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齢26歳、「もう」と見るか「まだ」と見るか

2020年9月17日、こうしてまた一つ、私は年を重ねる。

昔は、誕生日が来ることが楽しみだった。誕生日プレゼントがもらえるし「誕生日」というだけで、その日だけはほとんどのわがままが通るからである。

しかし、今は「楽しみ」という感情が先行しない。あるのは「不安」だ。

25歳から26歳になるまでのこの1年間で私は一体、何をこの脳に、頭に、体に蓄積してこれただろうかと考えてしまう。この1年間で行ってきたこと、考えてきたこと、それによって得られたこと、感じたこと、そしてそれをもとに、自分自身以外にどう還元できたのだろうかということをあれこれと思いつくままに思い起こしてしまう。

そして、最後にこう思うのである。

「今の自分の年齢は社会的には”もう”と思うような年齢なのか、はたまた”まだ”と思うことができる年齢なのか」と。

こういうような話をするときに大抵思うことは、幼少期の頃に想像していた20代前半、20代後半の「自分」になることが果たしてできているのだろうかということである。

幼少期に自分自身の20代について考えるきっかけは私には2回あった。それは、兄の成人したタイミングの7歳と、姉の成人したタイミングである13歳である。

7歳の頃には、毎日毎日楽しく遊び、お腹いっぱいにご飯を食べることだけを考えていたものだから、7歳の頃の私の20代の将来像というものは、「自分で稼いだお金で、美味しいものをたくさん食べて、楽しいことをたくさんしている」というものであった。そんなもんだから、将来の夢なんてあるはずもない。強いていうならば、当時好きだった女の子と結婚したいということだったであろうか。

2回目の13歳の時は、小学校6年生から中学1年生に上がるというタイミングだったため、少しは大人びていた思考を持っていた。将来の夢を「小学校の教員」、「(なれたら)サッカーのゴールキーパー」と多少は明確に定めていた(ゴールキーパーにいたっては”なれたら”と言ってる時点でなれるわけもないが)。そして、20代の将来像とは、仕事に関しては、小学校の先生かサッカーのゴールキーパーという考えを持っており、プライベートに関しては、家族と仲良く過ごし、今関わっている友達と楽しく遊んでいるというような楽観的なものであった。

そんな純粋なことを考えていた頃から数年後。実際に26歳になってみてどうだろうか。思い描いていた将来像通りの自分自身でいることができているだろうか。

それが何一つかすっていないのだ。「何一つも」だ。

大学院生として研究をする傍らで児童一時保護所の職員として働いているのが現状である。あの時描いていた夢とはどこにいったのだろうか。

将来の夢ということに関連して、少しだけ有名な話がある。日本において、小学生や中学生に「将来の夢はなんですか?」と問うと、大抵の場合は自分がなりたい職業の名称を答えるのだという。それに対して、アメリカやヨーロッパの小中学生に対して同じ質問を投げかけると大抵の場合は「世界平和」や「戦争がなくなること」というように世界規模の話を返答としてするのだという。

このことはただ単に、文化の違いという短絡的な言葉で片づけられるものなのだろうか。何がこの違いをもたらすのだろうか。

話は逸れたが、このことから何が言いたかったかというと、「夢とはものすごく大きなところに持ってもいいものである」ということである。よく、「夢は叶えるものである」と言われるが、実際にはそうなのかもしれないが、実現が不可能かもしれないというラインの夢を抱いてもいいじゃないか、と思うわけである。

7歳と13歳の頃に抱いていた夢は20代で実現可能にすることができる可能性が高いものだと思っているが、今、抱いている夢、「世界から子どもの貧困をなくし全世界の子どもたちが明るい未来を見ることができること」を実現可能にするためには、20代では到底実現できるものではないのである。もちろん、たとえ、100歳生きることができたとしても今抱いている夢を実現させることは難しい。そう考えると、7歳、13歳の頃の20代は「もう20代」という見方になったのかもしれない。しかし、今の自分が抱いている夢から考えると、「まだ20代」という見方になるのかもしれない(世間一般的に社会的にはどういう位置付けなのかは知らないが)。今抱いている夢の規模的には20代では夢への一歩を踏み出すかどうかという位置付けだと私自身は思っている。

しかし、現実的には、そう甘い考えを持っていてはなかなか前に進むことができない。少し自分を焦らすためにも、あと4年で30歳だぞ、世間一般的にはそろそろ結婚していても何らおかしくない年齢なんだぞ、というように日常的に忠告をしないといけないと、この記事を書きながらも思っているところである。

あなたは、どんな将来の夢を持っているだろうか。それは昔から変わらないものなのか。私と同じように年齢に応じて変わってきたものか。それを達成するに足るような資質・能力が自分には備わっているだろうか。少し考えてみるときっと面白いはずだ。

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