ORIE IIMURO / 1166バックパッカーズ
宿屋の思考とは関係なく、日々のことを
長野市の小さなゲストハウス・1166バックパッカーズの飯室がゲストハウス経営の悲喜交々を綴ります。現場の話からスタッフ育成、宿をこれからどう育ててゆくか大きな声で言えない葛藤なんかも。だいたい週に1回更新です。
これから長野市に旅行に行こうと考えるかたへ。1166バックパッカーズ的お勧めスポットをまとめてゆきます
関西で暮らしていたころより、よっぽど春のありがたみを感じるようになった。というのも、雪も降り、陽も短く、どんよりした空の日が続くと、どうしても肩が縮こまってしまい、目線も足元に落ち、気持ちまで下がってしまうから。元々ネガティブ思考ではない私でさえ、この冬は「つらいな〜」とメンタルを少しやられていた。 だからこそ、春が来たときの喜びは大きい。まるで温泉に入ったときのように肩甲骨まわりが弛緩し、桜はまだかと目線が上がる。ありがとう、春。 こういう気候になると、なんでもでき
私のところに開業の相談に来るひとの多くが、「人を雇わずに自分ひとりで始めようと思う」と言う。私も始めた時、そう思っていた。それでも妊娠、子育てのタイミングでアルバイトスタッフ雇用を前提とした運営に変化した。 結局のところは、正解はなく、その都度判断してゆくだけのことなのかもしれない。ただ、自分の場合を振り返ってどんな壁があり、どうそれを乗り越えたか書いてみる。 ひとり営業のメリット コンセンサスを取る必要がないのでスムースに進む。 誰かに給料を払っているわけではないの
先日、3歳の女の子を連れてお父さんが泊まりにきてくれた。聞くと、初めての父娘旅だそう。私の場合は「母娘旅」ではあるが、父子旅・母子旅を力強く推進しているので、その理由を下に書いてみる。 親視点のメリット 「あー、今日も父ちゃんは仕事行っちゃったし、何しようかな〜…家にいたら子供と二人きりで、なかなか時間も過ぎないのよね…」 子供は大好きだし子育ても楽しんでいた。加えて父ちゃんもめっちゃ育児に前のめり。そうは言っても、母娘二人きりで過ごす時間が長かった我が家の幼少期、
ゲストハウスにおけるヘルパー制度とは ヘルパーはフリアコ(フリーアコモデーション)と同義。館内に無料で寝泊まりしていい変わりに仕事を数時間手伝ってもらうシステム。江戸や明治時代から「丁稚奉公」システムはあったと思うが、元々はそれと似たような物だと思う。 1166bpの場合は住居に加えてお米など一部の食材が無料になり、その見返りで週15〜20時間ほどの掃除手伝いをしてもらっている。 事業計画書上のヘルパー 2010年に開業した1166バックパッカーズだが、開業前の事
突然ですが「レビュー」を参考にされたことはありますか? 私自身、食事に出かけるとき、物を買うとき、病院にかかるときなど、グーグルマップのレビューを参考にすることは多々あります。 余談ですが、店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディア・『口コミラボ』によると、20代など年齢層が低いほど口コミを見るが口コミを投稿せず、50代など年齢層が高いほど口コミを見ないが口コミを投稿する傾向にあるそうです(個人的にはなんじゃそりゃ、という気持ちです)
第二回のゲストハウス開業相談会を終えた。各地から繋いでくださった3名に私を足して合計4名でおしゃべり。今回は、「(市町村は決まっているけれど、そのなかでも)どこでやるか」について聞かれたので、考えてみた。 場所はどう決めたらよいか 今回の参加者のなかには地元である某村で開業を考えられている人もいた(ただ、村と言っても日本昔ばなしに出てくるような村ではなく、二つの主要都市に挟まれている町場間もあり、かつ自然も豊か、そんな場所だと思う。たぶん)。 その方から「詳しい場所
先日、第一回のゲストハウス開業相談会を終えた。各地から繋いでくださった3名に私を足して合計4名でおしゃべり。前回の記事ではそのなかで話題となった「ゲストとのコミュニケーションツール」について書いたが、今回はもうひとつ話題にあがった「ローカルのちょっと上の世代にどう受け入れてもらうか」について考えてみる。 「気にしぃ」、の性格 小さいころから私は人付き合いが苦手だ。それは決して人嫌いというわけではなく、「どこまで踏み込んでいいか」がわからないから苦手。自分の発言が失礼に
昨夜、第一回のゲストハウス開業相談会を終えた。各地から繋いでくださった3名に私を足して合計4名でおしゃべり。そのなかで「ゲストとのコミュニケーションツール」が話題となったので、実際のゲストとのやり取りを例に出しながら紹介。 子育てでなかなか現場に出られない私が事前にまたは遠隔でゲストと密にコミュニケーションを取ることで、現場の負担を減らせられるのではないか…そんな目線で書いてみます。 電話はできるだけ避けたい 通常固定電話は私(オーナーの飯室)の携帯へ転送している。
宿業務に取消はつきもの。14年の営業を経て、取消料金について、今新たに実験を始めた。 1166バックパッカーズの取消規定 キャンセルポリシーは各宿で定めている。1166バックパッカーズの場合はここ数年は以下(booking,comはOTA独自のあれこれがあって、少し変動したりもするが基本設定は同じ)。 取消料金支払いに抵抗したいゲストの気持ち お客さん立場で考えた時に "泊まっていない"(飲食店であれば "食べていない" 、交通機関であれば "乗っていない" )に
元日にあった能登半島地震。半月経った今もなお寒い避難所で雑魚寝してるる映像を見ると胸が痛み、そんな状況のなか医療従事者が巡回したり、旅館が二次避難を受け入れたり、炊き出しが行われているのをみると少しほっとしたり、一方で自分は何もしていないなとぼーっと考えたり。いろんな気持ちが渦巻きます。もしかしたら多くの皆さんが同じような気持ちで見守っているのかもしれませんね。 まずは1166バックパッカーズでは月末にの月の売上に応じた募金、個人でも同じようにまずは募金、と考えています。
募集終了しています。 個性的なゲストハウスがさまざまな地方都市に誕生してゆくのは面白く、その宿泊体験がよいものであればゲストハウスという宿形態も今以上に認知されるだろうと思っている。ただの安宿ではなく、無機質な無人宿でもなく、同宿の旅人やローカル、スタッフなど他者とあるいは自分自身と触れ合うゲストハウスに引き続き未来を感じている。 小規模ゲストハウス開業希望者向けの小グループ相談会を開催 日時:2024年2月で参加者の都合が合う日時を追って調整します 時間:90分 会
スタッフから「欧米のゲストは特にフォローしなくてもゲスト同士が仲良く話出すこと多いけど、日本人のゲストの場合はきっかけが必要なこともありそう。どうやったらいいんでしょう?」と質問が出た。自分が宿を始めたころは言語化できなかったけれど、ある時から「あぁ、無意識にこうしているな」ということがわかってきたので、書いてみようと思う。 (スタッフ側に立つ人間だけが考える内容だと思うので、途中から有料化してみます) スタッフの立つ場所 基本的にスタッフはパソコン側の"カウンター
急な展開でひと晩家を開け、自由にしてよいと家の人の同意を得たので、夕方から上田市に行ってきた。子供を産んでからというもの、特に夜の時間を自由に使えるのは久しぶりだ。 『NABO』で初めてひとりで隅々まで書棚を楽む 夕方に上田駅に降り立ち、まず本屋『本と茶「NABO」by VALUEBOOKS』を目指す。何度も来てはいるもののいつだって子供と一緒だったので自分が見たい書棚をサラっと見渡すのが精一杯だった。だからこうして全ての本棚の隅から隅までじっくりと観察できるのは至福
素晴らしい仕事をしている(ように自分が思う)ひとの姿をみたときに、羨ましくもあり、自分ももっと頑張りたいという気持ちが湧いてきたりする。それは起爆剤にもなるんだけれど、一方でどうして自分はこんなにできないのだろう、あぁそういえば低点のレビューがきた、あぁやはりこんな自分には到底無理なのだ、というような自分を否定する気持ちがじわじわと心を蝕んでゆくことがある。 今だって時々はそんな否定的な気分になるけれど、年を重ねてよかったことのひとつに、自分という人間を客観的に見て、と
昨年に引き続き、某大学で経済や経営を学ぶ方へオンラインでお話する機会をいただいた。それにしても90分1コマというのはなかなか長い。しかもコロナ禍を経てオンライン授業も増えているようだから、けっこうなモチベーションを持っていないと、真剣に授業を受けるって大変だよなぁなんて。 自分の学生生活を振り返って一番に思い出すのは、スペイン語の授業中、先生にあてられているのに、"ガクっ" と眠りそうになったあの瞬間。強面の先生の目がさらにギラっと光ったのを覚えている…。 まず簡単に自
特にコロナ明け、宿泊業に就く若い人が減っているという話をよく耳にする。帝国データバンクによると、旅館・ホテル業における正社員・非正社員の人手不足割合は以下だそう。 数字から見ても大きな宿では(小さな宿でもだが)いかに人手を確保するかが喫緊の課題なんだと思う。私は前職と合算すると、16年ほど宿泊業に就いているが、確かに長時間労働であったり、夜間早朝の仕事が多かったりと特有の課題はある。それを横において置くことはできないので、そちらの課題解決は必要だけれども、人手不足解消に