【今月のトークテーマ】集めにくい情報は育てそうな人に種を植え付ける

今月のトークテーマは、「情報の収集方法とゲームの購入基準」。今、PCの右下にある日付を見たところ7月31日。1年が12カ月で、各月が30日前後という今の暦の原型は古代ローマのヌマ・ポンピリウスやユリウス・カエサルによって作られたそう。つまり、今ギリギリで期限に間に合いそうなのはローマのおかげ。そういえば俺、昔っからユリウス・カエサルのこと好きだったわー。もちろんそれ以上にヌマ・パンピ……ピン……!? ヌマちゃんのこと好きだったわー。そんなこんなでローマに感謝しつつ、今回のテーマについて語っていきましょう。

※こちらはマガジン用に書いたもので、形だけ有料になっていますが全部無料で読めます(設定を間違えてなければ)。

インディのリリースは玉石混淆過ぎる!

既にマガジンのメンバーがいろいろな情報収集方法について触れていて、自分が興味を持った、もしくは結果として興味を持つに至ったタイトルをどうやって調べているかが書かれています。ですが、自分の場合はお仕事的な都合で興味を持ったタイトルよりも、興味の有無関係なく特定のインディゲームの情報を探すケースが多いんです。

とはいえ、最初に情報の収集源となるのは興味を持って調べた場合と同様に、PS StoreやSteamなどに掲載されたメーカー公式のリリーステキスト。ただ、このテキストのクオリティはとくにインディゲームでは千差万別です。その例をいくつかのタイトルで見ていきましょう。まずはてっけんさんイチオシの『LA-MULANA 2』から。

こちらは文章量が多く、そこそこに情報が詰まっている例。前作の主人公は登場するのか!? 裏ラ・ムラーナ遺跡とはどんな難易度なのか!? ファンならワクワクする内容が盛り込まれているのでしょう。ただ、ここで自分が情報としてインプットするのは事実だけ。

●遺跡を舞台にしたメトロイドヴァニアである
●遺跡内に点在する石碑をヒントにする謎解きがある
●トラップがあり、その側にはトラップの存在を示すヒントがある
●敵がいて、個々の敵にも最初は苦戦するゲーム性
●ボスがいる
●前作の主人公の娘が本作の主人公

この辺りが明確な事実でしょう。そこに加えて、追加で情報が欲しくなったら

●前作との関連性を調べる
●前作の主人公の名前を調べる
●ガーディアンとボスは同じ存在なのかを調べる

といった情報の付けたしをあとでするといった具合です。まあ、これはいい方。続いて『Neon Drive』のページを見ていきましょう。

ふむ、避けるゲームか。8つのレベル(ステージもしくは難易度)があるのか……わかんねえよ! なにひとつわかんねぇよ! 素敵な都市やオーシャンロードで景観の紹介をしてると思ったら、なんでいきなり爆発している宇宙船が出てくるんだよ! しかもレトロ未来ってなんだよ。そこは、レトロフューチャーでいいんだよ!

と、ほとんど情報が出てこないうえに機械翻訳でわずかな情報さえ混沌に飲み込んでいるものもあります。自分たちの作った世界観や雰囲気にほれ込んでポエムだけを垂れ流す開発者は、一時間置きにお腹が痛いけれど出そうとしても出ない呪いにかかれ! 

えっ、国産のタイトルと海外産のタイトルを比較するのは不公平? それなら『Dandara』のページでも見ますか。

こちらでは崩壊しかけた世界が舞台とか、重力を操り、床や壁を飛び回るゲームといった情報は出てきます。個人的にはもう少しSaltについて深掘りしてほしいところですが、まあ問題なし。

そんなこんなで最初の足掛かりを見つけるんですよ。このとき大きな障害になるのは”メーカーからの情報をそのまま掲載しています”とか逃げ道を作って同じ文章を掲載するメディアと、個々のタイトルで検索したときに引っかかるようにだけしておいて中身がいっさいないメディア。とりあえずどっちも方針を決めた人間は、30分置きにお腹が痛くないけど勝手に出る呪いにかかればいいと思います。

ちなみに、この公式の情報はゲーム内容を知ったうえで見るとおもしろいものもチラホラ。とくに海外産のインディで気に入っているものがあるなら、覗いてみるのもありかと思います。

戦闘はタイミングが合うと大ダメージか。ふーん。

人は間違いをするけれど、動画はウソをつかない

と、公式の文字情報を仕入れたあとに探すのは動画。トレーラーにはじまりPV、実況プレイ、見つかれば片っ端から見ます。上記のような文字から情報が得られないタイトルの場合、動画がキモ。もし動画がなければ『Neon Drive』がリズムアクションと覚えゲーの中間くらいのゲーム性を持つタイトルだとは一生気づかなかったでしょう。レトロ未来だし。

とくに実況プレイは、ゲーム映像に加えて、実況者による補足解説や感想も詰まっているため時間に対して手に入る情報量の面で非常に優秀です。ただ、仕事のために実況プレイを見る場合は、主観や勘違いが入り込んでいることがあるので配信者がしゃべる内容は無視していますね。一方で動画自体はよほどのことがない限りウソがないので、動画を見て既存のゲームの知識と照らし合わせてどういったタイトルなのかを把握しています。そこに加えて、あまりに情報やゲームを構成する要素が少ないタイトルの場合は具体例を動画から仕入れることも。例えば、文字情報で「トラップを駆使した戦略性の高い~」とあったら、具体的なトラップ名や効果を動画から仕入れるといった感じですね。こういった具体例をパーツとしていくつか用意しておくと、あとでお仕事にするときに役に立つんです。主に文字数的な意味で。

情報を増やしそうな人に種を植え付けて収穫する

自分が必要に応じて行っている情報収集は、基本的にはこの2工程でなんとかなります。ですが、ときおり情報源がそもそも少なく、集めるのが難しいものも。発売前のタイトルなんかはその最たる例ですね。そんなときに実践しているのがそのタイトルに興味を持ちそうな人に勧めること。ダークな世界観の洋ゲーならこの人、高難易度をうたうチャレンジャブルなアクションならあの人、困惑で始まり低評価で終わりそうなタイトルならするめ(以下)マンといった具合ですね。これは言わば種まきの段階。しばらく経ったら収穫を試みます。

「あのゲームどうだった?」と軽く話しかけて、もしもプレイしていたならできる限り情報を収集。自分にゲームを勧めた張本人から聞かれれば、邪険にしづらいでしょう。これも情報を収穫するための作戦のうちです。また、当人がプレイしていなくても勧めた相手がまた別のコミュニティにそのタイトルを広めてくれて、結果としてプレイ経験に基づいた濃密な情報が大豊作ということも! 身近な人に対してどんなゲームが刺さるかを知っておくと、量、質ともに優れたゲームの情報が手に入ることがありますよ。

仕事で調べて趣味で買う

上で触れたとおり、自分は仕事に紐づいてインディゲームの調べものをすることが多いのですが実際に購入したタイトルはほんの数本。ただ、この数本はすべて一度仕事で情報を集めたタイトルばかりです。ここまで書いてきたとおり自分は煽り文は無視して事実だけをまとめて、実況動画はときにミュートを混ぜつつウソが混じりうる実況者のしゃべりは排除して、と淡々と情報を集めることが多いのですがそれでも心魅かれるタイトルがたまに見つかるんです。そんなインディゲームに出会ったときは迷わず購入していますね。

これ、とてもとても好き。

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