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星空のタイムトンネル(浜名湖花博2024)VOL.1 制作秘話

唐突ですが、この2024年4月6日から弊社の地元の静岡県浜松市にある浜名湖ガーデンパークで 浜名湖花博2024 が開催されます。
その中で公式パンフレットには掲載されていない タイムトンネル を作製しました。周りでは 『星空のタイムトンネル』と言っています。

その理由として バラのアーチをトンネルに改造して天然プラネタリウムにしました。中を黒に塗装して夜空を作り上げ、そこに星座と同じ位置に1等星から6等星の大きさに3789個の穴をあけて星空に見えるように作りました。
作る前には想像もしてなかった出来栄えで、天然の日差しの光が入り込み星空へと変化したのです。
星の位置は、『浜松科学館みらいーら』様の協力により 完璧な星座マップを作製していただき、その正確な位置に基づき穴あけをして作り上げました。

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正直、作製依頼された時の話とは全然レベルが変わっていき、仕事として業務の中身とは全く違ってきているので、果たして出来るかどうかという不安もありましたが、せっかくのイベントですので、依頼された仕事はしっかりと取り組むのが弊社の持ち味ですので手探りでしたがなんとかやり遂げました。
星座は黄道12星座はもちろんそれ以外に北斗七星やカシオペア座など同じみの星座が隠れていますのでそれを見つけるのがちょっとした楽しみかもしれません。

この記事を見た方で興味を持った方は是非浜名湖花博2024ガーデンパーク会場へと足を運んでいただければと思います。

作製風景 順番に見て行ってください(公共事業なので手順を踏んで作製しています)


①このバラのアーチを改造します。

本当にできるのか。。。

②鉄板を重ねてアーチ内に入れていきます。

じつは鉄板の厚さが問題で手作業でアールをつけたり中に入れていかなければならないため厚さのシュミレーションをしました。アーチがなければ型を作りもっと幅が広い鉄板を重ねれば簡単なのですがアーチの中にいれるという点が最初の課題でした。

正直一枚の鉄板がすごく重たいのです。もちろん数人いないと持ち上がりません。

③トンネル内を黒く塗装します。

これは星空を演出するために黒のつや消しの塗料を選びました。
場所によっては2回から3回塗装してムラを無くすようにしました。ミケランジェロが天井の絵を描いている気分になったとかならなかったとか・・・

真っ黒になっただけでもテンションがあがりますね。

④実はここからが複雑な仕事が出てくるんです。星座マップの調整をします。

トンネルの長さが14mあり、浜松科学館みらいーら様が星座マップをつくりあげてくれました。これをトンネル内に貼ってこの位置に基づき穴を開けていく作業になります。
その前に鉄板に印刷紙を貼る作業そのものがうまくいくのかとうことで浜名湖ガーデンパーク内の事務所を借りて星座をチェック、星の数など大きさをチェックしてトンネルの長さに合わせていく作業をしました。。全部で25枚、約2日・・
最初に開ける予定の数は2083個です。驚異の数です。

星座マップは部屋に入りきらなかったので春・夏の星座と秋・冬の星座で分けました。

⑤星座マップをトンネル内に貼って穴を開けていく作業です。

最初星座マップを貼ったときに正直びっくりしました。これは本当にうまく出来るのか?ということでした。しかし、弊社の職人は淡々とこなしていき風が吹く向きを計算してはがされないようにと穴を一斉にあけないで数枚づつ貼って穴をあけていきました。

正直トンネルなので風が強くてはがされてしまいます。

⑥星空の穴を開けていく作業になります。

穴を開けるって簡単に言いますが、鉄板に穴を開けるのはさすがにドリルしかないので1等星から6等星までの穴の大きさを決めて穴を開けていきます。
星空を出すのに1.5㎜から6.5㎜と大きさを決めたのですが2.5㎜以下の刃で穴を開けようとすると折れてしまうのです。これは経験値があればきっと折れないのですが、まだやり慣れてないのということもあり、やはり無理な態勢で開けざるを得ないので折れてしまうのです。
正直何本折ったかわかりません。

穴を開けた様子
等級で穴の大きさが違う為に、色分けして大きさを確認しています。

⑦穴をあけて、星座を描く作業もしました。

穴開けはなんとか順調に進み、次は星座を描いていく作業になりますが、ここでトンネル全体には開いてないデッドスペースが生まれてしまうということが起きてしまいました。

近くで見るとすごくきれいでテンションが上がります。

⑧デッドスペースにさらに星座の穴を開けました。

もう当初の依頼内容を終えているのに穴をもう少し開けたいというデザイナー達の意見が出て、追加580個開けることになりました。
さらに追加で星座マップの到着を待ち穴あけが再開しました。
今回は一気に穴を開けるために片側づつ全貼りしました。

穴を開けるのもすごいけど星座マップを作るのもすごいです。学芸員さんに感謝。

⑨ここから更に難題。12星座をLEDで照らしたいに対応。

LEDで黄道12星座を照らすという話が出てきました。次から次へと色々出てくるイベント性の仕事。むしろやりたいみたいな感じになってきました。
実はもともとの業務でLEDの実験をしてたということもあり無理難題の課題をクリアできそうな気がしました。12星座をリレー式で順番に光らせることになりました。

実験してトンネルで光るかどうか・・・
配電盤の作製していますのでオリジナルで作製しました。
LEDの赤で光らせている様子

⑩トンネル内の作業と並行してバラガーデンの仕事もしています。

もともとの発端であるタイムトンネルは今回目玉の一つであるバラガーデン内にあり、それの中にコラボローズとして考えられました。
ポタジェガーデンとローズガーデンの間に位置しています。そしてトンネルには出入口にバラを吊るすという変わった演出で配置しました。もちろんもともとがプロフィールにあるように散水みずやりの仕事がメインですのでどんなところにも散水をするというのが得意の会社です。早々と自動潅水システムを設置してバラが見事に満開になるように工夫をしています。

⑪最後にミルキーウェイを作りました。

来ていただくお客様が喜ぶには何かと簡単に答えますと「インスタ映えする」かしないかという議論が何度も起こりました。そう考えると星座を撮影して画像におさめるのも一つですが、ミルキーウェイ(天の川)の動画を取るというのも大事な要素だと感じて、、、さらに1120個の穴を開けました。今まで6等級でしたが、7等級の小さい穴をあけることになりましたが、工期もあり最後は一気に1120個開けました。何本もドリル折りましたが無事開けることが出来、正直感無量です。

ミルキーウェイ開けて一気に綺麗になりました。
星座の様子を花の美術館のスタッフが分かりやすいようにデザイン画を描いてくれました。

最後に・・・弊社の努力に加え、沢山の取引先のご協力により完成に至りました。これだけの大作を作り上げるというのは中々できることじゃありませんのでうれしい限りです。
4月6日から開幕する 浜名湖花博2024にたくさんの来場者が訪れてもらうこと、作製しました「星空のタイムトンネル」に足を運んでくれることを心から願っています。
もちろん他の作品、花壇、ブース、フラワーパーク会場と見どころ沢山ありますので是非ご来場願って記事を終えたいと思います。

※浜名湖花博に関する情報こちら検索してください。
https://hanahaku2024.jp/

トンネル内でカメラをぐるぐる回して撮りました。
中に入らないと星空のように見えないのが面白いです。



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