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もうやりたくないよ、大腸カメラ。

先日、ついに下部消化器内視鏡検査、通称「大腸カメラ」を受けた。
検査自体は体感20分くらいで終わったのだが、まあまあしんどかったので、自戒の意味を込めてここに記録しておく。
(※途中、大腸カメラのリアルな体験記を赤裸々に綴っていますので、苦手な方は読むのを控えていただけるといいかなと思います)

内視鏡検査の前日は、夜の20時から絶食、21時に便通が良くなる薬を飲んで就寝。ここ数日間消化のいいものの代名詞である「うどん」と「おかゆ」しか食べていないので、さすがにおなかがすくし、そのせいか体重がかなり落ちてしまった。家族には「骨と皮しかない」「わたしの肉を分けてあげたい」「ゾンビじゃん」と罵詈雑言を浴びせられ、悲しい気持ちになった。体重が37キロ台に突入してから、つねにあばらが痛い状態で日々を過ごしている。これも症状の一つなのか、単なる痩せすぎなのかはわからない。

気がつけば、謎の腹痛がはじまってから1週間が経過していた。当時の痛みに比べればだいぶ和らいだ。もうフルタイムで働くこともできるし、おなかが痛すぎて眠れないみたいなこともなくなった。腹痛の日にメンタルクリニックを受診する予定だったので、言い換えればメンタル系のお薬を飲まずに1週間過ごしていることにもなる。
メンタルのお薬は1日に5種類飲んでいた。心を落ち着かせる薬、セロトニンを増やす薬、胃薬、睡眠を誘う薬、睡眠の質を良くする薬。どれも必要だと思っていたし、処方されたからにはきちんと飲んでいたから、1週間も飲んでいなくても生きていられることに驚く。「もしかして、わたしには必要のないものだったのかも?」なんて。多分、いまわたしの脳みその中では精神の安定よりも腹部の違和感の正体を探る方が最優先なのかもしれない。ストレス源であった上司は、東京へ出向になった。仕事も幸い落ち着いている。「そういう時期なんだ、今、きっと。」メンタルが安定しているかはわからない。悲しくなったり不安になったりする。泣いたりする。でもそんなことしょっちゅうすぎて、当たり前になっちゃっていたから、わかんないんだよな、最近。でも、とりあえず薬を飲んでいない、それだけは事実だ。

検査当日。検査自体は15時からだけど、下剤を飲んで腸の中をきれいにしなくてはいけないので、朝の9時に起きて、2時間下剤を飲み続けた。下剤はとてもまずいのかなと思っていたけれど、アクエリアスみたいな味がして美味しかった。もしかしたらわたしには下剤を作る才能があるかもしれない(そんなものはない)。
順調に排便は行われ、12時には腸は空っぽになっていたと思う。お腹がすくが、何も食べられないのでじぶんの部屋にこもってアマゾンプライムで配信されていたクレヨンしんちゃんを無心で観た。昔のしんちゃん、懐かしかった。リビングでは家族が焼きそばを食べていた。いいなあ、いいなあ。食欲が出てきたのはいいことなのに、なんとなく憂鬱な気持ちだった。

1時間くらいふて寝して、病院に向かう。予約時間の30分前には待合室に着いていた。待合室にいる患者さんはまばらだった。もう外来の時間は終わっているから当然だ。けれど、静かな病院は逆に怖いので、誰かけたたましくいてくれとも思う。
トイレに行っている間にわたしの番がきたらしく、急いで検査室に向かった。検査室といっても、カーテンで仕切られた狭い空間の中に、パソコンとモニター、ベッドが一台置かれただけの実に質素なつくりだった。「じゃあこれに着替えてね」と、ツタヤの返却袋みたいな素材でつくられたズボンを渡される。お尻の部分に穴が空いていたのが妙に滑稽だった。担当してくれる医者にあいさつされ、軽い世間話をする。「下剤飲むの大変でした?」「内視鏡検査は初めてなの?」とやけに質問ぜめされる。今思うと、検査前の不安を和らげるものであったと考えられるが、当時のわたしはまあまあパニック状態に陥っていたので(心拍数120とかだった)、「なんだこの医者は、やるならひと思いにやってくれ」と思っていた。しかしこれが医者の力のみせどころなのか、気づいたらもうカメラが入っていた。腸の動きを弱める注射を打っていたとはいえ、気づかないなんてことがあるか、普通。この医者、只者じゃないな、と思った。

検査をやるまではモニター越しで見る自分の内臓の気持ち悪さに卒倒するかと思っていたが、意外と冷静に見ることができた。途中からはあまりの挿入感というか、違和感でモニターなぞ見る余裕がなかったのだけれど。
割と長いこと見ているし、もう終わるかなと思ってたかを括っていたとき、医者が言った。

「はい、やっと大腸の終点まで来ましたよ〜。これから観察して小腸にいきますね」

え?!大腸カメラなのに小腸も見るんですか?!というか、もうカメラ抜くと思ってたんですけど。あまりの驚きにわたしもおもわず「ええ、小腸も見るんすか…」と反論してしまった。医師はたじろぐこともなく「小腸はちょびっとだけだからね、終わりと始まりだけ見るので」とやけにかっこいいことを言われたのでおとなしくするしかほかなかった。この頃には疲弊してモニターすら見ることもできなかったのですが、医師と看護師が何やら専門用語をゴニョゴニョ言いはじめ、しばらく経ってから明るい口調でこう言われた。

「小林さん、小腸と盲腸に病変二つあるから切除しますね〜」

え?!である。なんと内視鏡にはマジックハンドなるものが備え付けられており、遠隔操作で臓器の中の病変(病気によって発生した細胞?)を取り除くことができるらしい。医学の進歩オソルベシ。そんな感じでグリグリと大腸周辺をお散歩したカメラさんは無事にわたしの体内から脱出し、検査は終了した。あの取り除いた病変はどうなるのだろう。顕微鏡で調べたりするのだろうか。そうしたらわたしの体調不良の原因はわかるのだろうか。どちらにせよ、二つの内視鏡検査のうち、一つは終わった。次は胃カメラである。今からうんざりしているが、とりあえずホッとした自分がいる。
検査が終わって、すぐに院内のコンビニで森永の焼きプリンを買って食べた。プリンは消化にいい、と心の中で言い聞かせて、一気に食べた。これのまあ美味しいこと。空腹のプリンは美味しい。検査のご褒美だ。胃カメラの日も、終わったらこのプリンを食べよう、そうしよう。

なんか文章がまとまらないけど、備忘録だから許してね。
次回は「小林さん、胃カメラ検査をする」の巻です。多分ね。

サポートの意味があまりわかっていませんが、もしサポートしていただいたら、詩集をだすためにつかったり、写真のフィルム代にとんでゆきます。