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波と暮らして 2023/3/23

前書きとして、ネタバレを含みます。
これからご観劇予定の方は是非、読まずにご観劇することをお勧めします。
また、この作品の受け取りかたは人それぞれ自由です。
正解はなく、それを求めてはいけないと思います。
なので、あくまでも私の一個人的な記憶を辿った感想文となりますので、
解釈間違い、構成の時系列違い等があるかと思いますが、どうぞご容赦ください。凡才の駄文ではございますが、ご興味がある方はどうぞ💁🏻‍♀️


雨が降る渋谷 
生憎の天候の中、
Bunkamura コクーンシアターに向かいました

公園のポスターには写真を撮る人たちで列ができており、
私も見慣れたポスターだけど記念にと並び撮影してしまう

開演20分前、早めに席に着き、
間も無く長期休館となってしまう
この会場を目に焼き付ける

会場スタッフからの
『間も無く公演が始まります』
その言葉と共にロビーに居た人達が
空席を埋めていく

誰に指示をされたわけでもなく
徐々に客席に静寂が広がる

キャパ 747人のコクーンシアター
ほぼ全席が埋まっているのに異様な静けさだった
服の擦れる音、足音、咳払い、
微かな動きでも音が空間に響き伝わってしまう
それだけに客席も音を立ててはいけないと
皆、注意を払う、観劇者も協力体制のもと進行される

開演ブザーなど始まりの合図はない

会場内の照明は徐々に光を落とし
全て消され
闇が広がる
数秒の暗闇

ステージに1つの照明が照らされ視線集まる

その瞬間に上手から柚希さん、加賀谷さんが
一つのコートに2人で包まり
歩幅を合わせて歩いてくる

ドン…トン…ドン…

音楽はなく
響く足音
パンっ
二人の触れ合う肌の音が
響く

呼吸まで聞こえてくるほど
小さな音も聞こえる
この舞台の繊細さがよくわかる

コートを脱ぎ
シャツを羽織り
ハットを脱ぐ

一つ一つの動作
二人の動きがシンクロしている 
美しいと思った

『波と暮らして』
(※私が調べた、情報なので間違ってらごめん)

メキシコの詩人
オクタビオ・パス の短編詩集

1人の男が海に行き、波と出会う
波は男を気に入り男の家まで着いてきてしまう。男は波と一緒に暮らし始めるも波は気まぐれで感情的でそんな波と一緒にいることに疲れた男は波を捨てて家を出てしまう、取り残された波は悲しさと寂しさに包まれて氷になってしまう。
そんな状態の波を見た男は氷をアイスピックで砕いてしまうと言う、波と男の愛と悲しいお話。

アイスピックを右手に持ち座る柚希さん

4枚のパネルが左右に開かれる
床のマットに包まる加賀谷さん

始まりは波と暮らすシーンから
ショパンのノクターンがゆっくりと流れ始める

背面にはブルーシート
視点を中央から少し下手にずらして菱形のように
ベージュ色のフェルトの様なマットが敷かれ
イーゼルと裸電球、レコードプレーヤーの
シンプルなセット

ショパンの曲に合わせて
お二人の絡み合いが
優美で心地よくうっとりとしてしまいました

ブルーシートに二人の映る影さえも
一つのアート作品の様で

波役の加賀谷さんの肉体美に惚れる
細いながらも筋肉質でしなやかで
肩甲骨あたりの筋肉が凄かった🫢
男役の柚希さんは凛々しく優雅な余裕
元宝塚であること変わらないスターの貫禄

ほぼ台詞はなく
喜怒哀楽の感情をダンスだけで表現して行く
表情を見なくても
動きだけで感情がこちらに伝わってくる

まるで1本の映画を見ている様だった

声を出さなくてもダンスだけで
こんなにもストーリーを感じとれるとは

素晴らし過ぎて
この場でこの作品を観れている事に
凄く贅沢な気分にさせて頂きました

この作品をモチーフにした
子供向けの絵本もあるようでタイトルは
『ぼくのいえになみがやってきた』(絶版)
(この本はカーテンコールの時に後ろのパネルのセットに飾られてました。
因みにショパンのレコードも隣に飾られてました)

波は可愛くて、激しくて、気まぐれで
ちょっとめんどくさくて
本当に女性的だと私は思ってしまった😅

主演はお二人だけですが、他にも演出上パネルの稼働があり、その役として4名の女性が、出演されていて女性だけで演じられてしました。パネルの移動も音を出さずにゆっくりと移動させられていたので、あれだけでもかなり大変な作業だと思いました🥹

作品に話を戻すと
波と穏やかに過ごすシーンで
『どうやってここに来たの』
突然、柚希さんの優しくかっこいい声
(今、喋った😳‼️って私、かなり阿呆なリアクションしました💦)

ブルーシートで波の音の様な表現があり、
ブルーシートはこの為か⁉️と一人で納得🥹

波と暮らしていた男が家を出て行くシーン
その後の加賀谷さんのソロは
波の寂しくも悲しみと愛と怒りが
混ざり合った感情に見えました
また、ピエロの鼻が異質で滑稽に見える

氷となってしまった波と男の対面
男の冷たい視線

アイスピックで波を打つシーンは
切なく悲しく辛い

男はその後の砕いた氷を拾い集め
溶ける氷を口に含み出す
それでも愛おしそうに氷を集めて頬擦りをする

ラストは海に向かう男
このあたりのシーンは正直
原作を読めていないので認識が間違っていると思いますが💦💦

男は波に会いに行って海で死んだのか🤔
または波に救われて生還したのか🤔

最後については原作が気になったので
探して読みたいなと思っています。

最後まで優美な世界観
放心状態のまま
休憩へ

第二幕へ続きます

(別の記事でラストパイについては語らせて頂きます)

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