中で手術が終わるのを待ちました。
救急病院への搬送から3時間近くが経過し、漸く手術が終了。手術の担当医から「手術は無事成功しました」と告げられると、私達は安堵しました。その後、詳細な説明を受けてからタクシーで自宅に帰った時には日付が変わっていました。

救急病院からリハビリ専門病院への転院

昨晩帰宅した後、精神的に疲れてしまったのか、朝までグッスリと眠ってしまいました。一晩明けて改めて救急病院に行き、母の容態と今後の予定を確認しました。
救急病院は文字通り「救急」のための病院なので、長く滞在することはできません。次に行く先(リハビリ専門病院)を早急に決め、転院しなければなりません。私達は病院の担当者に転院先の候補をいくつかピックアップしてもらい、空きができ次第転院することにしました。
入院から2週間が経過し、転院先が見つかりました。退院手続きを取るとともに入院費の精算をします。私の母は後期高齢者医療制度の対象(75歳以上)なので、1か月あたりの限度額が57,600円(多数回該当のときは44,400円)となり、それだけ払えば済むものだと思っていました。ところが、精算金額は2週間の入院で13万円近くに登りました。月を跨いでいなければ、保険適用分が57,600円で済んだため、精算金額が8万円程度で収まったと思います。今回は入院が11月の末だったため、11月(3日間)で57,600円、12月で改めて医療費だけで53,000円請求されました。なお、残りの費用は入院時食事療養費でした。

リハビリ病院の3ヶ月間

救急病院を退院し、これからリハビリを頑張り、晴れて帰宅…と行ったら万々歳ですが、思い通りには行かないものです。実は、脳梗塞の手術は成功していましたが、脳の血流が止まっていた時間があったことで後遺症があったのです。リハビリ病院への転院時に、母は「もっと良くなりたいで〜す」とリハビリ病院の主治医には言ったものの、リハビリ自体はなかなか進まなかったようです。特に、問題となったのが「トイレ」でした。一人でトイレに行くことができない母は、病院スタッフに「トイレ行きたい」と声をかけ、行ったすぐ後でまた行きたいと言い出す始末でした。
また、脳にダメージがあったことで、言語関連のリハビリも思うように行きません。
1ヶ月に1度、私達家族と主治医との間で面談を重ねてきましたが、3ヶ月目には「出てってください」と言わんばかりのことを言われ、慌てて次を探すことになりました。
このリハビリに入院している間に介護保険を申請し、私達の住んでいる市の診査担当者が病院に来て診査してくれました(結果的に介護度4の判定でした)。
それと、次に行く施設もたまたま部屋に空きができたとのことで、運良く次の施設に移る準備ができました。
こうして、3ヶ月間過ごしたリハビリ病院を退院して、私達の住む市内の介護老人保健施設(老健)に移りました。
リハビリ病院での1ヶ月の入院費は約15万円でした。やはり保険適用分は上限の57,600円でしたが、入院時食事療養費が54,000円、パジャマのレンタルやおむつ代(保険適用外)が37,000円と意外と高額になりました。

介護老人保健施設(老健)

3月中旬に現在の介護老人保健施設(老健)に移りました。私達の住む市内にあるので行きやすいのかというと、実はそうでもありません。施設の最寄りのバス停を通る便が1時間に2本しかないのです。神奈川県の東部なのにちょっと驚きました。介護老人保健施設はリハビリ病院とは異なり、リハビリに積極的ではありませんが、介護スタッフと利用者との間のコミュニケーションに力を入れているようで、多少、認知症気味のところはあるものの、会話は概ね通じるし、病院暮らしだった頃よりも感情は穏やかになった気がします。私達兄弟もこの施設に来て良かったと思っています。
先日、入所月の請求書が郵送されてきました。3月は18日間の利用で約96,000円でした。1ヶ月まるまるだと、17万円くらいになると思われます。さすがに毎月この金額が飛んで行くとなるとかなりツラいです。ある程度蓄えがあり、それを切り崩している状態なので、できればもう少し利用料が安ければ良いのにと思います。

今後について

まだ、今後のことは決めていませんが、おそらく介護老人保健施設を退所して、特別養護老人ホーム(特養)に入ることになると思います。やはり、現在の健康状態では、自宅に帰宅し、デイサービスを利用するのは難しいと思います。最大の理由は、自分の足で歩けない(老健では車椅子が必需品)ためです。ただ、特養は老健よりも費用がかかるイメージがあるため、家計への負担が心配です。
とはいうものの、今日も母に会ってきて、元気な姿を見られたのでひと安心でした。
何れ来る時のために、私達兄弟は悔いのないように母と接していきたいと思っております。

最後まで拙文にお付き合いくださりありがとうございます。m(_ _)m

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