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ライナーノーツ「denki-bran」その5

■ミニアルバム「denki-bran」セルフライナーノーツその5
 【denki-bran(part4)】について

■曲について

テーマは「テクノ童謡」。3拍子でゆったりした曲を作ってみたかった。
鼻唄にしやすいメロディーにはなったと思う。

このアルバムで唯一ギターソロ(らしいギターソロ)を弾いてる曲でもある。

■歌詞について

曲のイメージや、楽器の音色から連想ゲームして歌詞が作られることがあるが、この曲は特にそう。

ペタペタとしたリズムパターンで、猫の足跡をまず連想。

主人公は猫である。
名前は・・・、「マエストロ」だ。
完全に語感の良さ。

重ねたシンセサイザーの「夜感」から、この猫は黒猫だ。
屋根の上を伝ってどこにいく?
しかも、どうやら足取りは弾んでいる。片想いでもしているのだろう。

黒猫の「マエストロ」というからには、歌に絡めたい。

電線にはカラスたち。五線譜に並ぶメロディーに見える。
メロディーを口ずさむ。ああ、いいメロディーだ。彼女に聞かせようか・・・
満月。
屋根から見下ろせば、電気ブランで酔っぱらった若者が走っている・・・

というイメージが膨らんだので、
あとは「テクノ童謡」というコンセプトに則って作っていくだけ。

きっと、イントロ・中盤・アウトロのフレーズが、
電線のカラスたちのメロディーなんだろう。

足下が縺れるようなギターソロ。
マエストロが屋根を伝って、屋根から屋根へと飛び越えて、相手の元へ向かう。
一定のテンポでゆったり流れる時間・リズムパターン、
だけど体感時間・胸の鼓動・熱量はせり上がっていく一方。

上がりきった熱のまま、最後の歌のパートで
「かぎりないはなしをしよう」とか
「このうでのなかへ」とか「いのちつきるまで」となるのである。

マエストロの恋がどうなったか?はどうでも良くて、
より虚飾が削がれて、素直になれるかが大事なのだよ。

そうか、
part1の気の利いた言葉を探す青二才に始まり、
part4の最後で、一番ストレートな想いを手に、口にした
という事なんだ。
part2,3はそこに至るまでの気づき、苦悩、葛藤、手放しなんだ。

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