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2024欧州滞在記 Day 14

金曜日。朝7時半頃、ヨルゴスさんの車でシャトルバス乗り場まで送っていただく。彼は明日から日本に行く。彼らと日本との縁がこれからさらに深まっていったらいいなと思う。もちろんわたしもまたキプロスに戻ってきたい。
 
ラルナカ空港では、搭乗ゲートで「あなたビザはあるの? ちょっと待って確認するから」と一瞬止められる。東欧は実は初めてなので少し緊張するものの、無事に通過。空港はパスポートチェックも電子化されているし、航空会社ウィズエアーはチケットもスマホでかざす形式だけど、空港内で見かけるいろんな人たちの所作は、なんとなく人間くさいというか、おろおろしているというか、わたし自身も含めてそうなのかもしれないけど、人間らしさを感じる場面が何度かあった。
 
空から、キプロス北東部の細長い半島が見える。やがて、おそらくトルコの山岳地帯の美しい湖も。ウィズエアーは機内食の無料サービスはなく、お金を払ってコーヒーやカップヌードルを買うLCCシステム。こういう時は必ず誰かがカップヌードルを食べていて、その匂いに食欲をそそられる。誘惑に勝つのはかなり難しいけど、なんとか耐える。
 

ブダペスト空港に到着。直行便が高かったから、ラルナカ(キプロス)からブダペスト(ハンガリー)に向かい、そこからバスでウィーン(オーストリア)に向かう作戦なのだった。今回orangcosongは旅行代理店を開けるんじゃないかというくらいの複雑な旅程を組んでいる。お金が潤沢にあればこんなこと考えなくていいんだろうけど……。もちろん、ほんの少しでもハンガリーの雰囲気に触れたいというポジティブな気持ちもある。バス乗り場を探すために空港内で計3人に尋ねてみたところ、みなさん親切でちょっとはにかみながら英語で答えてくれる。驚いたのは通貨がハンガリーフォリントだったことで、てっきりユーロだと思い込んでいたから、「え、コーヒーが1000ユーロ?」と一瞬目が丸くなる。アプリWiseを使って、10ユーロほどを4000ハンガリーフォリントにさくっと両替し、缶ビールとサンドイッチを購入。

もうひとつ驚いたのは、ブダペストの寒さだった。寒いといっても北半球の今の時期はこんなもんなのかな……。なんせキプロスにはもう夏が来ていた。バスを待つあいだに少し身体が冷える。


さっき飛行機から見た景色は一面緑で、あー、ヨーロッパに来たな、と思ったけど、高速道路を走っていても一面緑だ。他には黄色い麦畑を少し見たのと、無数の風力発電機。ドナウ川を見たのはもしかして初めてかな……。


バスを降りたところで、今朝からウィーン入りしていた実里さんと合流。うん、ランデヴーうまくいきましたね。彼女はすでにだいぶ歩いて名所観光などしていたらしい。わたしが観光にほとんど興味ないのを知ってるから先に済ませたんだろう。ホステルでシャワーを浴びたところで、あっもうすぐ20時か、もしかしてスーパーマーケット閉まるのでは……と思い立ち、急いでSPARに駆け込む。営業時間を確認すると、やっぱり日曜日はほとんど閉まってるみたい。
 
「今日は観光してる時に目がふたつしかないのが大変に感じた、いつもリサーチ旅の時は目がよっつだったから」と実里さん。初めての土地や文化圏だと不安もあるし新鮮にも映る。わたしは7年ぶりのドイツ語圏で、今のところ新鮮さより懐かしさのほうが勝っている。
 
中央駅付近のレストランを物色してみたものの、一軒だけまだ開いてたトルコ系八百屋スーパーを発見。結局そこでパスタとトマトとパクチーとオイルサーディンを購入して、ホステルで調理することに。ちょうどパスタが茹で上がったタイミングで、ウィーン在住のアーティスト・松根充和さんが来てくださったので、一緒にご飯を食べながらいろいろお話する。本格的な取材は日曜にするから、今日は近況とか、我々のお悩み相談とかで、あっという間に時間が過ぎていく。 

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