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『質の高い教育』って何だ?


1. SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」を構成する10個のターゲットとは?


なぜ、質の高い教育が必要なのか?
それは、質の高い教育によって世界が抱える数多くの課題を解決することができるからです。

質の高い教育が必要な6つの理由
https://sdgs-support.or.jp/journal/goal_04/

2012年に潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が立ち上げたGEFI(グローバル・エデュケーション・ファースト・イニシアチブ)では、その6つの理由を次のように教えてくれています。

●もし、低所得国のすべての学生たちが基礎的な読解力を身につけて学校を卒業できれば、1億7,100人が貧困から抜け出すことができるでしょう。

●もし、低所得国のすべての母親が中等教育を受けていれば、1,200万人の子どもたちが発育阻害から救い出せます。

●もし、すべての女性が中等教育を受けていれば、子どもの死亡は49%減少します。

●もし、すべての女性が初等教育を終了していれば、出産に置ける死亡は66%減少します。

●もし、すべての女児が中等教育を受けていれば、児童婚の64%が減少し、早すぎる妊娠の59%が減少します。

●一年間の学校教育は収入の10%増加に関連します。

この目標4「質の高い教育をみんなに」は、「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、
生涯学習の機会を促進する」のテーマのもと、10個のターゲットから構成されています。

4.1
2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
4.2
2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
4.3
2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
4.4
2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
4.5
2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.6
2030年までに、全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
4.7
2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
4.a
子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
4.b
2020年までに、途上国、特に後発途上国及び小島嶼(しょうとうしょ)途上国、並びにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c
2030年までに、途上国、特に後発途上国及び小島嶼途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。

上のキーワードを抽出してみる。

□全ての子供が男女の区別なく
□適切かつ効果的な学習成果
□無償かつ公正で質の高い初等教育
□無償かつ公正で質の高い中等教育
□質の高い乳幼児の発達・ケア
□質の高い就学前教育
□手の届く質の高い技術教育
□手の届く質の高い職業教育
□手の届く質の高い高等教育(大学を含む)
□平等にアクセスを得られること
□雇用、働きがいのある技術的・職業的スキル
□人間らしい仕事
□必要な技能を備えた若者と成人割合を大幅に増加
□ジェンダー格差を無くす。
□障害者があらゆるレベルの教育や職業訓練にアクセスできる。
□先住民があらゆるレベルの教育や職業訓練にアクセスできる。
□脆弱な立場にある子供があらゆるレベルの教育や職業訓練にアクセスできる。
□全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力を身に付けられるようにする。
□全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、基本的計算能力身に付けられるようにする。
□全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識と技能を習得できるようにする。
□持続可能な開発のための教育
□持続可能なライフスタイルへの貢献の理解の教育
□人権への貢献の理解の教育
□男女の平等への貢献の理解の教育
□平和と非暴力的文化の推進への貢献の理解の教育
□グローバル・シチズンシップへの貢献の理解の教育
□文化多様性への貢献の理解の教育
□文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育
□子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良
□全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供
□職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなどの高等教育(後発途上国及び小島嶼途上国、並びにアフリカ諸国を対象)
□高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる
□後発途上国及び小島嶼途上国における教員研修。そのための国際協力。
□質の高い教員の数を大幅に増加させる。

上記、10個のターゲットと、そのキーワードから
SDGsにおける『質の高い教育』から、その『質』について、理解するために自分なりに再定義してみる。


2.『質の高い教育』とは?

質の高い教育は
●ジャンダー格差をなくすために男女の平等を学びます。
●脆弱な立場に配慮し、すべての人が平等あるために学びます。
●誰もが高等教育へアクセスできることを学びます。
●働きがいがあり人間らしい仕事につくための必要な技能を学びます。
●人権への貢献することを学びます。
●平和そして安全で非暴力に貢献することを学びます。
●持続可能な開発とライフスタイルに必要な知識と技能を学びます。
●グローバル・シチズンシップを学びます。
●文化多様性と文化の持続可能な開発への知識を学びます。
●後発途上国及び小島嶼途上国、並びにアフリカ諸国について現状を知り、国際協力について学びます。

これが『質の高い教育』ということで、
この反対が『質の低い教育』。

3.『質の低い教育』とは?

質の低い教育は
●ジャンダー格差を認めず、男女を区別することを学びます。
●脆弱な立場を配慮せず、すべての人は平等ではないことを教えます。
●選ばれた子どもだけが高等教育へアクセスできることをを学びます。
●働きがいがあり人間らしい仕事には無関係な知識や技能を教えます。
●人権については学びません。
●一人ひとりは平和そして安全で非暴力に貢献することはできないと教えます。
●持続可能とは相容れない「開発」と「ライフスタイル」の知識を教えます。
●グローバル・シチズンシップ?何それ?
●他に文化を卑下し、自国の文化のみを讃えます。
●後発途上国及び小島嶼途上国、並びにアフリカ諸国について学ばずに、都合のいい「国際協力」を学びます。

上記、耳が痛い。


2.『質の高い教育』の採点方法

以下、10問。1Yesにつき10点。満点は100点です。

Q1.ジャンダー格差をなくすために男女の平等について学べますか?
 □YES □NO
Q2.脆弱な立場であっても、すべての人が平等であることを学べますか?
 □YES □NO
Q3.誰もが高等教育へアクセスできる(教育のチャンスがある)ことを学べますか?
 □YES □NO
Q4.働きがいがあり人間らしい仕事につくための必要な技能について学べますか?
 □YES □NO
Q5.人権への貢献することを学べますか?
 □YES □NO
Q6.平和そして安全で非暴力への貢献について学べますか?
 □YES □NO
Q7.持続可能な開発とライフスタイルに必要な知識と技能について学べますか?
 □YES □NO
Q8.グローバル・シチズンシップについて学べますか?
 □YES □NO
Q9.文化多様性と文化の持続可能な開発について学べますか?
 □YES □NO
Q10.後発途上国及び小島嶼途上国、並びにアフリカ諸国について現状を知り、国際協力について学べますか?
 □YES □NO

4.『おりがみ忍者』という遊びを『質の高い教育』コンテンツに近づけるためにどうしたらいいか?


Q1. ジャンダー格差をなくすために男女の平等について学べますか?
A1.■YES
『おりがみ忍者』は、男女の能力差はでない。したがって男女一緒にジェンダーフリーな遊びとして設計しています。

Q2.脆弱な立場であっても、すべての人が平等であることを学べますか?
A2. ■YES
『おりがみ忍者』は、もともとギックリ腰によって身体が動かなくなったことをきっかけに、指先手首さえ動けば楽しめる遊びとして開発されました。
よって病院、高齢者、障害者、幼児など、より多くの方に遊んでいただけます(『折り紙スポーツ』として、将来は『指先パラリンピック』に!)
また紙さえあればつくれるゲームなので、貧富の格差も関係ありません。
さらに単純な折り方、シンプルなルールなので、言語の壁を越えて交流できます。なので世界中の人々と遊ぶことができると思います。特に外で遊べない子どもや歩けない人々。

Q3.誰もが高等教育へアクセスできる(教育のチャンスがある)ことを学べますか?
A3. ■Neither
そこまで考えていません。

Q4.働きがいがあり人間らしい仕事につくための必要な技能について学べますか?
A4. ■Neither
そこまで考えていません。

Q5.人権への貢献することを学べますか?
A5. ■YES
世界中の子どもたちに。できれば、難民生活を強いられている、ケガや病気で動けない困難な生活にある子どもたちの日常へ届けたいと望んでいます。

Q6.平和そして安全で非暴力への貢献について学べますか?
A6. ■Neither
『おりがみ忍者』は、対戦ゲームです。手裏剣などで相手を先に倒す遊びです。これを教育的に「平和」的と呼べるかどうか?人によっては疑問があるでしょう。ただし、子どもたちを、真の暴力から遠ざける狙いはあります。

Q7.持続可能な開発とライフスタイルに必要な知識と技能について学べますか?
A7. ■YES
『おりがみ忍者』は、『ORIGAMI』『NINJA』など日本に古くからある伝統文化です。また『紙:Paper』さえあれば、世界中のどこにでもつくって遊べます。プラスチックもスマホも必要ありません。自分と相手で互いに対戦するという、歴史普遍的な遊びの要素を持っています。1000年後にも遊べるでしょう。

Q8.グローバル・シチズンシップについて学べますか?
A8. ■YES
まさに『Origami Ninja』を通じて、グローバル・シチズンシップ(誰もが地球社会の一員であり、そこに参画する責任を持つ市民だという意識)を育んでいきたい。

Q9.文化多様性と文化の持続可能な開発について学べますか?
A9. ■YES
『Origami Ninja』を通じて、日本以外の国の子どもにとっては、日本という国の文化を学ぶ機会に、日本の子どもにとっては世界に通じる日本文化を知る機会に、遊びを通じて広がっていけたら。

Q10.後発途上国及び小島嶼途上国、並びにアフリカ諸国について現状を知り、国際協力について学べますか?
A9. ■YES
そういう国々へ『Origami Ninja』を届けることで、相手の国の現状を知る機会、国際協力について学ぶ機会にしたいと考えています。

おりがみ忍者 70点。
ほんとに?自己満足じゃ?
以下には貢献できるてるとはとても思えない。
どうやったら『おりがみ忍者』として貢献できるのか?
もう一度、考えてみよう。

●もし、低所得国のすべての学生たちが基礎的な読解力を身につけて学校を卒業できれば、1億7,100人が貧困から抜け出すことができるでしょう。

●もし、低所得国のすべての母親が中等教育を受けていれば、1,200万人の子どもたちが発育阻害から救い出せます。

●もし、すべての女性が中等教育を受けていれば、子どもの死亡は49%減少します。

●もし、すべての女性が初等教育を終了していれば、出産に置ける死亡は66%減少します。

●もし、すべての女児が中等教育を受けていれば、児童婚の64%が減少し、早すぎる妊娠の59%が減少します。

●一年間の学校教育は収入の10%増加に関連します。

<追記>グローバル・シチズンシップとは?


グローバル社会に必要な「地球市民意識」 2016.6.14

「グローバル人材」という言葉に、あなたはどんな印象を持つでしょうか。おそらく「世界のどこでも通用する、競争力のあるビジネスパーソン」という捉え方が一般的でしょう。実はこの「グローバル人材」という表現は日本で生まれた造語であり、他の国では通用しないのです。日本におけるグローバルの解釈は、どこかズレているのかもしれません。
いま、そしてこれからの世界で、グローバルに活躍したいビジネスパーソンに求められる素養とは、一体どんなものなのでしょうか。

「グローバル・シチズンシップ」は、英語力や競争力にとらわれないマインド
https://workmill.jp/jp/webzine/20160614_gift1/

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