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父からの教え

今の若い世代の人たちに、これからどんな未来が待っているんだろう。

スポーツ選手とか、芸能人とか、医者とか弁護士とか、わかりやすい職業に就きたい!って思う人は少なくなっているような気がする。やりたいことや目指すものは特になくて、公務員になりたいとか、定時で帰れる仕事や休みをきちんと取れる仕事につきたいとか、そう考える人が多くなってきているイメージがある。あくまでも私の考えだけど。社会全体として働くことに対しての考えが大きく変わってきているのは事実なんじゃないかな。

少し前までの学歴社会というのからも、変わってきてはいる。いい大学に行けばいい就職先が見つかるという時代が終わり、大学卒業したからと言って必ず就職できるとは限らない時代になった。でもだからといって、高校に行かずに、大学に行かずに、他の道を選ぶ人が増えたのかと言ったらそうではない。やはり学歴というものに縛られているのがこの日本という国なのではないかと思う。

そんななかでふと自分のことを考える。私は、こんな高校に行けとか、大学はこうしろとか、就職先はこんなところがいいとか、親に全く言われたことがない。成績のことで文句言われたこともない。高校は海外研修のあるここに行きたいと勝手に決めて言った時も、国立大学を受験することを決めたときも、落ちて私立大学に進学することになったときも、大学にもう1年残る方法で留学すると決めたときも、今の職業を選んだときも、京都を離れると決めたことも、全ての機会において自分がしたいようにすればいいと、自分の人生なんだからと、何でも了承して応援してくれた。本当に恵まれている。厳しく叱られるようなこともなく、縛られることもなく、本当に自由にさせてもらった。あんまり私に興味なかったのか?ってちょっと思うくらい。そうではないのだけれど。それなりに自分で自分のことに責任をもつっていうことを学んだと思っている。

そんな環境のなかで、私の父はピンポイントでこれだけは許さないってことがあったようだ。その都度、私に教えてくれた。逆にこれだけしか教わっていないとも言える。これから紹介するたった5つのことは、大人になった今も私の行動指針として身についている。躾とか教育とか言うほどの大きなことではないけれど、人として大事なことを教えてくれていたんだなって大人になった今、感謝している。

米は一粒も残さず食べること

私は好き嫌いがとても多い。嫌いなものを残すことに関してはそれほど注意されたことはなかった。でも、米粒を残すことにはとても厳しかった。食べようと思っても食べられないのは仕方ないけれど、なんとなく適当に食事をして残すのは許されなかった。食べられるものをすべてきちんといただくということが大事だということだ。

食事をするときは髪に気をつけること

髪が長いのにそのまま食事をして、食べ物に触れそうになることが多かった子ども時代。一緒に食事をするときに髪を結ばないと厳しく言われた。今はわざわざ髪を結ぶことまでしないけれど、髪には細心の注意を払っている。自分も周りの人も、不快になるようなことをしてはいけないということだ。

靴のかかとは踏まないこと

見た目がとにかくだらしないし、何より歩くのにとても危ない。
若い子たちを見ていると、かかとを踏んでいる子は生活面でもだらしなかったり危なっかしかったりすることが多い気がする。靴を大事にできる子は、きちんとしていることが多い気がする。きちんとしている人で靴の扱いが粗末な人はいない。脚下照顧。自分の足元をよく見なさいということだ。

横断歩道はサッと渡ること

歩行者優先で車が待つのは、当然。でも、歩行者がゆっくりダラダラ歩いていたら、運転者はイライラする。だから歩行者は、駆け足でとまでは言わないけど、少し急いでいる素振りを見せたり軽く頭を下げたりしようとする気持ちが大事。そうしたら、お互い気持ちがよくいられるやろ。と。どんな立場でも驕らず、相手のことを考えられる人でいなさいということだ。

ケンカ別れをしないこと

父は仕事で車を運転することが多いから、特に朝のことを言っていた。ケンカ別れをしてイライラしたままの運転は事故に繋がる。それは自分だけじゃなくて他人も巻き込むことになってしまうし、命をも落としかねないから。でもこれは運転のことだけじゃないと思う。どんな人ともケンカしたまま別れることはしたくない。それが最後になっても後悔しないようにいろということだ。

たぶん父は、それぞれの最後に書いたようなことまで考えて言っていたんじゃないと思う。ただ自分が大事にしていること、許せないことを私に伝えていただけだ。でもそこには大事な意味があった。それに気がつけるような大人に育ててくれて、ありがとう。

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