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高校生に「今が一番楽しい」変人たちをつないで、むずむずさせるキャリアのプロジェクト〜近未来ハイスクール


近未来ハイスクールは変人と高校生をつなぐキャリアのプログラムです。変人と高校生をつないで、出る杭を育てます。変人とは変わり続ける人、変化を起こす人、変革を起こす人、そして多くは学び続ける人です。結果的に、他とは一線を画すエッジのたったプロフェッショナルたちなのです。

2017年3月からスタートし、公開イベント・学校の授業あわせて40回開催。のべ250名の変人が登場し、2000名の生徒が参加しました。日本経済新聞の18歳プラス面や毎日新聞、山口新聞、北海道新聞にもとりあげられています。

それでは実際、近未来ハイスクールにはどんな変人がいるのか。

プチ変人図鑑

例えば、イグノーベル賞にはまったサイエンスコミュニケーターがいます。北海道大学 古澤輝由さんは授賞式まで行っています。NHKでイグノーベル賞の解説をすることもあります。近未来ハイスクールcafe(動画)で、かつて賞金だった10兆ジンバブエドルを見せてくれました。受賞したわけではなく、アフリカに行った時に購入したそうです。

日本の女性初のCFO 新井佐恵子さんも変人の一人です(動画)。20年前にスタートアップ企業を上場させ、数々の大企業の監査をてがけ、現在は数社の取締役や監査役をつとめるとともに白鵬大学の特任教授として会計を教えています。佐恵子さんは商業高校で簿記が苦手という生徒たちに「財務諸表は会社の健康状態がわかるのよ」と話します。

世界に通用するクリエイティブを提供するデザイン会社の社長もいます。グランド・デザイン 代表の西克徳さんです。東京、上海、香港に拠点を置き、日本の大手企業のアジア進出時のブランディングをてがけます。西さんが近未来ハイスクールに登場すると「人と違うことが価値になる」と話します。

地域医療貢献のために開かれた病院をつくりたいという志のある医師もいます。進谷憲亮さんです。医学部を卒業して数年間、多摩総合医療センターに勤め、昨年医療ボランティアでカンボジアに1年行きました。いろいろな医療の現場をみるためです。

カンボジアを中心に貧しい国の子供たちに映画を届ける活動をしている人もいます。NPOワールド・シアター・プロジェクト 代表の教来石小織さんです。貧しい国の子供たちに将来の夢を聞くと「医者」か「先生」と答えます。それ以外の仕事の大人と出会う機会がないからです。映画が多様な仕事の存在を教えてくれたという体験を持つ教来石さんは、こどもたちの将来の可能性を広げるため、映画を見る機会を作るのです。

これらは近未来ハイスクールの変人の氷山の一角です。まだまだいます。

限られた大人との接点

教来石さんが話していた「子供が仕事を知らない」という状況、貧しい国の子供たちだけではありません。むかしは親戚のおじさん、近所のおばさんと話す機会が結構ありました。いまの日本のこどもたちは、保護者と先生以外の大人と話す機会がほとんどありません。

さらに高校生は忙しい。部活や文化祭の準備で、学校以外のイベントや活動にふらっと顔をだす時間がほとんどありません。実際、近未来ハイスクールが公開イベントで高校生を集めるのは、なかなか難儀です。

将来を本気で決める時期に入る高校生が、よくわからないまま大学にいったり就職したりするのは、本人にとって幸せなことではありません。ミスマッチをおこす可能性が高くなります。だから変人をつないで、いろいろな大人の仕事や働き方、生き方をみてもらうのです。

近未来ハイスクールにはこんな変人がやってきます。
・やたらポジティブ
・圧倒的に明るい
・ものすごく好奇心旺盛
・ネットワークが広い
・真摯な野心がある

辛い試練がきたら、どのように乗り越えるかということに燃えます。今が一番楽しいと豪語します。いろいろなコミュニティに顔を出し、豊富な人脈を持ちます。そして一番やりたいことが、進谷さんのように「開かれた病院をつくりたい」という社会課題の解決なのです。

変人と会う効用

変人たちは口が達者です。話がとても面白い。だから近未来ハイスクールは「あー楽しかったね」で終わりそうなものなのですが、実はそうではありません。未来に向かうための行動をうながすきっかけにもなっています。

アンケートに男子はよく「学校の勉強は大事なんだと思った」「英語の勉強をしっかりやろうと思う」と書きます。どうやら変人たちの「英語を話せるとモテる」もしくは「収入が倍になる」がキラーワードになっているようです。一方女子は、将来なんとなく不安だったけど「今が一番楽しいと言えるのが素敵」と、働くこと、生きることに希望を持つようになる傾向があります。

オブザーバーで参加した保護者は「安定した仕事を、と思っていたけれども、挑戦してほしいと思った」とコメントしています。先生は「授業で見たことがない、いい顔をしている。少し嫉妬しますが、もっとこういう機会を増やしたいと思います」とコメントを残しています。

そして、変人は「自分が高校生の時に参加したかった、というか今日も参加者として、あっちのテーブルの話が聞きたかった」と感想をもらします。好奇心旺盛ですからね。

変人に会うと、多様な人を受け入れられるようになることもメリットです。そうすると「自分の個性」も受け入れられます。自分の「好きなこと」を大事に思うようになるのです。

視野を広げるために

若い世代の視野を広げ、自ら動きたくなるような機会をつくるにはどのようにしたらよいのか。

高校生は、ちょっとでも興味があったら外で開催されているイベントに顔をだしてみることを勧めます。学校生活や部活だけが自分の世界ではないからです。

先生は、教員を対象にしたイベントや勉強会だけでなく、異業種の人が集まる企画に顔を出すことを勧めます。ネットワークを広げる貴重な機会になります。学校現場と企業の差も実感できるかもしれません。近未来ハイスクールに興味を持ってくださる先生は、大概が「出る杭」な先生です。どんどん外に出て、多様な世界を自分で見て、情報発信しています。そして、外と子供をつなぐコネクターの役割を強化していっています。

保護者は、自分たちが就職したころの安定・安心を子供たちに押し付けないことが大切です。先生同様、どんどん外に出て、ママ友以外の人たち、自分の会社以外の人との接点を増やし、自分自身の世界を広げる。結果的に、子供の視野を広げることにつながるのです。

外を見ると思った以上に世の中は「高校生をはじめ、若い世代に優しい」ことに気づきます。若い世代の役立ちたいと思っています。

近未来ハイスクールは、そのような、なかなか外との接点を持てない高校生と、子どもと接点の少ない社会の第一線で活躍する大人をつなげます。外部のネットワークがあまりない学校と企業をつなぎます。

せっかくつなぐなら自分たちが面白いほうがいい。そこで、エッジのたったゆかいな変人たちに来てもらうのです。自分(大人)が面白いと思う人であれば、高校生たちにとっても面白く、自分でも思わず何かしたくなるような刺激を与えてくれるからです。

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5月18日に東京経済大学「キャリア・デザインフォーラム 2019」で小林が話した内容を抜粋して、まとめました。自分で。

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