守朝☆眞夜(Maya Kamitomo)

小説やエッセイ・コラム・詩・脚本など文章を書いたり、女神や中世の肖像画・空の絵を描いた…

守朝☆眞夜(Maya Kamitomo)

小説やエッセイ・コラム・詩・脚本など文章を書いたり、女神や中世の肖像画・空の絵を描いたり、デザインしたり、 歌ったりコスプレダンス動画を作ったりしています。バラバラなようですべて内なる何かを形にするという意味でつながっています。褒められると伸びるタイプです(笑)

最近の記事

【喪失】

君と一緒にいたころを時々思い出す とはいっても遠い昔の話で断片の記憶だ 君はいつも僕のそばでニコニコとほほ笑んでいた 僕はその笑顔にどれだけ癒され救われたことか 僕たちは似ていると思っていた 確かに一部は似ていた 価値観とか生活スタイルとか けど本質的なところは違っていたんだな まぁ当たり前なのだけど 当時の僕はそれに気づいていなくて 君はずっと僕の横にいてくれると思っていた 気づいてあげられなくてごめんね そして隣にいてくれてありがとう #詩 #ポエム #詩のよ

    • 【道】

      人は誰でも自分の人生を一生懸命生きている 他人から見たら一生懸命に見えなくても その人にとって精いっぱい今という時を生きているのだ 誰かがとやかく言うべきものでもなく こうしなければいけないというルールもない 自分自身の進む道は自分で選択していくものだ どうしたらよいか時には迷い立ち止まることもあるだろう それはそれ ひとりで考えてみてもいいし 誰かの話を聞いてみてもいい もしあなたが誰かをうらやましいと思うことがあれば それはもしかしたらあなたがやってみたいことかも

      • 『彼女の行方』【第14話】

        「エピローグ」 間もなく部屋にたどり着く。 また今日も終電だ。 郵便受けを開けると、1通の手紙が入っていた。 奈緒からの手紙だ。 「これを読んでいるということは すでに私を見つけてくれたのよね。 きっと蓮なら 探し当ててくれると信じてた。 私は蓮と一緒にいた時も そのあとも幸せだったよ。 もう先が長くはないと知った時 延命することよりも このまま時を止めたいと思ったの。 本当にありがとう。」 奈緒は白血病で 余命3カ月の宣告を受けていた。 亡くなった後に送

        • 『彼女の行方』【第13話】

          「彼女の居場所」 パズルが完成した。 もうすでに場所はわかっていた。 写真は旅行中に車窓から撮った景色だった。 「外寒そうだな」 「うわぁ、きれい」 はしゃぎながら窓の外に携帯を向けている。 「撮れた?」 画像を見ると少しぶれていたが 夕日の中に白く輝く雪山が映っていた。 「今度行ってみたいな?」 「奈緒ってスキーできるんだっけ?」 「できるよ。こう見えても雪国出身なんだから?」 「そっか、今度一緒に行こうな」 結局は実現しなかった・・・ パズルの中央、抜け

          『彼女の行方』【第12話】

          「最後のピース」 手持ちの写真の場所は全て探したがまだパズルは完成していなかった。 順番通りに枚数が増えているなら残り9ピース。 ちょうどパズルの中央あたりが抜けていた。 野本春美に連絡して他に預かっている写真はないか聞いてみる。 「奈緒ちゃんから預かっていた写真はこの前渡した分で全部よ」 「そうですか・・・」 写真をたどってここまでパズルを作ってきたこと まだ9ピース分足りないことを説明した。 「あとヒントとなる写真は1枚だと思うんです。」 「あっ」 と野

          『彼女の行方』【第12話】

          『彼女の行方』【第11話】

          「7枚目の写真」 日本海は少しひんやりする。 北陸新幹線で金沢に向かっていた。 時々東京に遊びに来ていた彼女の友人の結婚式に呼ばれ、 その後輪島の温泉宿に泊ったのだった。 写真は輪島の宿の前のようだったが、 どこに泊ったか記憶していなかった。 とにかく行ってみるしかない。 輪島に着いて観光案内所に立ち寄った。 写真を見せれば特定できるのではないかと思ったからだ。 予想通り宿を突き止めることができたが 連絡してみたところ奈緒が訪れたかどうかははっきりしない。 というの

          『彼女の行方』【第11話】

          『彼女の行方』【第10話】

          「意外な場所」 6枚目の写真は那須に旅行に行ったときに撮ったものだった。 山の中にあるペンションに泊まって、ミュージアムや博物館を訪れた。 写真はクマの絵が描かれた看板があり、 奥に赤いレンガの建物が建っていた。 駅からそのままテディベアミュージアムに向かう。 奈緒が旅行の時に一番行きたがっていた場所なので、 パズルを残すならここではないかと思っていた。 写真に写っている建物を確認していると、 駐車場の方に歩いていくワンピースの女性が目に飛び込んできた。 茶色の巻

          『彼女の行方』【第10話】

          『彼女の行方』【第9話】

          「些細なこと」 レストランの順番を間違えていたため、パズルの数が違っていた。 奈緒はパズルを四隅以外は時計まわりで順番にばらしたようだった。 おそらく手に持った1枚の写真が本来の4枚目と思われた。 写真はスカイツリーの展望台で撮ったものだった。 内容は忘れてしまったがここで珍しく些細なことで口論になったことを思い出す。 奈緒はとても穏やかな性格で、めったに怒ることもなかった。 あの時もすぐに仲直りして、スカイレストランで食事をしたり、プロジェクションマッピングのショーを

          『彼女の行方』【第9話】

          『君の名は・・・』Vol.8

          第6場b 街中 夜  下手から、男女が歩いてくる。手にビラを持っている。 女:(ビラを見ながら)アストレイア様はやっぱり生きていたのさ。 男:そうかな。生きているとは限らないだろう。 女:だって懸賞金つきだよ。 ルドルフ:すまない、それをちょっと見せてくれないか。  ルドルフ、ビラを真剣に読んでいる。 ルドルフ:一体どういうつもりなんだ・・・  コルドバ、レイラもビラをのぞき込む。 女:よかったら、それあんた達にあげる。 ルドルフ:いいのか。 男:ああ。俺たちには

          『君の名は・・・』Vol.8

          『君の名は・・・』Vol.7

          第6場a 街 夕方 サンホセの火祭り  上手花道から、ルドルフとコルドバが歩いてくる。上手から下手に向かっ  て祭りに行く人々が通り過ぎていく。 コルドバ:なぁルドルフ、お前さんずっとそうやって陰で見守っているつも      りか? ルドルフ:えっ? コルドバ:レイラだよ。好きなんだろう? ルドルフ:・・・・・ コルドバ:俺だったらとっとと手に入れちまって、自分のそばに置いとくけ      どな。あんた達見てると時々じれったくなるよ。 ルドルフ:レイラは俺の気持ちは知らな

          『君の名は・・・』Vol.7

          『君の名は・・・』Vol.6

          第5場 宮殿内 午後  上手からオランジェとアンジェロが歩いてくる。 アンジェロ:父上、アストレイアはまだ見つからないのですか? オランジェ:手は尽くしているのだがな。       お前があの娘をそんなに気に入っていたとは知らなかったよ。       そうとわかっていれば、あんな悲惨なことが起こる前に、あの       娘と結婚させたものを。       あれ以来、どんなにすばらしい家柄の娘を連れてきても、お前       は見向きもしないのだから、困ったものだ。 アンジ

          『君の名は・・・』Vol.6

          『君の名は・・・』Vol.5

          第4場a 海賊船 午後  絞り緞帳。暗転幕が開く。海賊たち、甲板の掃除をしている。  ルドルフとレイラも手伝っている。上手上から強い光が差し込んでいる。  下手前からバケツを持ったマーニャ歩いてくる。レイラ、さりげなくマー  ニャのバケツを持ってあげる。 マラガ:(額の汗をぬぐいながら、上手上の方を向いて)しかし、いつも思     うんだけどよ。こうもだだっ広いと、掃除するのがいやんなるな。 グラナダ:広いもんか。貴族が乗っている豪華な奴に比べたら、豆粒みたい      

          『君の名は・・・』Vol.5

          『君の名は・・・』Vol.4

          第三場 サンドラ達のたくらみ 宮殿内  暗転幕前 下手よりサンドラ、ジェノーバ、従者入ってくる。 サンドラ:一体いつになったら、私の前にアストレイアの首を持ってきてく      れるのかしら。 従者:(片膝をたてて)はっ、くまなく探してはいるのですが・・・近いう    ちに必ず。 サンドラ:そう言って3年よ。この役立たず! アストレイアの首が先か、      お前の首が先か。      下がりなさい!!  従者、頭を深々と下げ、逃げるように下手に退場する。 サンドラ:

          『君の名は・・・』Vol.4

          『君の名は・・・』Vol.3

          第二場 海賊船 シェスタの時間  カモメの鳴き声、波の音。穏やかな感じのシーン。  暗転幕が開く。箱台、下手奥に階段一つ、上手側に正面向きの階段があ  る。上手中央寄りに帆を張るための棒があり、下手奥(台上)に手すりが  ある。  下手階段の2段目と3段目に葡萄酒の入った樽が置いてある。舞台奥に帆。    レイラ(アストレイア)は棒のあるところに腰かけて転寝をしている。  自分の叫び声で目が覚める。  ルドルフ、声を聞きつけて下手前から急いででてくる。 レイラ:うわぁ~~

          『君の名は・・・』Vol.3

          『君の名は・・・』Vol.2

          第一場a アランフェス王宮 夕方 曲が流れ緞帳が上がる。(M1) 舞台裏に箱台、中央に階段があり、中幕が途中まで閉じている。 着飾った男女(王女たちと貴族)が踊っている。舞踏会。 上手台上からアストレイア、下手台上からアンジェロ子爵が出てきて踊る。 二人見つめあう。少しの間。 (曲調が変わる) ひとしきり踊って、王家の人たちを残して皆退場。 奥階段のところにみな腰掛ける。 アストレイア、アンジェロと共に退場。 曲を残して一家団欒のひととき。暗転。銃声。悲鳴。 再び明天になっ

          『君の名は・・・』Vol.2

          『君の名は・・・』Vol.1

          ミュージカル用の脚本として20年ほど前に書き下ろしたものを見つけたのでここに記しておきます。 「あらすじ」 舞台は1890年終わり~1900年代初め、夏のスペインの物語。 1897年夏の終わり。 アランフェスの王宮でバカンスを楽しんでいた王家の人々は何者かによって暗殺された。 こっそり城を抜け出していた四女アストレイアだけが死を免れる。 状況を知ったアストレイアは家族を殺した犯人たちに復讐を誓う。 王家の人々を皆殺しにして、自分たちが王位を継ごうとしていたサンドラたちは、ア

          『君の名は・・・』Vol.1