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始まりの旅は創るもの

1. フライトと初めましての挨拶

2019年、8月。
人生で初めて10日間の海外ボランティアに。
ボランティアに行くきっかけは沢山ありました、小学6年生の時にJICAで見た光景、かものはしプロジェクトで読んだ記事、海外旅行で目の当たりにした貧富の差。
顔見知りは一人もおらず、一緒にボランティアに行く仲間の名前もほとんど分からないまま、空港につきました。飛行機は深夜便、知らない人たちとの10日間の旅の始まりに緊張していたのを覚えています。

2. ボランティア地、インドネシア

長いフライトを経て、インドネシア・バリ島に到着しました。数日間の孤児院でのボランティアと、神の宿る島・バリ島の伝統文化に触れました。
数日間、孤児院に泊まりきりでボランティアをしました。そこには30人ほどの子どもたちがシスターの元で生活していました。
孤児院の子どもたちは、両親が居ない子もいますが、そうではない子もいます。経済的に貧しくて、家族と暮らすことができずに預けられた子もいました。

3. 帰国と葛藤

帰国してすぐはこの旅への達成感と共に無力感を抱えていました。達成感としては、一緒に行った人たちと、真の仲間になれたこと。"みんな違って、みんないい"の意味を、初めて理解できた気がします。
無力さは、自分へのやるせなさから広がりました。行ったことに確かに意味はあると思っていましたが、それがどうにも説明できませんでした。一瞬子どもを笑顔にできても、すぐに帰国しては何も生まれないのではないかと思っていました。   

そんな時、わたしの憧れる旅行会社の添乗員の方が言っていた言葉を思い出しました。

"あなたも喜び、わたしも喜び"

現地では何気なく聞いていた言葉でしたが、帰国してすぐにこの言葉が自分の指標になりました。目の前の人と、楽しい時を過ごすことに妥協してはいけない、それが今を楽しむ術なのだと感じました。そしてそれは、自分のためにもなるし、もしかしたら誰かのためになるのかもしれないと。
相手を助けよう、とはおこがましいこと、もっと寄り添い、笑い合い、それがもしかしたら相手のためになっているかもしれない、それでいいのだと思わせていただきました。

インドネシアで聞いたこの言葉たちは、とても大切な言葉になりました🐕

4. 始まりの旅は創るもの

この旅をどうしても"きっかけの旅"にしたくて、始まりの旅にしたくて、毎日を大切にしました。この旅での出会いに感謝しながら、ここでの無力感を糧に丁寧に過ごしてきました。

無力感から生まれたのは継続する支援。一回では何も生まれない、でもこれが支援の種だとしたら。この種を育てられるのは自分だけで、自分がやるしかないのだと思い立ちました。
そこから1年間で、フィリピンへの海外ボランティアや、カンボジア・エチオピアに支援を行うNPO法人での長期インターン、UNESCOの理念をもとに結成した社会問題を扱う青年団体の運営、そして所属する学生団体で、OLIVEという国際協力のプロジェクトを立ち上げました。

すべての活動には私の中での軸があります。それは、どこまでも人を大切にすること。もちろんその考え方は、この旅の仲間の価値観に触れ、現地の人の優しさに触れ、暖かい言葉に出会って生まれました。

今は自信を持って、この旅が私のきっかけの旅で、そして忘れられない旅にしたと言えます。何日間も、何週間もこの旅を振り返りました。一年経った今でも、わたしはこの特別な旅を忘れません。

あの日の出会いが、私の始まりの日になりました。私はこれからもこの目で見た世界を、自分の心で受け止めた衝撃を忘れることなく、旅を続けます。

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