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2021年私的連載終了漫画四選

始まりがあれば終わりもある。

世界各所で言われる当たり前すぎる言葉だけれども、自分の好きなものに当てはめてみると寂しい以上の感想を言うのが中々難しいのが終わりであり別れだろう。

というわけで今回は2021年連載終了した私の好きな漫画を紹介します。            興味を持っていただけたら幸いです。

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亜人 (全17巻)

アニメ化、実写映画化もされ結構有名なはずなのだが内容について語られる事が意外と少ない…気がする漫画。

コミックス2巻の段階で原作と作画の2人での作品から作画の桜井画門先生が1人で両方を担当する形式に変わってしまったというのは結構珍しい話だと思うのだが、これもまた内容には特に関係ない(1巻から2巻以降で作風がすごく変わったというわけでもないと思う)。

死んでも生き返るという亜人の特性を活かした戦い方は読んでて面白いポイントの一つだが、実践するのが大体敵のボスなので敵視点のパートの方が観てて面白かったりする。

結構序盤からIBM というジョジョのスタンドみたいなのが出てくるのだがそれ同士で戦う展開はあんまりなく、映画のランボーとかダイ・ハードみたいな肉弾戦の後に爆発みたいな泥臭い戦いが多い。

最終巻の巻末コメントで「自分はアクション映画の様な漫画しか描けない」的な事が書かれていて妙に納得した覚えがある。

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なれの果ての僕ら 全8巻

前作の骨が腐るまでが結構好きだったので第一話から結構楽しみに読んでいた作品。

閉鎖空間の中で生殺与奪権を握られてゲームに参加させられるいわゆるデスゲーム系に属する漫画になるのだろうが、ミステリー色が割とあってそっち方面の楽しみ方もできる1粒で2度美味しい漫画でもある。

バキのスペック対花山薫の警察官的な感じで登場人物達の事件が終わったあとに事件について語る姿が同時進行で描かれるので、ああこいつは生き残るのか とか あいつまだ出てきてないな… みたいな時間軸を元にした読み方ができるのもミステリ色の一因かもしれない。

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プラチナエンド 全14巻

デスノート、バクマンなどの有名作を生み出した小畑健・大場つぐみ先生のタッグによる作品…なのだけれどもこれまたあんまり話題になる事が少ない気もする作品。

ジャンプではなくジャンプSQ.に連載されていたというのも原因かもしれないが、先の2作と比べても見劣りしないくらい面白かっただけにアニメ化している今のタイミングで多くの人に読んで欲しい漫画でもある。

内容は天使に選ばれた人間が次の神になるために戦うサバイバルゲーム!みたいな感じで始まる、類似する作品の名前を出すなら未来日記みたいな感じなのだが、この漫画の面白い所はそれが急に終わる後半の展開にあると思う。

始まってからしばらくは天使にもらった相手を殺したり戦闘不能にするアイテムをいかに上手く使うか…みたいなバトルが続くのだが、敵のボス的な存在のキャラが退場した後の後半から展開どころか作風が一変したと言ってもいいくらい読み味の違う漫画になる。

それまで殺し合いをしていたキャラが数巻かけて「次の神には誰がなるべきか」「そもそも神とはどのような存在なのか」「この戦いを終わらせるのは正しい事なのか」みたいな話を延々しだすので絵面的には割とシュールなのだが、内容はとても面白い。

特に神とはどのような存在なのかという話は哲学的な要素をかなり含むので、漫画の中の話だから…と割り切れないほど読んでいる側の人間にとって身近故に興味深い話だな思いながら読めると思う。

最終話が結構ぶっ飛んだ終わり方をしたのだがその一つ前の話が結構物語としては綺麗な終わり方だったので、描きたいのは最終話の終わりだけど大勢の読者向けなのはラスト2話の終わりの方…みたいな考えで描いたのかなと勝手に思っている。

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進撃の巨人 全34巻

語りたい事があまりにも多い。        そんな漫画である。

もし明日外でテレビに取材されて、今年最大のニュースは何ですか?と聞かれたら間違いなく進撃の巨人の連載終了ですと答えるくらいには自分にとってはこの漫画の終わりは大きな出来事だった人生の節目と言ってもいいかもしれない。

どんな漫画なのかを説明するのは中々難しいが、友人などにこの漫画を紹介する時によく言う文言がある。

読者である自分たちの生きているこの世界とは別にこの漫画の中にはもう一つ世界があってそこでは人々が確かに生きていて、その息遣いが聞こえてくる…みたいな漫画がこの作品だ。

概ね …? みたいな顔をされるけれども数行でまとめるならこんな感じにしか説明しようがない。誰のどのエピソードや出来事を話せばこの漫画を説明した事になるのかが自分には分からない。 全ての話、全てのページがこの漫画の説明には必要なのだ。

これだけ書いても何の説明にもなってないのは申し訳ないのだけれどもこれだけは言わせて欲しい。

この漫画は間違いなく漫画史に残る漫画だ。

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