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「青い池」で静かな時間を過ごす

 北海道の白銀温泉にある「青い池」。長い道を看板に従って進むと駐車場が見えてくる。そこから少し歩いて、青色に出会う。今までに見たことのない青さと神秘的な空間。十勝岳の防災工事の際、堰堤にたまった水にアルミニウムの微粒子を含んでいたことからこの景色を創り出したという。
 立ち枯れたカラマツと、木々の緑、時折青空が広がると、その青さは更に幻想的な世界に誘うのだ。2014年にテレビで放送されてから、多くの観光客が押し寄せるようになったと言われているが、そっとしておきたい、そんなとっておきの場所だ。
 今までは、新しい観光地が見つかると、こぞってみんなが集まり、大型バスが押し寄せ、全員がカメラマンとなって、写真を撮り、SNSにあげる。あっという間に拡散して、そのクチコミを見て、また多くの人が訪れることになる。
 次々と打ち出されるデスティネーションキャンペーンに動かされ、捨てられる観光地も多くある。常に話題性や新しさを求められて、回り続ける観光地。いいものはいつでもいいはずだし、感動はいつもある。もっと、自分の目で感動を見つけられたら、観光のカタチは変わるだろう。心で「青い池」を見ながら、ホンモノの普遍性を感じた。

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