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過去問 公認心理師試験第6回 午前 一般問題 問92

みなさん、こんにちは。

公認心理師受験生Kidです。

さて、掲題の通り、問92です。

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問92
B. F. Skinnerの行動理論に基づく介入で、ポイントを貯めることで行動を強化する技法として、適切なものを1つ選べ。
① 三項随伴性
② チェイニング
③ フェイディング
④ レスポンスコスト
⑤ トークンエコノミー

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正解、 ⑤です。

精神障害患者の施設や学校の教室など、比較的小規模の集団において、代用貨幣であるトークンを流通させることによって、望ましい行動の形成や維持を試みる行動療法の技法の一つがトークンエコノミー法です。

トークン経済(エコノミー)が機能する基本原理は、オペラント条件づけの強化・弱化といった行動増減の原理に基づいています。

患者や児童が望ましい行動を取ることで、ポーカーチップなど有形な条件強化子であるトークンが提供されます(反応が先にあって、強化を行うのでオペラント条件づけですね)。

トークンは一定の価格で、さまざまなバックアップ強化子(お菓子や嗜好品などの特定の物品、外出やテレビ視聴などの特定の活動)との交換が可能になります。

ケンカやカンニングなど望ましくない行動がとられた場合には、トークンが没収されることもあるわけですが、このトークンを没収する手続きのことを「レスポンスコスト」と呼びます。

レスポンスコストは、問題行動への対価を支払うという点で単独で用いられている場合もありますが(例えば、スピード違反したら減点されるなど)、トークンエコノミーと併用されることが多い技法の一つになります。

1970年代に矯正施設、病院、学校などにおいて盛んに活用されましたが、参加者の自発的な同意に基づかない点など、参加者の権利に関する倫理的な問題の指摘もあり、次第に用いられることは少なくなっています。

ただし、特定の対象に対して(発達障害が多いかな?)、望ましい行動を取ったときに何かしらの報酬が与えられ、それを集めると何かが出来上がる(シールを集めて、それが集まると一つの絵になる。その絵が本人の好きなキャラクターである、など)といったやり方については、一般的に活用されることが多いという印象があります。

以上を踏まえれば、本問の「ポイントを貯めることで行動を強化する技法」はトークンエコノミーであり、レスポンスコストはそれと対となる技法であると言えますね。

よって、選択肢⑤が適切と判断できます。

引用URL:https://public-psychologist.systems/04-学習及び言語/公認心理師%E3%80%802023-92/

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