子供の頃、「コーラは骨を溶かすから飲んじゃダメ！1円玉だってコーラで溶けるんだよ！」
なんて言われた事ありませんか？

僕は母親か祖母かは忘れましたがそう言われており、決してコーラを飲む事はありませんでした。

小学校に通い始めて、友達のお誕生日会に招待されたとき。ジュースにコーラが出てきました。僕は自分が飲まないのは当然として、友達全員に
「骨が溶けるからコーラなんて飲んじゃダメだよ！１円玉だって溶かすんだから！」と得意げに言いました。

へ〜、そうなんだ。じゃ〜実験してみよう！という事になり、コーラが注がれたコップに１円玉を1枚入れ、その友達の家でその日から実験が始まりました。

1週間、1ヶ月経っても全く溶ける気配はありません。
友人の家に遊びに行く度にそれを見せられるのですが、僕は自分の家族が間違っていた、僕に嘘を教えたなんて考える事も出来なかったので、その都度「絶対溶けるんだって！まだ時間がかかるんだよ」と反論しておりました。

蒸発しても注ぎ足していき、遂には実験開始から1年近く経とうとしました。1円玉は全く溶けません。僕も友達もお互い引けなくなっていたところで、その友達のお母さんが「う〜ん、よく観たら少し溶けてるかもね〜」と言いながら、一円玉を取り出し、1年間注がれ続けたコーラを捨て、コップを洗ってくれました。

その時の気持ちは、今でも鮮明に思い出せます。

親の発言は子供の健康を願い、子供の健康を想っての事だったとは思います。しかし、子供が何故それをしたらいけないのか？（この場合は何故飲んじゃいけないのか？）の理由に、誠実に答えなければいけません。

たとえそれが難しい理論があって、説明しても子供がきっと理解出来ない事であっても、僕は説明してあげる事が大切だと思います。

「骨が溶けるから飲んじゃ駄目」
凄くインパクトありますし、シンプルで解りやすい。
実際に、実験の件があるまでは僕は一切コーラを飲みませんでした。

しかし、それが間違っていると分かった時、大人への不信が生まれた瞬間でもありました。

小学校に入る時に、「ごめん！コーラが〜ってのは嘘でした！あなたが糖分を摂り過ぎて病気になってしまわないように嘘を教えていました。これからは友達の家でコーラを飲む機会も出てくると思うから、あまり飲み過ぎない様にね！」みたいな事を言ってくれたら、それでも良かったのかもしれませんが…。
ただ、親も本気でコーラが骨を溶かすと信じ込んでいたら仕方ないかな。

今はインターネットもあるので、そういった情報はすぐに調べる事が出来ます。あやしい話や自分にとって都合の良い話は一度検索をかけるクセをつけたいですね。

7月に中高生に講義をする事になり。ま〜、中高生は流石に半分は大人と変わらないのですが、そんな事を考えながら何を話そうか考える土曜日の午前中でした。