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株式会社ゲームエイトの社長を交代しました

昨日(2022/6/30)付けで、創業から8年続けていた社長を退任し、取締役COOの沢村俊介さんにバトンタッチします。
今後私は、会長職・Gunosyグループの担当取締役としてゲームエイトの経営をサポートしていく立場となります。

たくさんの仲間と共に時間をかけて作り上げてきた思い入れのある会社ですので、社長を引き継ぐことはとても勇気のいることでした。新社長である沢村さんと1年前から話し合いを重ねゲームエイトの進化フェーズを見据えて準備することができたため安心して今日を迎えることができました。

今回の決断の経緯や今後について、ゲームエイト創業者兼社長である(あった)西尾のnoteとして残したいと思います。

背景

今回の決断の背景には、ゲームエイト社・Gunosyグループそれぞれのフェーズの変化があります。

ゲームエイト社のフェーズの変化

ゲームエイトは2014年に創業し、攻略情報を提供するメディアとしてソーシャルゲーム市場の波に乗って今まで成長してきました。今では国内のメディアだけではなく、海外進出やゲーム会社様に向けたソリューションといった形で事業を複数展開するに至っています。

中期経営計画説明資料[2021/07/13開示] p28

創業社長として経営を行い8年が過ぎ、今では

  • ソーシャルゲームが成熟市場となる中での既存事業運営

  • 海外拠点を含めた250名を超す規模の組織マネジメント

  • 社会的な影響力の上昇に合わせたガバナンス強化

  • 非連続成長のための組織ケーパビリティのない領域での新規事業の挑戦

など、経営に求められる要件が多岐にわたるフェーズへと変化してきました。

この激動の変化の中で、更に次の未来に向けた会社の持続的な発展のために経営チームはどう在るべきなのかを数年前からずっと考え続けてきました。

Gunosyグループのフェーズの変化

ゲームエイトは2015年12月にGunosyグループ入りするご縁を頂いて以降、順調に業績を伸ばしていくことができ、今ではグループの業績を牽引する立場に。

そのGunosy社には、持分法適用関連会社となっているインドのフィンテックユニコーン企業のSliceなども存在し、創業事業であるニュースメディア会社から、投資事業やゲームエイト含め複数の事業ポートフォリオを持つ会社へと変化しています。

中期経営計画説明資料[2021/07/13開示] p8

今後は東証プライム上場企業として、投資という強みも持ちつつ、事業を直接生み出す会社としてのアイデンティティをしっかり持ちながら、グループで成長のため事業ポートフォリオのマネジメントをしていくことが求められます。

これらを推進していくためにはグループに属する企業の経営チームへの大きな機会提供、責任と権限の在り方や、事業の手触り感を正しく理解しながら、理論としても正しいグループ経営機能を構築していくことが必要です。

私はスタートアップの創業者で且つM&A経由でグループJoinし、その後買収側の取締役を務めているというバックグラウンドから、この様なバランス感覚が求められる今後の意思決定にコミットする上で、価値ある貢献ができるだろうと考えています。

今回の決断はゲームエイトにとってもGunosyグループ全体にとっても、さらなるシナジー効果を実現し、グループ全体の価値を高めることにつながる確信しています

沢村新社長について

沢村さんにはCOOとして2018年に入社頂きました。
当時のゲームエイトは、創業の経緯上、アルバイト入社から活躍頂いていたメンバーが多く出世し、リーダーとなり事業をグロースしている時期でした。

過去のnoteに創業からの経緯が書かれています。
※ タイトルにある非ゲーム領域事業は現在縮小しておりますが価値観は別の形で生きております。

2017〜2018年頃といえば、人数が50名を超えたあたり。数年後の成長を考慮すると100名、200名に耐えうる組織を作らねばならず、この課題を一緒にクリアできる外部のプロフェッショナルな方を多数お招きしてプロパーメンバーとの文化を融合させていかねばならないフェーズだと考えていました。

まずその頭となる、COOポジションの採用として、10名ほどの候補者とお会いさせていただきました。 みなさん、経験豊富な素晴らしい方で、その中でも一番私との相性がよく、一緒にうまく乗り越えられそうだなと思ったのが沢村さんでした。

大きな時価総額で有名な会社・メガベンチャーなど、沢村さんはいずれも社長直下で修行されおり、すごく経営に関してwillが強く且つとても勉強家で視座が高い、頼りになるお兄さん的な印象でした。

そんな彼は、当然ながら採用競合がとても多かった。採用確率を0.1%でも上げるためならと考え、気持ち悪がられるギリギリまで攻めようと決め、2週間で7回お会いし、最後は自宅近くまで押しかけ、手紙(流石に手書きはやめた)も渡し熱意を伝えました。

最終的には、上場企業役員というポジションのオファーも存在した中で弊社を選んでくださったことは、私の自信にも繋がりました。

COO入社後

上記で紹介した過去のnoteにあるとおり、当社はアルバイト出身で活躍するプロパースタッフが多い特殊な会社カルチャーです。それ故に最初は苦労があったものの、その壁を超えキャッチアップいただいたあとは、

  • 人事・評価制度の再構築

  • 経営企画機能の整備

  • 事業部門運営の型化

  • 全社 to 事業部門の戦略接続

などなど。
多岐に渡る経営の仕組みづくりと、この先のフェーズで必要になる組織機能の拡充を同時に推進いただきました。
そのかいもあって、よく言われる「ベンチャー100人の壁」といったような成長の足かせとなるクリティカルな問題は発生しなかったと記憶しています。

事業推進についても、創業者である私に複雑に紐付いていたラインを構造的に整理し引き継いだ上で、部門運営は、その後ご入社頂いた幹部職の方に権限移譲していきました。
最終的には、ほぼ全ての事業部門からコーポレートまで を管掌頂き、さらに新規事業領域の絵についても大部分を彼が書くに至りました。

経営は社長一人で完璧を目指すのではなく、経営チームで役割分担して足りないロールを補っていくものだと考えています。とはいいつつ沢村さんの場合は一般的な社長がやるべきロールの大部分までも担っていただいた認識です。
そのため今回の社長交代は、実態に近い形へのシフトであるとも考えています。

西尾と沢村さんのツーショット

沢村さんと私は性格も趣味も全然違い、唯一の接点であるゲームですらプレイするタイトルが一切被らないほど。
一方で、思考プロセスやhowの違いはあれど根底の価値部分はとても近い方でもあります。4年間一緒に経営を行い、様々な議論を行い意思決定していく中でそう感じました。

そのため今回の体制変更によって会社の今後の方向性が180度変わるようなことはないと思っています。
一方で、今後は沢村新CEOが直接発信する機会が多くなり、これまで彼を中心として推し進めてきたことの発信が進み、等身大でのゲームエイトらしさをより多くの人に知っていただけるでしょう。
私がこれまで会社経営の中で一貫して意識してきたのは、「関わってくれた皆さんに誠実に報いる」ということです。
その中でも特に事業を通じて機会をつくってお渡しすることをとても大切にしています。

現在当社のミッションは創業時に掲げた「ゲームをもっと楽しく」ですが、今後はより方向性をクリアにしていくために「機会を作る」ことを軸足にしたものへと、どこかのタイミングでアップデート予定です。
今回の体制変更を機に、ミッションの刷新とともに大きなチャレンジを計画しています。その実現のためにも、ダイナミックな変化を歓迎できる組織であってほしいと思います。

西尾の今後について

ゲームエイト会長職 / 創業者として

ボードメンバーとして、経営に責任を持つ立場であることは変わりません。

一般論として創業者からの引き継ぎは容易ではないと思っています。大事なリーダーシップを発揮しなければいけないシーンで、私が居たほうがサポートできることと、居ないほうがやりやすいことのバランスを沢村新CEOと一緒に考えながら適切な形を作っていくような動きができればと思っています。

上記のスタンスを崩さない前提で、必要に応じて引き続き採用や会社カルチャー醸成、注力新規事業の立ち上げなどに貢献します。

Gunosy取締役として

担当取締役として、引き続きゲームエイト社・Smarprise社(2019年ゲームエイトが株式を100%取得)の成長に責任を持ちながら、グループ全体で成長していく体制をつくる事に寄与していきます。

その中でも、具体的な役割は大きく分けて2つあります。

1つめはグループで保有するアセットを活用しながら、既存・新規問わず事業機会の創出を行うこと。箱に拘りはなく、ゲームエイト含めたグループ会社の中でやることもありますし、新規で会社をつくる場合もあります。これは機会の大きさや、そのストーリーで是々非々で判断してきめます。大枠の構想は既にいくつかあるのですが、長くなるので別の機会で語れたらと思います。

2つめは再現性のある事業グループ会社の体制をつくること。ゲームエイトは近年のM&Aにおいて多くはない成功事例の一つだと認識しています。
一般的に買収後のPMIはプロセスの中で難易度が高く、私と同じように買収によるExitを経験された経営者の友人やステークホルダーの方々からも、とても苦労している・された会社が多々あると言う話を耳にします。

私の場合、2015年のM&Aによるグループ入り後は自分から積極的に経営陣とコミュニケーションして買収側の情報を理解したり、大局を感じる機会を得ながら多角的な視点に基づく経営が結果的にできていたことでPMIのハードルを超えられる結果につながったと考えています。

これは偶然にも私がGunosyの創業者・当時の経営陣や木村会長と元からの深い接点があったからこそできた事かもしれません。 
ゲームエイト社はもちろん、今後M&AなどでGunosyグループにご一緒いただく会社のためにも、誰かの属人性に頼らず経営・グループ間コミュニケーションができるようなプロトコルを整理することで、持続可能な経営体制づくりに強くコミットします。

わたしのやりたいこと

関わってくれた仲間たちみんなを幸せにしたいです。ゲームエイトが成長することでGunosyグループに貢献でき、グループが成長することでまたゲームエイトに単独では得られない機会を提供するといった好循環サイクルを提供することでそれを実現します。

最後に

創業から今まで応援してくださった皆様、退職して新天地で活躍する方々、そして今一緒に働いている仲間たちに感謝とお礼を申し上げます。

新体制のゲームエイトにも引き続き皆様のご声援をお願い致します。

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📝
ここ数年はコロナ渦&第一子、第二子の出産等とプライベートの予定が重なり(第二子は偶然にも体制変更があった昨日生まれました、、!)しばらく人とお会いすることができておりませんでした。

沢山お誘い頂いたにも関わらず、お断りすることになってしまった方々申し訳ありません…

秋ごろからは、身動きが取りやすくなってきますので、たくさんの方々とお会いして勉強したいと思います。 お茶やご飯、経営者系のイベントなどお誘い頂けると大変嬉しいです🔥


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