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ネタバレでさらに面白い図書館の映画

「ニューヨーク公立図書館 エクス・リブリス」は、中身を事前に知っているほうが面白い映画だった。たとえば、『未来をつくる図書館』(岩波新書)を読んでから、映画を観るといったように。

というのも、たまたま、神保町ブックセンターに入ったら『未来をつくる図書館』を見つけ、本の帯で映画を上映していることを知り、そのまま隣の岩波ホールで観るという感じが良かったので。

ニューヨークには人文社会科学を扱うニューヨーク公立図書館本館をはじめ、舞台芸術図書館、展示・録音本図書館など特徴的な図書館がある。起業セミナー、移民者に必要な情報の提供、子供の教育支援、障害者にむけたサービスなどが展開されている。映画では、図書館で行われているそれらの活動のシーンをつなげていく。映像に対する説明は最小限にとどめているため、本を読んでおくと各シーンの背景がわかり、より興味深い。

エルビス・コステロのトークセッションの様子が映し出される。図書館の幹部が予算や企画について対話する会議の場面が挿入される。市民に必要な図書館は何か。例えば電子書籍の貸し出しが300%増だが、紙の本とどうバランスをとるか。ベストセラーを増やすか、研究資料をそろえるか。

日本では行政主導で、本や新聞を静かに読む場所というイメージが強い図書館。ニューヨーク公立図書館はNPOが運営しており、積極的に行政や政治家にアピールし、資金を集めてくる。市民と対話し、新たな仕組みを積極的に取り入れたり、改善したりする。

支援することでステイタスを感じるような仕掛けをつくり、広報活動を積極的に行なっていく。ドレスアップして参加するディナーパーティを企画したり、有名作家やアーティストのトークショーを開催するのもそのためだ。図書館の前には二頭の(三越にあるような)ライオン像が鎮座する。イベントにあわせて時々飾られる。クリスマスに太いリースが首輪のようにかけられた様子はとても可愛いらしい(個人的に結構ツボ)。

映画終了後、映画館で売っていたグッズを見て「こんなグッズを近未来ハイスクールでも作りたいな、いやいや他にもっと参考になる部分がたくさんあったでしょう」とつっこみを入れながらポーチを購入した。

⬛︎ニューヨーク公立図書館 エクス・リブリス 公式サイト http://moviola.jp/nypl/

⬛︎近未来ハイスクール  https://www.kinmirai.co


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