見出し画像

新卒入社して27年経ったので、後ろを振り返ってみた《キャリア論》

大学を卒業して新卒で会社に入った年、今からもう27年前にもなるか。

あの頃、当たり前だが年上ばかりだった。先輩たちは熟練しているように見えたし、自分には何も無いように思えた。

でも、先輩には在り、私には無いものとは何だったのか。その在るものを裏で勉強して学んでしまえば、先輩たちは追い越せるだろう、と簡単に思っていた。

目の前の先輩たちはそこまで高いハードルではなかった。それこそ、新卒の1年で手が届きそうなぐらい成長できたが、むしろ周りの先輩たちが成長していなかっただけだ。そう思ったのは、あるグローバル外資企業にパートナー社員として常駐するようになってからだ(いわゆるSESである)。

当時は就職氷河期の入口だったし、今でも正面からその外資企業に入社するのも難しいから、新人の時期でパートナー企業であっても潜り込めたのは、私にとって至極ラッキーだった、とわかるのはもっと先の話である。当時は、とても下請け感もあったし、教育もほとんどない状況でいきなり放り込まれて困惑はしていた。

しかし、そこにはとても優秀な人たちがいた。さすがにその外資企業の社員はたくさんのことを知っていたし、質問してもロジカルにスマートに教えてくれた。私の基礎は新卒入社した会社からではなく、その現場で色々と教わったことから成り立っている。しかも、当時としてはITが発達していて、ナレッジデータベースが整備されていて、しかもアクセス権がガバガバだったので色んな事例を読むことができた。いわば、今のインターネットが無い時代に、デジタルで色んな情報が溢れているのを日々吸収することができたのだ。

結局はその現場に10年以上お世話になった。きっと、そのままそのポジションに今まで留まることも可能だったと思われる。しかし、私はある日このままじゃいけない、と会社に相談することにした。

現状維持でこのまま突き進むとキャリアはなくなる。もっと違う仕事に携わってみたい。新卒から同じ仕事なので何が違うのかすら知らない。何かやらせてくれ、と自社にお願いを出した。

その願いはかない、いくつかの現場を経験した。そこでわかったのは、これまで得た経験は自分の素地となっていて、どんな困難が来ても対応できるという手応えだった。システム運用や構築など複数経験したが、例え未経験分野でも、なんとかできる基礎を持っている自分自身を確認することができた。

こうやって振り返ると、現在に至るまでキャリアアップはできているけれど、何とも運任せな部分も感じられる。特定の誰かが作ったシナリオではないけれど、自分が選んだシナリオも少ない。しかし後ろを振り返ると、綺麗な一本のキャリアになっているのはもう疑いようがない。それぞれの経験を全て練り上げて、今の仕事がある。どれもこれも無駄がない。スマートである。1つの経験も欠けたら今はない。

目の前の仕事をがんばれ。
目の前の仕事をがんばれない理由ができたら、その理由と向かい合え。
その理由に対して、対策できることは全てやれ。
逃げることは最後の手段、逃げるまでにはできることをやり尽くせ。
全てやり尽くしてもどうしようもなければ、場所を変えるのが正解なこともある。
しかし、経験を積めば積むほど思うのは、だいたいの問題は自己解決できるということ。
なぜなら、実力がつけばつくほど、自己解決してしまうから。

新卒から27年経った今、あまり場所を大きく変える選択はこれから、する可能性が低い。というのは、大きな問題はいくつも起きるが、全部解決できてしまうからだ。それぐらい、解決してしまった。ならば、場所を変える必要もない。

キャリア論を、新卒から30年スパンで語れるのは今の私のアドバンテージである。これからも言葉にしていこう。

ここから先は

0字

この記事が参加している募集

自己紹介

いつも読んで頂きありがとうございます。 これからもよろしくお願いします。